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ミュージカル「パレード」を終えて vol.2

スレイトン知事

衝撃の一幕から二十分の休憩を経て、二幕は逮捕から一年後、スレイトン夫妻のやり取りから始まります。

レオ・フランク事件は北部出身のユダヤ人に南部の裁判で死刑が言い渡されたことで全米を巻き込む大きな事件に発展していました。弁護団からは減刑・再審を求める嘆願書とその支持者からの多く署名が届く一方、それ以上の反対派からの署名が届いていました。

「世界中が我々の問題に首を突っ込みたがってるみたいだ」

北部と南部の代理戦争の程を成す世の中に対し冷静なスレイトン知事の今後の言動が物語を牽引していきます。

ルシール・フランクの変化

一方同じく逮捕から一年、ルシールにも変化が生まれます。毎日の様に面会に訪れるルシールに対し看守の対応は軟化。レオの無罪を疑わないルシールは一人で戦おうとしていたレオを説得し共に死刑判決に抗う決意を見せます。お金持ちの令嬢、レオに意見することなどなかったルシールの心の変化と強さがレオの運命を担って行く予感を客席に与えます。

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