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Gレコ雑感「マスクとシャア」

 本放送終了から、もう二ヶ月近くも経ってしまいました。

 しかし、各所で再放送も続いているので、あまり終わった気がしません(笑)。見続けてます。

 改めて見直すと、色々と発見がありスゴイ!と思いながら見ています。さすが監督、練りに練っていたんだろうな。

 ところで先日、ある友人から「Gレコつまんない」という言葉を聞いてしまいました。

 

 ああ、ショック。なんてことだ。これは魅力を伝えなければ!

 と思い、その理由を聞いてみました。

 と、彼の口から出てきたのが「男が弱いから」という言葉。

 私は、なるほど、そういう見方もあるのか、と理由を聞いて逆に感心してしまったんです。

 ……シャアとマスク、同じ仮面の男ですが、この二人の大きな違い、言い換えればシャアという曲がりなりにも35年も人気を得続けているキャラと、昨年現れた新しいキャラの違い。

 

 それを、男女の差で見てみるのが、今回の趣旨。

 

 以前、私はシャア・アズナブルというキャラクタの魅力を、その未完成がゆえ、と論じたことがあります。

 シャアは、ガンダムの企画段階では、まだキャラが未確定であり、ただの前線指揮官でした。序盤で死亡する可能性すらあったほどです。それが放送が進むに従ってだんだんとセイラとの兄妹、そしてジオンの遺児として復讐鬼としての設定が付加されていった。つまり、未完成なキャラだった。

 シャアの面白いところは、キャラが完成に進むに従って人気は高まっていったものの、それに反して人物としての能力は低下していったことです(笑)。

 ア・バオア・クーでは素人アムロに剣で負け、ゼータでは何度撃っても当たらないハイメガランチャーを使い、挙句逆シャアではマザコンだのロリコンだとの酷い言われよう。

 一番イカした頃というのが、ファーストの第一話と第二話ですから。名ゼリフのオンパレード。そこから彼の評価は低下する一方です。

 しかし、シャアは何故か女性に好かれる。

 ララァは勿論のこと、ゼータではレコア、そして逆シャアではナナイに。

 レコアはシャアに構って欲しかったけど、シャアにその器量が無かったので、シロッコの下に走る。

 ナナイに関しては上手く関係を維持してますね。レコアの反省があったのかもしれません。心の底から惚れているわけではないが、それなりに彼女に応えている。

 その態度に対してナナイは、シャアの心に未だにララァがあることを知りながらもシャアに尽くす。その女心があのグラスを投げつけるシーンに出ているのですが、いやー、堪りません。

 あんなイイ女を、死に際して泣かせているのだから、男冥利に尽きるというものです。

 また、クェスに対しても、ナナイのことは忘れるとか、心にもないことを言って上手く操っている。流石だなあ(笑)。

 シャアは充分に女性を満足させられる人間ではないが、何故か女性がほっておけない、そんな魅力を持っている人物に見えます。

 では、マスクはいかがでしょう?

 マスクはバララとマニィに好かれているわけですが、バララとは最終決戦を前に決裂してしまう。

 戦力としては圧倒的にバララのほうが使えるわけです。それを、彼女の機嫌を損ねてしまい、暴走に近い行為に走らせてしまった。ユグドラシルとGセルフの性能差は考慮に入れませんが、とはいえユグドラシルはまだ活躍できたのではないか、と思えます。

 マニィとのイチャイチャしているところをバララに見せつけてしまったおかげで、大きな戦力減に繋がったわけですが、これ、戦闘指揮官として失格でしょう。

 有能な人間であれば、そしてバララの好意に気づいているのであれば、彼女の心を繋ぎ止めておくために、マニィとはあまり接近しないはずです。しかし、そこに気づけない。

 自分の気持ちは置いておいて、ナナイの気持ちに応えているシャアとは大違いです。

 これは、振り回されている風で、実際に周囲の女性を振り回しているシャアと、本当に振り回されているマスクの違い、といえるでしょう。

 まあ、マスクは若いですからね。まだシャアのレベルには行っていないのかな、と。

 もうマニィが独占なんですが(笑)。

 こういう男性キャラの、女性との距離感というか関係性の作り方が、相対的に男性の弱さ、に見えてしまっているのかな、そして、それってこの三十年の時を経た、今の男女関係の作り方なのかな、とそう思ったこの問題でした。

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