LiDARスタートアップがもたらす新たな自動車業界地図

自動車業界では、2020年を目途にした自動運転車の開発が話題になっている。

鍵を握るのがLiDARセンサー。LiDARセンサーは自動運転における人間の目にあたる役割を果たす。レーザーを照射し対象物までの距離を測定するセンサーであり、自動運転に必須のセンサーの1つと言われている。つい最近まで自動運転の実証実験用に使用されているLiDARセンサーの価格は、$40,000~50,000と言われ、十分な距離を測定可能で、精度も高く、壊れにくい、安価なLiDARの開発が自動運転車普及の大きな課題と言われてきた。LiDAR開発に挑戦しているスタートアップとしては、$250のLiDARセンサー開発を行っているシリコンバレーのQuanergy Systemsなどが有名である。シリコンバレー以外では、運転補助システム(ADAS)の世界シェア約70%を持つと言われるMobileye出身の起業家が自動運転用のセンサー開発に乗り出しているイスラエルが有名である。

今回2021年の自動運転商用化を目指すBMWと提携を発表したのも、イスラエルスタートアップのInnovizである。Innovizのセンサーは、従来より小型であり、回転しないため、故障しにくい。BMWとサプライヤーは同センサー活用した自動運転技術を開発し、BMWに搭載することを目指す。これにより協働開発を行う同サプライヤーと提携関係を結んでいるシェアライド大手Lyftがいち早くInnovizのLiDARを活用した自動運転シェアライドを開始することも考えらえる。自動運転×シェアライドは、現在のシェアライドのコストを大幅に削減し、都市を中心とした交通の在り方を大きく変える可能性がある。

業界地図を大きく変える可能性のあるLiDARセンサーを活用した自動運転技術開発競争、自動運転×シェアライドの行方に注目が集まる。

https://techcrunch.com/2018/04/26/bmw-is-working-with-lidar-company-innoviz-to-make-self-driving-cars/

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