シリコンバレーに次ぐボストン スタートアップエコシステムとしての魅力

ボストンがスタートアップ資金調達額でNYを抜いて全米第2のエコシステムに浮上しようとしている。ボストンのエコシステムとしての魅力とは何か。

調査会社CB Insightが集計した2018年8月までのスタートアップ資金調達額は、NYを上回り約$5.2Bとなっており、$100M超の資金調達も2018年現在までで15件と、昨年の12件を大幅に上回るペースとなっている。2018年6月にAmazonが推定約$1Bでの買収を発表し話題になった米国50州での事業ライセンスを持つオンライン薬局のPillPackや、Siemensが$700Mで買収を発表したLow-Code PlatformのMendixもボストンの企業である。ボストンエリアでは、テクノロジー産業を中心に約4,000のスタートアップが集積するボストンエリアと、ハーバード、MITが存在するケンブリッジエリアでの起業が特に盛んである。医療技術分野での研究が特に先進的であり、米国の研究機関の医療特許取得数ランキングでは3,4位にMIT・UMassがノミネートされ、州としての総医療特許数は1位である。2018年度の17件のIPOのうち15件もバイオ、ライフサイエンス系のスタートアップとなっている。

スタートアップ育成機関としても、CIC(ケンブリッジイノベーションセンター)やMass Challenge(マスチャレンジ)といったシード、アーリーステージの企業を育成する機関が有名で、起業家を応援する風土が整っている。

技術シーズを探す企業がボストンへの集積を開始しており、GEが、MITを中心に、コンピューター技術等の先端技術研究が盛んな当地での優秀なエンジニアを採用するため、本社をボストンへ移転したことでも話題になった。医療系に加え、保険関連のスタートアップを育成するプログラムも開始され、産業に特化した技術開発を支援する環境が整って来ており、世界各地に広がるスタートアップエコシステムの中でも急速に注目を集めてきている。

https://www.google.com/amp/s/techcrunch.com/2018/08/04/boston-area-startups-are-on-pace-to-overtake-nyc-venture-totals/amp/

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