「夏競馬」に向けて。夏競馬こそやろうぜ!障害競走!②.障害レースの予想の仕方

皆さんダービーの予想は順調でしょうか?マイネルマサシです。

今回はシリーズモノの二作目、前回では夏競馬で障害レースをやる事のメリットや、夏競馬が何故難しいと言われてるのかを説明しました。

https://note.com/masashi_624/n/n2916791a6c45

今回の記事からは更に踏み込んで「じゃあどうやって予想したらいいの?」って部分をお話しようと思います。

前回の記事でも少しだけ触れましたが、夏競馬期間中の障害レースは3種類のレースが有ります。

・障害未勝利戦
平地のレースの未勝利戦と同じく、一度も障害レースで1着になった馬が出るレース。平地のレースでG1を勝っていても、障害レースに出る際はまず基本はここから。
・障害オープン(一般競走)
障害レースを一度でも勝つとオープンクラスに昇格。レース名の特に付いていない一般競走扱いのオープンクラス競走(昔は平地でも有ったが今は平地のレースで一般オープンは存在しない)
・障害重賞(J・G3)
夏競馬は新潟競馬場で行われる新潟ジャンプステークス、小倉競馬場で行われる小倉サマージャンプの2レースだけ。

以上3種類のレースが存在します。夏競馬以外なら特別競走やJ・G2とかJ・G1も存在します。

さてこの3種類のレース、今回僕が一番オススメしたいのが、一番最初に挙げた「障害未勝利戦」なんです!

【何故僕が障害未勝利戦をオススメするのか】
①組まれているレース数が1日でも1,2レースなので過去のレースを観て予習復習にかける時間が少ない。
②レース数が少ない=過去一緒に走っているレースも多く、横の比較がしやすい。
③いつまでたっても障害飛越の上達しない馬、障害を飛ぶ前に止まりそうな勢いで減速する馬など、「これは厳しいのでは・・・」という馬も出ており、馬券の取捨選択が容易。
④障害試験を合格しないとレースに出れないシステム。試験の時計内容から、初障害や障害経験がある馬でも実力が読みやすい。

上記4つの理由を交えながら、障害レースの未勝利戦の予想方法を解説していきます。

障害未勝利戦の予想方法

【障害経験のある馬の考え方】

皆さんは障害レースに限らず、競馬のレースを予想する際に、何を参考に始めますでしょうか?
競馬新聞やnetkeiba等のサイトから馬柱の情報から読んで参考にしますか?それともパドックでまずは判断しますか?ほかの予想屋の記事を購入して、予想している方もいると思います。

障害未勝利戦の予想で、まず重要なのが「過去のレースを観ての予習・復習」です。

まず「過去に障害レースを走っていた馬」。これは簡単ですね。JRAのサイトやJRAVAN等で大体の過去のレースは全て動画で観れるようになっています。
出走馬の中には過去10戦以上もしている馬も居るのですが、僕の場合は大体過去3走と、他に今回と同じコースを走っているレースがあればそちらも併せて確認しています。

障害レースは、各競馬場によって置いてある障害の場所・数・種類が大きく異なっており、例えば中山競馬場で3戦連続して2着の馬が、今回福島競馬場の障害未勝利競争で鉄板か?と言われると、必ずしもそうではないからです。
新聞の馬柱の成績だけでなく、映像でもしっかり確認しましょう。同じ競馬場での走りっぷりは特に要チェック!

レース映像で僕が最も重視しているポイントは
・障害飛越の際、どのくらい減速しているのか?
・どのような飛び方をしているのか?高く飛んでいる?低く飛んでいる?減速せず飛んでいる?減速して飛んでいる?飛越後の再加速は・・?etc
・道中である程度のポジションをとれているのか?
・折りあい良く道中進めているのか?
・勝負所でしっかり脚を使えているのか?

主にこれらをチェックしています。

・障害飛越の際、どのくらい減速しているのか?
・どのような飛び方をしているのか?高く飛んでいる?低く飛んでいる?減速せず飛んでいる?減速して飛んでいる?飛越後の再加速は・・?etc

障害レースの障害は種類によっては、高く、遠く飛ばないといけない障害があります。馬によっては飛び方は千差万別で、障害に飛び込むような速さで飛ぶ馬も居れば、止まってしまうのでは?と思うくらい減速して慎重に飛ぶ馬も居ます。
当然「競馬」な以上、飛越の綺麗さは競っていません。ゴール板を1番で通り抜けた馬が1着な以上、どうしても減速は大きなロスとつながります。
障害競走でデビューしてから徐々に速く飛べる馬も居ますが、何戦経っても上達せず。飛越の際の減速で前から置いて行かれる馬も居ます。
まれに飛越後再加速をして上がっていく馬も居ないことはないですが、飛越の上手な馬で再加速もできる馬がいた際は、手も足も出ず。というのが厳しい現実です。

・道中である程度のポジションをとれているのか?
障害レースというのは原則的に前が有利なレースです。
展開や馬群の隊列、競馬場によっては差しが決まるときもありますが、基本的には平地レースより遅いペースで道中進むことが多いため、逃げ・先行勢が圧倒的に強い。
中団~後方馬群は縦長になれば基本的に届きません。
この点はコースの説明をする次回に詳しく話をしたいと思います。

・折りあい良く道中進めているのか?
これは平地レースでも当てはまりますよね。障害レースでも折り合いは大事。
特に障害はペースが平地よりも遅くなる&距離が長い為、折り合いを欠く馬は勝負所でガス欠を起こし、馬券争いが出来ません。
今年の中山グランドジャンプのニシノデイジーを思い出してください。
スタート出遅れ、後方からのレースになってしまい、大生垣手前のバンケットで石神騎手が抑えきれないような感じでかかったように前に取りつきました。
観た人の中には「石神騎手がニシノデイジーのポジションを上げた」と感じる方も中にはいると思いますが、実際はかかってしまい、石神騎手のコントロールが出来ない状態になりました。
当然そうなってしまえば、不良馬場の超長距離戦、最後の直線は余力が残っておらず、落馬寸前の危険な飛越でなんとか完走するのがやっとの状態でした。
道中の飛越が安定していても、折り合いに欠いてポジションが安定しない馬は危険な馬と言えるでしょう。

・勝負所でしっかり脚を使えているのか?
障害レースでもコースごとに「勝負所」というのは有ります。詳しくはコース紹介の記事で細かく語りたいのですが、よほどの大逃げでもない限り、最後の勝負所で脚を使えていない、スタミナ切れで脚が鈍り下がる。といった馬は買いにくいですね。

色々語りましたが、何にせよ、過去のレース映像にはたくさん馬券攻略のヒントが隠されています。平地競争だと見ないといけないレース数が多く、また距離もバラバラなことが殆ど、メンバー構成や展開もそれぞれ違い、映像を見るだけでも大変・・・・。

障害レースだと、未勝利戦は競馬場が同じならほぼ同じ距離を使用します!(新潟など一部例外はあり。ただ障害の個数や設置場所、種類は変わらない為、タイム上の誤差だけ)なので予習復習が容易!「1番人気の馬が出ていた前走の映像を見ていたら、今回のレースで出てくる馬が3頭も居る!横の比較がしやすい!」というのは障害レースであれば良くある話です。


熱くなって一気に語ってしまいましたねw

【初障害の馬の考え方】

さて、今まで話をしたのは「過去障害レースを走ってきた馬」の話。
障害の未勝利戦はそんな馬だけでなく、今回が初めて障害レースを走る馬、「初障害馬」が居ます。
「障害を飛んだことのないのに来るかどうかなんて分からない」「実力がはっきりわからない」とおっしゃる方もいらっしゃることでしょう。

そこで参考になるのが「障害試験タイム」です。
障害競走は前述の通り、「障害試験」に合格して初めて出走することが出来ます。
栗東と美浦で使うコースの距離が違うものの、生垣・グリーンウォール・水壕、竹柵の4種類が設置されているコースを、栗東であれば120秒以内でクリアすることと、飛越の飛び方など加味したうえで合否が決まります。

映像などはこちらに関しては観ることが出来ません。
が、出走が決まった際に、ツイッターで「〇〇(馬名) 試験」で検索をすると、総合タイム、誰が乗って試験を受けたか?を書いていただいてる親切な方が居ます。

本当は総合タイムだけでなく、中間ラップや飛び方等、知っておきたい情報は有るのですが、まず最初は全体時計と一緒に受けた騎手の名前のみで大丈夫です。

①全体時計の考え方
これはいたってシンプル。栗東所属馬だと「全体時計100秒以内」美浦所属だと「全体時計「110秒以内」の馬は初障害から期待できる候補と言っていいでしょう。
障害を飛ぶたびに直前で減速、飛越後再加速をしていたらタイムも詰まりません。極力スピードを落とさず、速いスピードのまま飛越できる馬は、初障害でも期待が出来ます。

※障害をすべて飛び越えてからゴールまで、最後は障害のない直線なので、飛越が雑でも平地オープン馬でしたら平地の足でタイムを詰める馬も居る為、安易な鵜呑みは禁物です。

※お手馬が少ない騎手は騎乗数を増やすために、時計を詰めがちです。飛越の内容は別媒体で確認できる人は確認したほうが良いです。

②試験を受けた騎手
ここで注意してほしいのは、試験を受け、合格した馬でも当日の未勝利戦
初戦、違う騎手が乗っているときがあります。

前のレースや先週に落馬で負傷していて・・・ということもあれば、ほかの出走馬に騎乗しているときも有ります。

こういう時は危険。大体は来ないです。


他にも色々ありますが、手軽に仕入れられる情報で参考になるのはこの2点でしょうかね。

【障害未勝利戦で買うべき馬・買ってはいけない馬】
さて、最後に既存の馬と初障害の馬の見るポイントを語ったうえで、僕なりの「買ってはいけない馬」「買うべき馬」「穴馬で買うべき馬」の3点を挙げていこうと思います。

「障害未勝利戦買ってはいけない馬」
①どのコースを使ってもずっと着外、位置取りも後方で全く見せ場のない馬
これは障害戦に馴染みがなくても当然ですね。来たら事故だと思うようにしてます。障害においても騎手の乗り替わりは必ずしもプラスに働くとは限らないので、思い切って切ってます。

②障害試験に1回でも不合格になっている馬の初障害戦
こちらも消しでいいです。データを取っているわけではありませんが、やはり初障害戦では馬券内は来ない印象が強いです。不合格になるには「タイムが遅い」「斜めに飛ぶなどきれいに飛んでいない」「試験で落馬した」等、ネガティブな理由が必ずあります。

③ダート馬(未勝利・下級条件馬)、ダート血統(特に米国系以外)・地方からの出戻り馬 ※良馬場・やや重馬場
平地時代にダートを走っていた未勝利馬・1勝クラス馬や、地方からの再転入組も狙いにくいです。
障害コースは最後の直線ダートを使用する阪神・京都・東京・中山以外はすべて脚元は芝です。夏競馬で使われる小倉・中京・新潟・福島もすべて脚元は芝ですね。

夏競馬で使われる障害コースは、基本的に芝馬のスピードのペースになってしまうため、平地力のないダート馬は厳しいですね。

重馬場や不良馬場等で時計がかかる、開催も終わりに近づき、芝が荒れている、メンバーレベルが低い時、生垣が中心の速くならないコースの時等は、穴馬として少しだけ検討してもいいかもしれません。

④1000m~1200mの短距離馬
一時期、「短距離馬でも障害ごとの再加速の瞬発力で有利」と話している人が結構いました。
昔は障害レースといえば長距離血統の馬(モガミやダンスインザダークなど)が活躍する舞台という印象があり、短距離馬は不向きとされていました。
近年はメイショウボーラー産駒が未勝利をかなり勝ち上がっていたりして、短距離馬を見直す声も多く聞こえていました。

個人的には僕はマイラーであるなら再加速の瞬発力で有利と思いますが、1000~1200Mのコッテコテの短距離馬はそこまで有利だとは思っていません。

そこまでの短距離馬になると、折り合いにそもそも課題のある馬も多く、最初は前につけても途中でスタミナが切れ、徐々に雑な飛越となり落馬・・・
。という光景もよく見ます。

⑤好走するコースのパターンに偏りがある馬
僕が一番重視しているのがこれ。
障害コースの詳細な解説は次回にしますが、日本の競馬場の障害コースは
次の4パターンに分けられます。

・パターンA 順周り固定障害
中山・京都・東京
・パターンB 襷コースあり固定障害
阪神・小倉
・パターンC 襷コースあり可動式障害
福島
・パターンD 順周り可動式障害
中京・新潟

「襷コースの有無」「固定障害」「可動式障害」別に4パターンに分けられましたね。

すべての馬がそうとは言い切れませんが、ABCDすべて得意な馬は基本的には存在しません。
ABの固定障害でいい成績があってもCDの可動式障害では掲示板にも入れない。という馬も居れば、CDの可動式障害出ないと良績が出ない馬も居ます。
仮に近走不振でも、障害レース経験はすべてチェックしておく必要があります。
「ずっと中山と福島ばかり出ていた2着連続4回の馬が今度は初の新潟の未勝利戦だ」となっても、あっさりコース変わりで飛ぶ・・・なんてこともあります(逆もしかり)

⑥騎手のテン乗り
障害レースは調教・試験から騎手と馬が一緒になって作りあげていくものです。その騎手でないとわからないクセ、飛ぶリズム等、その騎手でないとわからない事が多々あります。基本的に障害レースの乗り替わり=マイナスと思っていいでしょう。


「障害未勝利戦で買うべき馬」

①試験タイムが優秀
これは先述の通りですね、あまりに優秀だと情報はほかの人も知ってるため、オッズが明らかにほかの初障害と違うはずです。平地重賞馬、OP馬で障害難易度が低いコースでは思い切って単複で狙ってみてもいいかもしれません。

②安定して好成績を出している馬
これも当然ですね。ただ強い初障害馬に頭を割られたり、傾向が違う初コースで戸惑い、また勝ちきれないときも有るので、安易な単勝勝負は禁物です。

③安定して先行ポジションが取れる馬
障害レースは先述した通り、逃げ・先行が基本的には有利です。
飛越・折り合い・ペースが安定している馬は、ポジションが安定しており、勝負所でしっかりと足を使える印象です。

④実績のあるコースに出てきたとき
障害に限らず、近代競馬は「得意なコースに特化した馬づくり」をしている印象にあります。近走いまいちでも今日のコースで穴をあけていた時などは押さえておいていいかもしれません。

⑤小牧加矢太騎手騎乗の馬で、前にポジションを取れる馬
昨年デビュー以来、破竹の勢いで未勝利・一般オープン戦で勝利を重ねている小牧加矢太騎手。デビューしてすぐは競馬に慣れていないのか、落馬をすることも有ったんですが、順調に勝利を重ねていますね。
そんな彼ですが、障害未勝利戦においては結構カギを握っています。

本人の飛越が上手いのと、減量騎手の斤量の恩恵もあり、「安定して先行できる馬」に乗った際はかなり安定した成績のイメージです。

一方、気性が難しい馬、後ろから徐々に上げていく差し・追い込み馬に騎乗した際は仕掛けどころがまだうまくつかめていないのか、あまり馬券内に入っているイメージは有りません。

「未勝利戦は小牧騎手を買うか買わないか」を基準に最初は予想すると予想しやすいかもしれませんね。

「穴馬で買うべき馬」

最期にこちら。

「穴馬で狙うべき馬」は・・・・

「障害入り2,3戦目の変わり身」です。

初障害を終えた馬のレースをチェックしてみてください。
映像から「スタートからゴールまで手綱を絞っている」「終始後方だが、飛越もうまく、最後の直線は足を使って何頭かかわしていた」「スタートが上手く逃げるも最初や2個目の障害でつまづいて後退した」馬が居れば、次走ぜひ狙ってみてください。

あまりこういう話をnoteでしたくはありませんが、障害競走、特に未勝利戦は「ヤラズ」が明確に存在しております。

初障害の馬にレースに慣れてもらうために、わざと最初から後方で進める騎手も居ます。
レースに慣れた馬が2走目で大激走・・・はあのオジュウチョウサンもそうでした。

ヤラズを映像で見抜いて次走先物買い。
これが障害未勝利で穴を拾うテクニックです。


【次回予告】
6000文字を超える記事、どうでしたでしょうか?
読んでいただきまして有難うございます。

次回はいよいよ「コース解説」をしていきたいと思います。
本当だったらすべての障害コースを解説したいのですがwあまりにも
文章が多くなりそうなので、夏競馬でのコースだけ深く解説していきたいと思います。

それでは皆さん。よき競馬ライフを・・・




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