見出し画像

川崎のサイドバック論(車屋vs登里)

今現在、川崎のSBには車屋、登里、馬渡が基本的に使われる。マギーニョはエウシーニョほどの迫力はない。だが、サイドバックはどの局面でも関わることが多い。例として去年の鹿島アントラーズは西と安西の両SBがゴールやアシストをする場面が多かった。また、人気サッカー漫画「アオアシ」では主人公がSBという物語になっている。海外ではマンチェスターシティの偽SBやレアルマドリーのマルセロによる偽ウイングなど、SBを重要視して戦術に加えることも近年増えた。Jリーグでいえば横浜Fマリノスのポステゴクルー監督の偽SBが代表的である。

そして、今回は車屋と登里について比較する。

まずは車屋。車屋は左SBの時は偽ウイングのような形をとるSBと言った方がいいだろう。カウンター時にはいち早く駆け上がる。そして、自分がクロスを上げるような動きをとる。クロスには定評がある。車屋→小林の得点パターンもよくあった。しかし、この時の左SHは阿部浩之だから出来たこと。阿部は周りを意識してプレーするプレイヤーでドリブルで打開するタイプではない。そのため、阿部が中に入ってゲームを作って車屋が外を回ってクロスを上げる、切り込む形が多かった。この時の車屋の勝負強さは日本代表級だった(後に呼ばれる)。しかし、今現在の左SHはスタメンは長谷川だろう。長谷川はサイドに張って自分でどんどん仕掛けるタイプであるので、車屋とタイプが被ってしまう。また、長谷川が持った時に車屋は中に走り込んでしまうため長谷川がドリブルで切り込むスペースがなくなってしまい、長谷川vs相手DF2枚になってしまう。今ら長谷川の好調さを見るとここはドリブルさせたいのが鬼木監督の意思だろう。

それに対して登里はどうか。登里は偽SBといい、ボランチのような形をとり中盤のパス回しに参加してゲームを作る。それにより、中盤でのパスワークでは優位に立てる。また、長谷川が持っても邪魔せず(中に駆け上がることあるがごくたまに)、フォローに回る。これは登里が1番できる「気が効くプレー」である。登里のクロス上げるシーンは1試合に1度くらいだ。また、登里は対人に強い。相手がフッキだろうと臆しない強さを持つ。多摩川クラシコの66分のシーンではディエゴオリベェイラとのカウンターてでの1vs1を見事に防いだ。長谷川の守備には不安があるので登里が有力だ。

だが、多摩川クラシコはいつもと違う陣形で望んだため両SBを入れ替えたに違いない。長谷川ベンチは驚きだった。これはしっかり守るというメッセージだろう。阿部、下田、田中がいる時点で前線は中村、小林、齋藤に任せていた。守備時には阿部、下田、田中の『3ボランチ』のやうな形だった。この形を FC東京は攻略できなかった。

そして、家長がいる時の右SB。右サイドで左利きが組むことはほとんどない。車屋と組むと二人とも縦に行かないため、相手守備陣形がサイドに開かないためパスコースが少なくなってします。そこで、自分は右には『馬渡』を薦める。馬渡の駆け上がるタイミングは FC東京との開幕戦もピカイチだった。そして左は車屋だ。その時の左SHは阿部でスーパーサブとして長谷川を見たい。

登里は両方同レベルでできるので夏場の控えにはもってこいだ。勿体無いが。

今回の多摩川クラシコをこの形で勝った以上、次はどのような人選をするか楽しみだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?