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生成AI、AI/ML関連ニュース・記事5つ - OpenAI インタビューとDALL・E3、モデルマージでLLM性能向上、回答を探索し洗練させるAI、AIoTの勃興、Cの生産性向上とギャップ

今後の動きを占う上で気になる生成AI、およびAI/ML関連のニュース・記事・ニュース・動画等を5つピックアップして、今回もご紹介します。

これまではこちら。


OpenAI の内からの視点とDALL・E3 リリース

Bloomberg による、話題の人物や企業の考えに迫る動画シリーズ「The Circuit」。そのうちの OpenAI に関するインタビューエピソードです。
インタビュアーの Emily Chang がOpenAIのオフィスを訪れ、同社の若きCTO Mira Murati と、AIの進化と普及によってもたらされうる光と影について議論しています。Mira 氏ですが、アルバニアで生まれ、カナダで教育を受け、 Dartmouth 大学で学位を取得。Goldman Sachsでのインターンシップを皮切りに、TeslaやLeap Motion等の企業で働き、多くの技術開発プロジェクトに携わってきています。Emily と彼女のこの対話では、生成AIの リリースにまつわる社内での反対意見とメンバー離脱の逸話や、安全性強化への取り組み、生成AIのハルシネーションとの戦いについても触れられており、OpenAIのビジョンと戦略、AIの性質および社会への潜在的な影響に関する洞察が提供されています。また、「バイアスは誤情報を広めるのでは?」「AIに意識が芽生えるか?」という Emily の質問に、Miraは慎重に回答をしているのが伺えます。それらに対して明確なメッセージを打ち出すということはしないものの、それぞれの難しい問題に対して真摯に務めているという姿勢は伝わってきます。
本エピソードには、OpenAIの初期の投資家でありLinkedInの共同創設者である Reid Hoffman へのインタビューもあり、OpenAI の初期の日々とVCの次なる動きについて聞いています。現在の生成AI業界を牽引する、このテック組織についてその内部から洞察する視点を与えてくれます。
そんな OpenAI は9月20日に新しい画像生成AIサービスとして DALL・E3 を発表。ChatGPTと統合し、画像作成のみならず、創作のプロセスを大きく変えうる可能性を提示しています。進化のスピードについていくのも大変ですが、今後の展開にも要注目です。


複数のLLMを一つに。モデルマージングについて

モデルマージングについての解説記事です。モデルマージングは、複数の異なるモデルを、追加のトレーニングなしで一つの統一モデルに組み合わせる機械学習のテクニックです。このプロセスは、アンサンブル学習、モデルブレンディング、またはモデルスタッキングとも呼ばれ、様々なタスクを同時に処理できる、より多様で包括的な機械学習モデルを作成することを目指します。Large Language Models(LLMs)のコンテキストでは、モデルマージングは、異なるデータソース、異なるアーキテクチャ、または異なるタスクでのトレーニングを有するLLMを組み合わせることができます。これにより、マルチタスクLLMが広範囲のタスクに対処でき、バイアスを減らしたり、パフォーマンスを向上させたり、信頼性を高めることができるようになります。


AIが自らの回答に満足せず、よりよい答えを探索していく

カリフォルニア大学とGoogle による研究プロジェクトに関する記事です。Chat-GPTのような大規模言語モデルによって提供される回答の質を向上させることを目的としたプロジェクトで、AVIS(Autonomous Visual Information Seeking with Large Language Models:大規模言語モデルを使用した自動視覚情報探索)と名付けられた新しいアプローチが提案されています。本アプローチでは、単に入力されたプロンプトに回答するだけでなく、自らの回答よりよい答えを探求すべく、AIがWeb検索やOCR等の特定のツールを選択しながら、代わりの情報源をあたっていきます。この研究は、AIに「計画」や「推論」のメカニズムを組み込むこととなり、汎用人工知能 AGI への道につながる流れの一つといえるでしょう。

前のモデルマージングの記事と合わせて、生成AIの性能向上は様々な方法が今後も開拓されていくことでしょう。今の生成AIが見せているレベルでその限界を捉えるべきではありません。その先を見据える必要があります。


AIoT の勃興、そのマーケットポテンシャル

Visual Capitalist による、IoTとAIが融合した、AIoT (Artificial Intelligence of Things)産業のマーケットの規模を推定し、その成長と変革的な影響を示唆したインフォグラフィクスです。AIoTは、IoTデバイスに、AIによる解析、判断、予測、最適化を組み合わせて高度な分散自動処理を実現していく世界観です。その規模感としては、スマートシティの5110億ドル、スマートホームの800億ドル、ヘルスケアの1000億ドル、エッジコンピューティングの110億ドルと、非常に大きな市場を期待することができるという内容になっています。

AIによる生産性向上とギャップ

AIToolsClubの記事です。スタートアップや新規ビジネスを立ち上げる方に向けた20の必須AIツールを紹介しています。AIの力を借りてウェブサイト構による築、コンテンツ作成、動画からの自動ニュースレター生成、プロが撮影したようなビジネス用の顔写真生成等。ビジネスの立ち上げとグロースをサポートしてくれるツール群です。
紹介されているのは、コンバージョンする広告クリエイティブを作成し、SNSへ投稿してくれるAdcreatvie AI、動画を読み込んで130の言語の字幕を自動生成してくれるRask AI、動画やWeb記事からニュースレターやLinkedIn ポストを自動作成してくれる Tugan AI 等など、いずれも利便性が高いサービスですが、スタートアップや個人の生産性向上はこのようにどんどん進んでいくのでしょう。
大企業の特にB2Bにおける様々なプロセスは重厚長大で変わらずでありつつ、C向けや機動性の高い組織のプロセスはどんどんスケールしていく。このギャップの進展がどのような影響をビジネスや組織にもたらしていくのかは継続的にウォッチしておくべきポイントでしょう。

以上、気になるニュース・記事を紹介しました。引き続き幅広い観点から、将来を考えるに資するニュース・記事をピックして行きたいと思います。

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