「新しいドラマーを探しますか」

冷たい雨が降りしきり、家へのいつもの帰り道が少し遠く感じた夜のこと。
電話越しに話していた柿沼にもしそう言われなかったら、
流石にもう走り続けることも諦めていたのかもしれない。

正式な発表を機に、BIGMAMAは新しいドラマーを探すことになるのだけれど、
真っ先に事情を知ったTOTALFATのBuntaくんが連絡をくれて、
若手の粋のいい何人かのドラマーの動画を送ってきてくれた。
率直にありがたかったし、誰も彼も眩しい原石たちに思えて、僕はそれを見ながら頭の中でそれぞれと、セッションを、曲作りを、ライブを、シュミレーションをしていた。そして、それからバンドのタイムラインに沢山のドラマーの情報が流れてきては、それを繰り返した。（最終的にはいろんな方とセッションを経て、そこからラブリーな金属をチョイスすることにはなるのだけれど）

楽園リゾートみたいな場所は例外として、
いつだって環境が変わる時に、新しい場所へ踏み出す最初の一歩は重たいし、とても怖い。
振り返ってあの時のことを思うと、
「ボケッとしてないで、グダグダいう前に、行動に移せよ！」
そんなことを直接言われたわけではないのだけれど、圧倒的にそれが正しいし、
言葉で多くを語る以上の説得力を持ってして、一度止まってしまった脚で再び走り出すために、尻をスパンと気持ちよくはたいてもらったような気分だった。

何が正解かなんてわからないことばかりだけれど、
結局のところ自分の選んだ答えを、正しくしていくのはいつだって自分自身であって、今は今の自分の、自分たちの選んだ正解をただただ楽しんでいるし、
楽しむことに熱中している。

本日は取材とラジオなぞ

TOTALFAT × BIGMAMA　"WE RUN ON FAITH"

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