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TFBM 信じた道を走り続ける 5

いつか全国ツアーを自由に一緒にまわっていた頃の話。

汗だくでライブを終えてクタクタにさえなれど、
久しぶりに会ったバンドマンたちと、
せっかくだからと地方の美味しいものを食べて、
一緒に美味しいお酒を飲んで語らおうよ、というのがよくある打ち上げ話。
そうだね、そうだよね、それこそ対バンツアーの醍醐味だよねと多くのバンドマン、ミュージシャンの過半数がきっとそう思っている。
ところがこれだけ付き合いが長くなってくると、
どうせ放っておいても近いうちにまた会うであろう先輩と後輩、
実の所は一刻も早く自分の家に、1秒でも早くホテルの部屋に帰りたい時だってある(あくまで僕目線の話です)。
それでもただ、バンドワゴンで移動して、コンビニに寄って、ホテルで寝るだけ、というのも、いささか寂しいもので、そんな行程の時に、遅くまで空いているファミレスの光る看板に吸い寄せられるかの如く、サクッとご飯食べて行かない?
みたいなことに結構なりがちだったりする。

僕らの通っていた高校から最寄りの駅の途中にサイゼリヤがあった。
自転車通学のため僕は普段あまり縁がなかったが、テスト前になるとファミレスにて電車通学の友人たちと合流し、長時間における緊急対策会議が開催されては、毎度同じミラノ風ドリアとドリンクバーの注文で随分と居座り、コスパの悪い客だったろうなと、間違いなく店員さんに嫌われていただろなと思う(その節は申し訳ございませんでした)
というか今思い返せば、それ学校でやれば良くね?と思いつつも、どこか居心地がよかったんだと思う。ファミレスが。

その日もライブ終わりに道すがら、サイゼリヤの看板を見つけた一行は、
サクッとご飯を食べて帰ろうと言うことで話がまとまった。

"美味しい"と"懐かしい"は意外と感覚的に壁一枚挟んで隣り合わせ、とても近いところにあると思う。
なんとなく自分はそんなことを感じながら、大人が故にサイドメニューも手元に充実させながら食べているその傍ら、「これはワインに合うな」誰かがそう言い出してメニューをパラパラと眺めているのが目に入った。
“グラスワイン”
じゃなくてその上のひとつ大きい
”デカンタ”
でもなくてさらにその上のサイズの
“マグナム”
なるものを見つけて、一同の興味は一点そこに集中した。

「いや、マグナム一択っしょ」
誰が言い出したか、いいやそれは確かに先輩の声だった。そのマグナム(マグナムって言いたいだけ?)という響きが気に入ってしまった一行の前には1.5Lのマグナムボトルがいそいそと運ばれてきて、テーブルにドスンと置かれ、そのサイズと威圧感にその日一番の盛り上がりを見せる(ライブどうなんそれ?)。
そこから先はご想像におまかせ...とても楽しい夜だったことを覚えているし、
「美味しい×懐かしい×マグナム=たのしい」というセオリー、勝利の方程式が見つかってしまった夜でもあった。
(良い大人なので、もちろん他人様に迷惑をかけない範囲でやっています)

以降この二組のライブが終わり、近くのサイゼリヤを見かけると「マグナムっしょと誰かが言い出して、我々はサイゼリヤに吸い込まれていくのであった。

また二組で自由にツアーを回れるようになったら、外で自由にお酒が飲めるようになったら(もちろん運転手はノンアル)ライブ終わりの我々はサイゼリヤに居る確率が非常に高い。
(見かけてもそっとしておいてあげてくださいね。)


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褒められても、貶されても、どのみち良く伸びるタイプです。