自己組織化する学校

学校が自己組織化する #8 すべての違いを学びの源にする

311の後に僕が体験したのは、「同じ」で表面的に繋がっているだけの関係性は、「違い」が表面化したときに、あっという間に壊れていくのだということでした。

それは、なぜなのか?

じゃあ、どうすればいいのか?

それを、7年間、ずっと考えてきました。

「違い」が表面化すると関係性が崩壊するから、学校でも、会社でも、表面的に「同じ」を装い、仮面をかぶり続けてしまう。

仮面の下で、表現できない本当の姿が病んでいき、限界を超えたときに症状として表面化するということが、いたるところで起こっているのではないでしょうか。

原因を掘り下げていって、たどり着いたのは、機械論的世界観に基づいた社会は、人間を抑圧して、「自分ではないものになれ」というメッセージを出し続けているということでした。

社会に「正解」が設定され、その「正解」をやらないと生きていけないという怖れにさらされて、用意されたレールの上を走らされる社会構造があり、その中で、自分のいのちと切り離して、「正解」にはまった人たちが、「自分のように生きるのが正解だ」というメッセージを発して、子どもを恐れによって操作する側に回ってしまい、構造が再生産される仕組みになっているのだと気づきました。

この仕組みの中で、忙しく動いているうちに、「正解」の外側に意識を向けるのを無駄なことだと感じるようになり、立ち止まることは負けることだと感じるようになり、いつのまにか思考停止に陥ってしまうのです。

唯一の「正解」にはまり込んで、均質化してしまっているから、「違い」=「どちらかが間違い」という反応が起こって、お互いに正しさを振りかざして戦ってしまうのです。

自分自身の心や身体と繋がった物語から切り離され、社会システムの物語を自分の中にインストールした結果、自分を生きることが難しくなり、社会システムから報酬をもらい続けないと動けない状況になってしまうのです。社会システムは、そのような人たちを燃料(または、餌)にして、暴走しています。

はまってしまった「正解」を見直して、心や身体と繋がり直していくためには、自分の内側にある正直な声を表現していく必要があります。

その正直な声は、社会システムに設定されている「正解」ではないことが多く、そこから裁かれていることで抑圧されていることが多いです。だからこそ、安心できる空間を作って、正直な声を出していくことが、今、本当に求められています。

僕は、ZoomというWeb会議室を使って、対話を重ねていきました。

自分の中にある言えなかったことを口に出せるたびに、自分の中に変化が起こり、こわばっていたものが柔らかくなっていく感覚がありました。

「正解」にはめていく空間では、「違い」は、どちらかが間違いだということを意味して、お互いに自分の正しさを守るために否定し合うようになりますが、正直な声を出して自分自身に戻っていく空間では、「違い」は、対話を通してお互いが自分を知るヒントであり、学びの源です。「違い」を表現することは祝福であり、その祝福によって、人と人とが深く結びついていきます。

僕は、2017年12月に「すべての違いを学びの源にする」というワークショップを京都で行いました。

閉鎖空間で正解を設定すると、思考の規格化が起こっていくので、あらゆる学びの空間を外部にオンラインでつないで開放空間に変えていくことはできないかという試みも始めました。

2018年の1月、ふっとある思いが浮かびました。

今ある社会システムを変えようとするよりも、そこから抜け出した人が幸せに生きていける環境を作ろう。そうすれば、今の社会システムで苦しんでいる人が、そこから抜け出すことができるようになり、結果として、社会システムの変容が進んでいくはずだ。

そんな想いから、2018年1月8日に、次の投稿をFacebookにしました。

不登校が約20万人、引きこもりが6万人いるという状況を教育の歪みだと捉えて、その歪みに溜っているエネルギーを放出させる取り組みをはじめたいと思っています。
 
彼ら・彼女らの多くが、魂の植民地化に対して拒否しているのだと仮定すると、魂の脱植民地化を目指す「対話による自己組織化」によって、エネルギーを放出できないかと考えています。
 
既に確定したものに適応させられるのではなく、自分たちで自己組織化していく学校。
 
オンラインで対話をしながら学ぶ「自己組織化する学校」というものを考えています。
 
昨年の夏から、社会人を対象にして自己組織化の学びをやっていますが、これを、中学生、高校生でやったら、すごいことになるなと思っています。
 
約20万人にリーチして、社会にムーブメントが起こったら、公教育も、受験も、変わらざるを得ないと思いませんか?
 
公教育の中で教育を変えたい人たちと、公教育の外側で教育を変えたい人たちが連携して、構造にゆらぎを起こしていくことができたら、教育が変わると思いませんか?
 
社会的な特権を持たない私たちでも、この方法なら、教育を変える力を生み出すことができます。
 
「学校に行かない」という方法で、社会変革に取り組んでいる子どもたちと一緒に、変革の渦を起こしていきませんか?
 
約20万人を視野に入れているので、広ーーく連携したいです。
 
「自己組織化する学校」のビジョンや、運営方法、連携の方法などは、まだまだ、試作中なので、興味のある方の声を聴きながら、いっしょに考えたいです。
 
興味あるよ、という方、お声がけ下さいね。

この投稿のコメント欄の熱量をご覧ください。

コメント欄の熱量をご覧下さい https://www.facebook.com/masato.tahara/posts/1657825127609120

お互いによく知らない180人が集まり、お互いが知り合うための対話が始まりました。

参加者の人数は増えていき、今は、380人ほどが参画しています。

学校の自己組織化が始まったのです。

「自己組織化する学校」クラウドファンディング実施中
現在79% 残り11日
https://readyfor.jp/projects/17284

はじめから読む https://note.mu/masatotahara/n/n06a7e8be0058

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