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本当に凄い昭和歌謡 3選

noteさんの企画「#スキな3曲を熱く語る」に参加します。

テーマに迷いましたが「本当に凄い昭和歌謡 3選」でいきます。


普段、洋楽を扱っているのnoteなので最初は当然洋楽を考えました。

・ジャンルの「○○」を好きになった最初の3曲
・カバーされがちな3曲
・電話の保留音に使われがちな3曲(どんな需要)
etc...

一方、洋楽を扱っていると逆に「そういえばあの邦楽も凄いよな」って発見が日々あるんですよ。 その中でも「これ、、実はスゴイ曲なのでは?」と感動した「本当に凄い昭和歌謡 3選」に決定。


この3曲をなぜ選んだか。
評価したいポイントは3つ。

①海外の音楽を取り入れながらも日本の音楽文化をミックス
②歌詞の内容に当時の日本文化が反映されている
③歌詞が他の言語に直訳できない「日本の文化に根差した言葉」

それでは、紹介しましょう。

ポッドキャストも作りました。
ラジオ感覚で、ながら聴きもできます。
(Spotifyのロゴを押し、アプリ上では楽曲付きで聴けます)


トニー谷 - さいざんすマンボ(1953:昭和28年)

1950年代から活躍した舞台芸人、俳優。
「そろばん」をリズム楽器のように使い、
「レディス・アンド・ヂェントルメン&おとっさん・おっかさん」
「グッド・アフタヌーン、おこんにちは」
「あなたにアイブラユー」
など「トニングリッシュ」と言われた英語、髭にメガネにオールバックというビジュアルで独自の世界観を持つアーティストでした。

この曲は1953年に発表された宮城まり子とのデュエットでヒット。
あまりのオリジナルな楽曲でその後も何度か再評価されています。
その中でも、後にも先にもいなかったのが「そろばん」の使い方じゃないでしょうか。
そして歌詞の「アイブラユー」は英語を逆手に取っているし、「ざんす」も英語に訳せないので高評価。

「さいざんすマンボ」
作詞:トニー谷、宮川 哲夫  作曲:多 忠修

【こちらでも取り上げています】


植木 等 - スーダラ節(1961:昭和36年)

主に1960年代から活躍した俳優・コメディアン・ミュージシャン
グループの「ハナ肇とクレージーキャッツ」やソロでも活躍。

映画のシリーズにもなった「無責任男」の異名を持つ芸風に
「お呼びでない?・・・お呼びでない、ね。
 こりゃまた失礼いたしました!」などのギャグは後の志村けんによる「だっふんだ」にも大きな影響を与えました。

この曲は当時80万枚を販売。 (当時の)サラリーマンの日常を描いた歌詞に「わかっちゃいるけどやめられない」というキラーフレーズは流行語にもなりました。
絶対に他言語に訳せない「スイスイスーダララッタ」は植木等の口ぐせだったようで、ここから歌詞が足されていったようです。

「スーダラ節」
作詞:青島幸雄(俳優、元東京都知事) 作曲:萩原哲昌


美空ひばり - お祭りマンボ(1952:昭和27年)

昭和を代表する歌手、女優。 「歌謡界の女王」
9歳でデビューを果たし、天才と言われた歌唱力で歌、舞台、映画とマルチなジャンルで才能を発揮。

今回取り上げた3名に共通するのは、「歌手一本」ではない部分。
これも昭和芸能人のすごいところかもしれません。
おそらく労働時間などもすごかったと思います。
その中でヒットを連発して移動と現場ですから、相当な人間力ではないでしょうか。

この曲は1952年8月15日に発売された曲で、一見ふつうの歌謡曲かもしれませんが、内容は歌に加え演劇、ミュージカルや日本舞踊の要素もあり美空ひばりでしか表現できない楽曲でした。

そして一番自分が驚いたのは以前書いた記事。

そう、歌い方が「ラップ」に通じるものがある部分です。
完全にラップというわけではありませんし、「語り口調」という面もありますが、本場アメリカでヒップホップが1979年から始まったと考えると27年も前の1952年にこの歌い方をしていたのは驚きです。

そして上の記事でも書いたのですが、「ワッショイ」「塩まいてくれ」「あとの祭り」など日本語以外では表現しきれない、9割訳しきれない歌詞。

そういう視点をふまえて聴くと、また新たな新鮮ではないでしょうか?

「お祭りマンボ」
作詞/作曲:原六朗

( ↓ youtubeに飛びます)


以上、「本当に凄い昭和歌謡 3選」を取り上げました。
各アーティストの魅力が少しでも伝われば幸いです。

トニー谷 - さいざんすマンボ(1953:昭和28年)
植木 等 - スーダラ節(1961:昭和36年)
美空ひばり - お祭りマンボ(1952:昭和27年)

この3曲を以下のポイントで聴くと、また新鮮だと思います。

①海外の音楽を取り入れながらも日本の音楽文化をミックス
②歌詞の内容に当時の日本文化が反映されている
③歌詞が他の言語に直訳できない「日本の文化に根差した言葉」


昭和歌謡は「黒猫のタンゴ」「買い物ブギ」「コーヒー・ルンバ」など
戦後海外の文化が多く入ってきた時期だったので、タイトルにジャンルをつけたものが多かったのでしょうね。

これらの先人が歌謡曲のパイオニアとなりその後の歌謡曲の土台を作ったからこそ、後にプレイリストのような名曲が生まれました。

めぐるめぐるよ時代はめぐる by 中島みゆき


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