DreamNote(드림노트)「Dream Wish」


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 2018年11月、8人グルーブとしてデビューした韓国のDreamNote(トゥリムノトゥ)。2枚のEPを残すなど順調に活動してきたが、2019年9月にハビンとハンビョルが脱退。K-POPではよくあることと理解していても、デビューから1年も経っていないなかでの出来事は筆者に少なくない驚きをあたえた。

 「Dream Wish」は、6人編成になり初めての作品。結論から言えば、良質なトラックが揃ったシングル・アルバムだ。ポップ・ソングとしての親しみやすさを持ちながら、随所でおもしろいアレンジを聴かせてくれる。
 たとえばリード曲の“바라다(Wish)”は、ストック・エイトキン・ウォーターマン的なユーロビート・サウンドを見いだせるナンバーだ。キラキラとしたシンセはいなたさを醸し、長年音楽を聴いてきた者からすれば懐かしいと感じるかもしれない。とはいえ、1:23あたりで突如トラップ的な曲調に変わるなど、モダンなプロダクションも目立つ。ただの懐古趣味で終わっていないのは、好感度上昇ポイントだ。

 “Bittersweet”にも惹かれた。ストイックな4つ打ちが際立つそれは、甘美な雰囲気が私たちを優しく包みこむハウス・ミュージック。たおやかさを湛えたメンバーのヴォーカルも秀逸だ。エネルギッシュでありながら、どこか上品な空気を漂わせる。その多彩な表情に、メンバーの成長を感じずにはいられない。

 この成長は、作品全体を通してうかがえる。アップテンポな曲が多いなか、R&Bバラードの“Love Is So Amazing”も収録するなど、ガールからレディーへ変わるメンバーという姿を打ちだす意図がちらつく。攻めた音作りで先鋭性の一端を見せつつ、ベタなイメージ作りも取りこむ上手さは、K-POPがグローバルな人気を得た理由のひとつだ。



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