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サー・ジム・ラトクリフとは何者か

マンチェスター・ユナイテッド買収へ渦中の大人物を探る


サー・ジム・ラトクリフ(本名 James Arthur Ratcliffe)が
プレミアリーグクラブの買収に動くことは珍しいことではない。
以前には、チェルシーが2度、
そしてリバプールについても噂が上がったほどだ。

グレイザーファミリーの下を離れ、Manchester Unitedの経営的もしくは
ピッチレベルでの革新は
むしろこの英国大富豪に懸っているのではないだろうか。
そんなラトクリフの経歴やINEOSについてなどを今回語っていきたい。

  • ラトクリフのプロフィール

  • INEOSグループ

  • football への投資

  • Manchester Unitedが買収されると・・・

ラトクリフのプロフィール

英国の大富豪ラトクリフは71歳を迎える英国の化学大手メーカーであるINEOSの創業者である。また、英国一の富豪として知られ総資産400億ポンド(約7兆円)と推定される。
公には、あまり知名度がないためSunday Timesでは「publicity shy」と呼ばれているそう。
shyな割には血気盛んである。
INEOSの創業についても、40代であった。
今でさえ、新たな自動車会社を設立しようとしているのだ。新たな挑戦を常に求める彼は「保険には入れないだろう」と言っているらしい。
だが、実際、納税地はモナコに変更済みであるから堅実ではあるのだろう。

そして何より、幼い頃から我らがマンチェスター・ユナイテッドの大ファンであることでも知られている。


OGCニースを2017年に買収したINEOS

INEOSグループ

そんなラトクリフが設立したINEOSは英国で化学メーカーとして幅を利かせている。化学メーカーということだけあって、石油やガス、プラスチック、化学製品など幅広く手掛けている。
INEOSではラトクリフの車好きが高じて、自動車会社を設立するということになった。
IENOSについて私があまり知らないので薄っぺらい知識でごまかしておこう。


footballへの投資


さて、ラトクリフとINEOSは様々なスポーツとパートナーシップを結んでいる。最も有名なチームはおそらくラグビーニュージーランド代表ALL BRACKSであるだろう。


INEOSの部品がセーリングにも使われている

また、F1チームの共同経営者でもあり、メルセデスAMGペトロナスを買収しており、彼自身が自転車でお馴染みであるように、サイクルチームも買収している。INEOS グレナディアスというチーム名に変更しているようだ。
セーリングのアメリカカップなどにも出資を敢行。


そして、footballの分野で言えば、
2017年にスイス2部のFCローザンヌを買収。2019年にはリーグアンの
OGCニースを買収し、コートジボワール1部のラシンクラブ・アビジョンも買収。

こうなってしまうと一つのマルチクラブオーナーシップが
完成するのではないかと考えています。
なぜラトクリフはこんなにもスポーツチームを買収しているのだろうか。

INEOSのHPを覗くと、SPORTSというタグがあり、そこをクリックすると、
上記のチームとのパートナーシップが明記されている。
そして、彼らが使う部品や製品、グラウンドにおける備品や芝生などに
INEOSの製品が使われているのだ。

レーシングカーの部品、スタジアムの座席・ゴールネットに使われるポリプロピレン、サッカーシューズに使われるプラスチックなど
INEOSの製品が投資先で活躍するのだ。
そして、ユニフォームの胸のロゴには「INEOS」とあり、
名実共にクラブをサポートしているのだ。


息子 エンツォがローザンヌに パパのジダン


ちなみに投資先であるFCローザンヌはあのジダンも出資しており、
ジダンの息子でもあるエンツォ・エルナンデスが在籍。
U-20日本代表の鈴木冬一も在籍しているチームだが、現在はスイス2部である。
FCローザンヌとラシンクラブ・アビジョンの間では、
明確なプロジェクトが存在しているのも事実だ。
FC ローザンヌ買収後、スレイマン・シセというコートジボワール人を
スポーツダイレクターに任命している。
FC Lausanne-sport projectと呼ばれているが、筆者には実態が掴めず、
調査能力の限界を知った。


Manchester Unitedが買収されると・・・


We love Man United

ラトクリフによる買収はグレイザー・ファミリーという前任者を考えると、
ポジティブでしかないだろう。それは、クラブへの愛、footballへの愛、
スポーツへの愛が存在するからだ。

ネズミが出るような「夢の劇場」をリニューアルし、トレーニング施設に拡充を行い、今季で辛辣な別れを告げるメインパートナーの穴を埋めることも
出来るのではないだろうか。

更に、コートジボワール、フランス、スイスといった類稀なタレントを持つ地域とコネクションを形成し、流動的な人材供給と、
マンチェスター・ユナイテッドを頂点としたマルチ・クラブ・オーナーシップの形成による更なるビジネス面での活用が期待される。

我々は今まさに赤い悪魔の復活の瞬間に立ち会えるのである。
サー・ジム・ラトクリフの落札に私は期待をしている。


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