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シロの初恋 後編

大変お待たせして、申し訳ございません。

色々とやる事が多く手に負えない状態だったもので💦

凄く続きが気になって仕方が無かったんだぞ!

という人が居ましたら、コメント欄にコメント頂けたら次からもっと早く書くようにしますね。

今回は、前回の続きとなりますので、前回の「シロの初恋」を読まれてない方は、そちらを先に読まれる事をオススメします。


翌朝、いつもの時間に待ち合わせ場所に行ったがシロの姿は無かった。遅刻する訳にはいかないので、俺はサチと二人で学校に向かった。

教室に着くがシロの姿は無い。休みなのかと思ったが、カバンは置いてある。シロの放浪癖はいつもの事だが、仲間大好きなシロが待ち合わせを無視し、一人で勝手に登校するのは初めての事なので少し戸惑いを隠せなかった。

キーンコーンカーンコーン🎶

朝のHRのチャイムがなったがシロが戻って来ない。まもなく担任がやってくる。出席を取る時に居なければ、いくら早く来てても・・・

「うぅ・・・はなっ・・・せ!」

廊下からシロの声が聞こえる。

ガラガラ~

扉が開くと担任が、シロを引きずるように連れてきた。なんでも、他のクラス全部を徘徊していたらしい。

強制的に着席させられるシロは少しむくれているようにも見えた。

「あっ!」

サチが何か気がついたらしく、机からメモを取り何かを書いてそっと俺に手渡した。

ちょっとドキドキ感があって嬉しいんだが、隣の席なんだから直接言ったら?って思いつつも、サチからの手紙は大切にしまっている自分がちょっと恥ずかしいのであった。

「昨日の女の子探してるんじゃない?」

流石、サチ!間違い無いだろう。同じ色の学年ジャージを着た小柄な女の子。俺もサチも当然、シロも知らない女の子。きっとシロはその女の子を探しているんだろう。

シロは休み時間の度にクラスを出てっては、ギリギリまで帰って来なかった。午前中の授業を終え、給食を物凄い勢いで食べ終えて教室を出て行けば、流石にクラスみんなが心配をする。仕方がないから、クラスみんなに人を探している事だけ伝え情報提供を求めた。中には当然、探している理由を聞きたがる奴も居たがシロの邪魔や野次馬が増えても困るからその理由だけは伏せておいた。

シロの方も見つけられず、有力な情報もないまま放課後を迎える。シロは何も言わず一目散に帰宅した。その後を追うように俺とサチも家路に着く

「着替えたら迎えに来て!」

サチと約束を交わし、俺が家に着くタイミングでシロは小学校に向かって猛ダッシュして行った。陸上でもやっていれば、かなりの記録を残せたのでは無いだろうか?

「サチ!」

俺も急いで着替えサチを迎えに行くと

「あらぁ~まさるんくん❤今日もデート?」

サチのお母さんのウェルカムモードw家によってお茶でも飲んで・・・いや、今日はそれ所じゃ無いし、読者ももう良いよ~ってなるから、サチにさっさと着替えて出て来て貰いシロを追いかけるのであった。

「えへへっ」

サチが照れくさそうに微笑む。理由は聞かずとも分かった。もしかしたら、小さい時からだったのかも知れないが、こういう時は自然と手を繋いでいる。俺にとって手を繋ぐって何か意味があるのかも知れない。このシリーズがいつまで続くか分からないけど、必ず肝心な時は手を繋いでいる気がする。

「着いた!シロは?」

シロはやっぱり砂場に座ってじーっと見てる。勿論、視線の先には昨日の女の子が逆上がりの練習をしている。女の子もチラチラとシロを見ているが何をする訳でもなく、ひたすら逆上がりの練習をしている。そんな時間が流れ、閉鎖の時間が近づくとシロは猛ダッシュで鉄棒に飛びつき、ぐるぐると逆上がりをして見せた。鉄棒から飛び降り走って帰ろうとしたシロを少女は掴み何か話しかけた。シロは大きく頷き家路に着いた。

そんなシロを見届けた俺たちも帰ろうとしたがサチが一つの異変に気付く。

「あの娘のジャージさ、名札付いてないよね?」

流石、女子!細かい所に気が付く

学校ジャージについて改めておさらいをすると、学年毎にカラーが決まっており、三年生が卒業すると、新入生がそのカラーになる仕組み。学年全員が同じジャージを着るので左胸に小さな名札を付ける義務がある。その少女は同じ学年カラーのジャージを着ているが、名札が付いていないことから、不登校や3つ上の卒業生が名札を外して着ているという可能性も出て来たのであった。

翌日、取り敢えず、友達の友達って他人なんだけどそのツテを使って、不登校な娘とかいじめで自殺しちゃったとかありとあらゆるパターンを含めて該当する娘が居ないか探してもらったが見当たらず。図書室にある卒業アルバム見ても先輩には居なかった。こうなると納得は出来ないがこの学校に来る予定だったが急遽、他の学校にって言う調べようにも調べられない事情の娘何だろうと決めていた・・・っと言うか、シロ自身が接触に成功したんだから、後はシロが聞けば良いことって事であとは、シロのラブロマンスを楽しみにしようとサチと決めたのであった。

昼過ぎから突然降り出した雨、雨じゃ流石に鉄棒の練習は・・・っと思ったがシロは純粋なのかも知れない、激しく雨が降る小学校の校庭で一人逆上がりを続けていた。

翌日は、晴れた。約束だったんだろう、シロは少女と二人で逆上がりの練習をしていた。

土曜日も・・・

日曜日も・・・

二人は必死逆上がりの練習をした。

更に三日位経った日。遂にこの日が訪れた。そう、練習の成果が実り、少女は逆上がりが出来るようになった。喜ぶ二人。少し涙ぐむ俺とサチ。シロと少女は当たり前の様に笑顔で手を振り別れた。

次の日、シロはいつもと変わらず小学校に向かった。

だけど・・・もう少女は居なかった。

また次の日もシロは少女に会いに行くが、少女は居なかった。

あのシロが泣いてた。思いっきり顔をクシャクシャにして鼻水垂らして泣いてた。

流石に見てられなくなった俺たちは、シロに駆け寄り慰めた。シロは少女の事を何も知らなかった。何も聞かなかったというのが正しいのかも知れない。ここに来れば逢える。シロはそれだけで充分で逢えなくなる日が来るなんてちっとも考えて無かったみたいだ。

あの少女がどこの誰なのか今でも分からない。

実在したの夢なのかも分からない。

でも、これだけは、はっきりとした。

少女は、シロの理想のタイプそのものだった。






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