見出し画像

白票についての考察

選挙のたびにちょっとだけ話題になる「白票」についての解説と考察。

右も左も関係なく白票についてのモヤモヤがスッキリして、しかも白票に肯定的、批判的な発言をする人の思考や狙いなど、最終的かつ不可逆的な解説をさせていただきます。

  • 1,白票とは

  • 2,白票に意味はないのか?

  • 3,白票を若者が投じると・・・の矛盾点

  • 4,白票は与党に入れるのと同じ?

  • 5,白票に批判的な人の思考回路

  • 6,白票の問題点

  • 7,結論

  • 8,考察。選挙によって、白票の意味が変わってくる

  • 9,余談的なもの


1、白票とは

白票とは、投票用紙になにも書かずに投票箱に入れられた票のことを言います。

他に無効票という、立候補者(または政党)以外の名前を書いたものもあります。

今回は意図的に無効票にした場合も「白票」として取り扱います。

2、白票に意味はないのか?

白票を入れると、どの候補(政党)の得票にもなりません。
ただし投票率には加算されます。

つまり候補者の得票数に影響は与えませんが、投票率には影響を与えます。

これが投票破棄(投票に行かない)と、白票との大きな違いです。

投票率は受付で年齢・性別を集計するので、高齢者の投票率が高く若年層の投票率が低い状況がすぐに、正確に分かります。

なので得票数を狙う立候補者は必然的に投票率の高い年齢、性別へ向けた政策が多くなります。

例えば、高齢者の投票率が高ければ高齢者向けの政策が充実し、
逆に若年層の投票率が高くなれば若年層向けの政策が充実していくことになります。

極論を言うと全ての政党が投票数の多い世代を狙って政策を出すため、「誰に投票したか」ではそれほど変わりませんが「誰が投票したか」では確実に変えることができると言うことです。

3、白票を若者が投じると・・・の矛盾点

「白票を若者が投じると」と言う内容のツイートがまれに有りますが前提が間違っています。

そもそも誰が白票を入れたか調べるすべはありません。

高齢者が白票を投票している可能性も十分にあり得ます。

4、白票は与党に入れるのと同じ?

与党か、野党か、白票か、という三択であれば白票=与党というのは当たり前のことで「計算ができる人ならわかると思いますが・・・」とかマウントを取るほどの物ではありません。

例えば7人で一つの大皿料理を注文するとして、ビーフ派が3人、フィッシュ派が2人、残りの2人がどちらでもいいならビーフになりますよね。

与党は数が多いから与党な訳であって、野党は数が少ないから野党な訳です。

なので白票は与党(多数決の多い方)に入れるのと同じというのは計算が出来ない人でもわかるロジックです。

ちなみに白票ではなく投票破棄でも同じことが言えます。

先程と同じ状況でビーフ派が3人、フィッシュ派が2人、ただし5人で注文するのであれば当然ビーフになります。

結論として「白票は与党に入れるのと同じ」というのは言葉足らずで、正確には「白票と投票破棄は与党に入れるのと同じ」と言うことになります。

5、白票に批判的な人の思考回路

白票と投票破棄は候補者の得票数に影響を与えないので当選結果を変えることは出来ませんが、
2、で解説したように投票率は変わります。

「白票は意味はない」と言っている人は投票率の重要性が分かってない人か、計算が出来ない人か、野党を応援している人になります。

良くあるケースで「白票で入れるくらいなら少しでも調べて正しいと思う所に投票すれば・・・」的な事を無責任に言う人がいますが、調べた結果が白票、または調べるのが面倒・大変だから白票を入れているので、
白票を入れる人たちの気持ちに全く寄り添えていません。

しかも「白票に意味はない」と言いながら「白票を入れるなら投票しなくても同じ」とは絶対言いません。
きっと「白票で入れるくらいならオレの支持してる候補にいれるべき!調べればきっと支持してくれる!」と思って呼び掛けているのでしょう。

6、白票の問題点

噂ではありますが、選挙管理委員会の集計員の中に不正者がいて、鉛筆で書いた候補者を消したり、白票に別の候補者を書かれたりとか
そういう噂があるそうです。(もちろん犯罪です)

なので投票する際にはボールペンを持っていき、枠いっぱいに名前を書くか、白票と大きく書くのが良いかと思います。

7、結論

投票率の低い理由に
・どこに投票したら良いかわからない。
・投票したい人がいない。
がありますが、白票だとそれが解消されます。

白票を容認している人は「投票破棄するくらいなら白票でも良いので投票しましょう」というきっかけを呼び掛けているしているに過ぎません。

ハッキリ言って、数千票の差で接戦といわれる世界なので、あなたの1票では変わりません。

ただ、2で言ったように「誰に投票したか」では変わりませんが「誰が投票したか」では変わります。

極端な例えですが、選挙権を持っている若年層の投票率が100%ならば、全員が白票だったとしても勝手に若年層向けの政策が充実されます。

なので若い人たちに誰でも(白票でも)良いので投票にいきましょう。と訴えているわけです。
また白票でも投票する習慣をつけていけば、いざ政治や政党に興味が沸いたときに「投票に行く」と言うハードルも低くなります。

8、考察。選挙によって、白票の意味が変わってくる

首長選挙(都道府県知事、市区町村長)だと白票も大きな意味を持っており、当選者が一人だけなのでどのくらいの得票数で勝利したかが重要となります。

例えば、2020年の都知事選挙は小池百合子氏が60%近くの得票率でダントツでした。

いわゆる、他の21人の候補者+白票を合わせても小池氏一人にかなわなかったということです。

つまり、死に票が殆ど無いわけですから小池氏は他の候補者の政策無視で独裁運営が可能になります。

これが票が割れてギリギリで勝利したとなれば、半数以上の死に票を無駄にしないためにも落選した候補者の得票数分配慮した政策を行わないといけないことになります。

今の「小池無双」を許したのは他ならぬ投票破棄した人々ということですからね。

ということで、誰が当選するかわかりきっている選挙でも白票で投票する意味は十分にあるということです。

また地区によっては選択肢が極端に少ないエリアもあり、例えば神奈川のセクシーな世襲議員が連続当選している選挙区では自民党と共産党しか立候補していません。

なので消極的自民党支持者と投票破棄者が白票に投票すれば、第三勢力が出馬してくる可能性が出てきます。

とはいえ現在の白票または無効票は5%ほどなので、実際はほとんど無視されている状況です。

ここまで読んで頂けた方は私が白票肯定派なのはわかって頂いたと思いますが、
「白票を増やす」ではなく「投票破棄派を白票でもいいので投票を促し投票率を上げる」のが目的です。

なので投票率を上げたくない人には不快な話だったと思います。

9、余談的なもの

投票率を上げるのにネット投票が話題になってますが、個人的には反対です。
投票は本人の意思を尊重すべきで、例えば所属団体がある候補を応援しているが、個人としては別の候補に投票したい場合。
投票時には機密性が保たれるため誰に入れたか知られることはありませんが、
ネット投票解禁になると、団体内で監視されながら投票を強制される可能性があります。
勿論、強制は犯罪ですが立証するのも難しい問題です。

また、高校の授業で政党のことを教えると言う意見もありますが、これも反対です。
教える講師の思想が反映されるに決まっているので、平等な解説などできるはずもありません。
教えるとしてもせいぜい選挙制度位だと思います。

以上、言いたいことをツラツラ書かせて頂きました。
もちろん理想は皆が支持政党に投票出来ればそれが一番いいのですが、分からない人(かく言う私も20代の頃は誰に投票すれば良いか分からず投票破棄してました)はその一歩として白票投票で構わないので投票の権利を行使していただきたいと思います。

また、間違っている点や反論があれば是非コメント下さい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?