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大学1年生で出会っておきたかった5冊

【はじめに】

筆者自体、そんなに本を読んでいる冊数も多くないが、それでも今の自分の思想や考え方の根本となっている「人生の転機」を与えるような本との出会いは多々あった。然るべき時期に読んだから心に響いたのだと言われれば反論の余地もないが、それでも早くからそのような本の存在を潜在的に知っていることに損はないと思われるので、本稿ではどう自分の思想や考え方を変えたのか、という点を中心に手軽な本から少し小難しい本まで5冊程紹介していきたい。

①『思考の整理学』

考えるとはどういうことか、アイデアを思いつくとはどういうことか、ありとあらゆる思考に関する考察が深くなされている良書。少なくとも大学生になるにあたって今までのような「グライダー人間」から「ロケット人間」になることを求められる、すなわち、答えの与えられているものに乗るような考え方ではなく、自ら答えのないものへの問いを立てていくべきである。「ロケット人間」という痺れる比喩から始まる一章から食い入るようにして読んだのを覚えている。

②『学問のすゝめ』

昔から、「なんで勉強しなければならないの?」と親に尋ねると「それは自分に返ってくるからよ」と言われたが、全く理解不能だった。しかし、さすがに一万円札の顔とも言える福沢諭吉先生の時代背景を含めた説得は、効果絶大だ。シンプルに、人間は確かに自然権的な意味では平等なんだけど、それでもどんどん格差(経済的に)が開いていくのは、どれだけ学を納めたかってことだよねということが力強い筆致で書かれてある。

③『大学教育について』

『自由論』で有名なJ・Sミルが自身の考える大学における学問とは何か?という問いに対して語り、さらに、各学問分野をなぜ学ばなければならないのかということについて言及する至高の一冊。最初の20項が筆者にとっては最もドキッとさせられる(安堵させられる)内容になっており、大学教育とは「教養」を身につけるためのものであると力説されてある。大学とは何か?そんなことを考えるための一冊であって欲しい。

④『星の王子さま』

この本のすごいところは、読むたびに持つ感想が異なること。恋愛から生き方まで様々なことに対しての示唆を含むためか、毎回通読するたびに目につく場面が変わり、その時の自分の感情や思考の試金石としてとても影響を与える名作。特に影響されたのは、ちょっと前に話題になった、”C'est le temps que tu as perdu pour ta rose qui fais ta rose si importante”というところ、かけた時間が愛を育てる、なんと素晴らしいことばだろうか。

⑤『フェルマーの最終定理』

誰しもが聞いたことのあるフェルマーの最終定理がどのような経緯で問いとなり、証明されたかという数学者のドラマが詰まった一冊。もちろん、数学的な面白さもあるが、数学者がどのような時代を生き、差別や偏見と闘ってきたか、どのように挫折し、閃いたか、そんな何千年もの歴史が小説風に書かれてある最初の一ページから最後までノンストップ間違いなし。何かを探求し、真理を見つけ出すとはどういうことかと改めて考えさせられた。

【おわりに】

その他にも、お勧めしたい本はたくさんある。例えば『大衆の反逆』、『いきの構造』、『グレートギャッツビー』、『サピエンス全史』、『未来に先回りする思考法』(あと5冊紹介していいならここら辺を紹介したい)などたくさんあるが、概して言えるのは、本からの学びはとても大きい。素晴らしい著者との、時に時空を超えた対話を少しでも楽しむことのできる契機になれば幸いだ。

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