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【感想】デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場

出版を待っていた本が届き、その日で読み上げた。
全く理解のできない人だった、本を読んでもそれは変わらなかった。読む価値はある。
デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場
https://www.amazon.co.jp/dp/B08P342DPT/


読んでみて、想いがあって山、というよりは自分に挑んでいたのはわかった。山に挑むプレイヤーとしては評価できないが、人生に果敢に挑み山に散って行った人間に対して、敬意を表する。彼を信じていた者たちへの彼なりの責任のとり方の幕引きだったように感じる。


同じ年。分野は違えどフィールドに出る人として興味はあった。栗城さんには一度会った事があるが(彼が凍傷で指を欠損したすぐ後)、見た時につくべきところに筋肉のついていない体型や、話した時に同じプレイヤーとしての違和感を感じた。発言の一つ一つの齟齬(例えば、冒険家や登山家は保険に入れない、など。実際は入れる)、言葉の端々に事実と違う発言も多かった。登山家や冒険家であれば、真実を伝える事を優先し、ストーリーを盛り上げる事を優先しない。


新しいタイプの人だった。登山や冒険を視る人の間口を拡げてくれた事には感謝している。願わば、エベレストの後の栗城劇場を見たかった。
君の人生で多くの人が様々な影響を受けた。だから、君の人生は十分に価値があったし、誰も成し得ぬ事だと思う。やりたい事に命を賭けたんだ、見事と言うしかない。

僕自身もスポンサーをつけて活動しているからこそ、言っておきたい。
彼の支援をすることで、崖にいる彼の背中を押したようにいう方もいるが、行くと決めていたなら多額の負債をしてでも行っただろう。男が行くと決める、というのはそういう事だ。だから、彼を支援したり応援したことを、ファンやサポーターの皆さまに後悔して欲しくないのだ。皆さんのお陰で彼はチャレンジできた。

彼の評価をこれから変えていくのは、彼の影響を受けた皆さまの行動で、その結果は直ぐには出ない。


エベレスト劇場のエピローグが始まるのはこれからだ。

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