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EV(電気自動車)の時代に備える必要はあるのだろうか


ニイハオ。マーシーです。

 年度末→年度初めの時期は、サラリーマンも自営業も学生も忙しくなりますね。特に社会人の年度末は戦争です。副業をされている方などは、本業と副業の仕事量に確定申告の準備も重なって、猫の手も借りたい状態なのではないでしょうか。まぁ、この時期を乗り越えれば文字通り「春」が来ますし、苦しい時期は短いので、皆さん頑張って乗り切りましょう。

そういえば、「春」といえば、4月半ばにはスギ花粉もかなり少なくなってきますね。そのかわりにヒノキ花粉が飛び始めますが。

 noteの連載を始めてそろそろ1年ですが、前回書いた記事が過去最高の「いいね」を獲得しました。

◯【サタデー便】 企業の「終わりの遅刻」 / 実用的なアンガーマネジメント術 / 日本酒のイロハ

この記事は個人的にも「面白い題材で書いたな」と、自画自賛している記事です。職場に何かしらの違和感を持っている方や、怒りやすい方は一読ください。なお、周りから「あなたは怒りやすい」と言われるのに、自覚の無い方は、記事を買う前に病院へ行ってください。たぶん心の病気か働きすぎです。

話が逸れましたが、基本的にnoteもブログも変わりません。長くやればやるほどGoogleの検索結果に上位表示されやすくなりますし、書いた記事は一生資産になります。毎日1行でもいいので、とにかく書く習慣を付けて継続していけば、必ず未来を変えることができます。本当です。

 さて、今回も稚拙ながら記事を書かせていただきました。今回は、僕がエンジニアとして活躍している製造業界に関する記事になります。どうぞ、よろしくお願いいたします。


【EV時代に備える必要はあるのだろうか】

 まず、「EV(電気自動車)時代」の定義から決めたいと思うのですが、この記事では「現在のガソリン車がすべてEVに変わった時代」とします。それで、まず結論から書きたいのですが、「地球上のすべての自動車がEV化するのは今からずっと先」だと思います。「ずっと先」という曖昧な表現にしたのは、スマホのようなイノベーションの例があるからです。僕はガラケー全盛期にiPhoneが登場して一気にスマホのシェアが広がる過程をまったく予想できなかったほどの凡人ですので(ほとんどの人がそうだと思いますが)、EVに関しても「◯◯年までにすべての車がEV化する」なんて断言はできないのです。ただ、少なくとも5〜10年以内にすべての自動車がEV化するということは無いと思うので、「ずっと先」という表現にしました。

 さて、自動車業界は100年に一度の変革期だそうで、日本の完成車メーカーとTier1・2の部品メーカーが盛大に騒いでいますが、これらの大企業群はいろいろな利権が複雑に絡み合っている上に、年功序列が根強く、頭の固い連中が役職にゴロゴロいるせいで、変革期の対応が見事に遅れてしまっているようです。しかしながら、テスラ社の登場でEVの認知度と「現実味」が一気に上がり、昨今の大げさな環境問題も相俟ってEV普及の流れが急加速してきました。

★エコカーとして地位が確率できていない?

しかしながら、EVは排気ガスがまったく出ないのにも関わらず、「エコカー」としての絶対的な地位を確立できていません。それが原因で、内燃機関を擁するハイブリッドカーやプラグインハイブリッドカー(PHEV)やディーゼル車と「競合」になってしまい、いまいち普及が進んでいないのです。

EVがエコカーとしての地位を確立できない理由は諸説あり、おそらく最も強いのが「バッテリーの持続力が弱い」というものと、「そもそも充電スタンドが少ない」というものだと思います。しかし、これに関しては既にトヨタが持続力のある全個体バッテリーを開発したという噂もありますし、充電スタンドの数も増えるのは時間の問題だと思います。

では、EVがエコカーとしての地位を確立できない真因はどこにあるのでしょうか。ズバリそれは、電気を供給する「発電所」にあります。2019年現在、世界の発電供給の割合は、50%以上が石油・石炭・天然ガスですが、これらの燃焼には排気ガスが伴います。つまり、排気ガス0を謳っているEVに乗ったとしても、その動力源である電気を生み出す過程で、結局有害物質を排出しているのです。

EVが真の意味でエコカーとなるためには、太陽光や地熱や風力といったクリーンエネルギーの割合を50%以上にし、原子力発電の割合も、今以上に増やす必要があります。残念ながら、現状では「エコ」とは言えませんし、エネルギー効率の観点から言っても、燃料をダイレクトに消費する内燃機関(ガソリン車)に負けています。

・EVの場合

燃料を燃やす→電気を生み出す→送電する→車走る

・内燃機関の場合

燃料を燃やす→車走る

★充電の時間掛かりすぎ?

 もう一つ、懸念されるのが充電時間の問題です。この問題がEVの利便性を大きく下げていますし、充電設備稼働中も同設備が電力を消費していることを考えると、全然エコじゃない気がします。

さて、問題の充電時間ですが、EVの代名詞的存在と言える日産リーフですと、普通充電の場合、バッテリー空の状態から満充電まで約8時間掛かるようです。急速充電だと40分程度で終わるようですが、それでもガソリン車の給油時間と比べたら長すぎます。メーカー側は充電料金の安さと、充電時間についても「夜寝ている間に充電すれば問題なし」とアピールしていますが、長距離運転や充電忘れ等の理由で昼間に充電が必要になる場合がありますし、人の資産は「時間>お金」なので、やはり充電時間の長さがネックになります。

なお、EV擁護意見として「街乗りであればEVの方が利便性が良い」というものがありますが、そもそも充電忘れによる昼間の充電の必要性は変わりませんし、街乗りと言っても日本のように土地面積の狭い国であれば分かるのですが、土地の広い海外であれば「街乗り運転=長距離運転」となります。

ただ、充電時間の長さについては、バッテリーや充電設備に関する技術革新が起きれば劇的に改善しうるものですので、この問題は意外と早く解決する可能性もあります。

★発展途上国での普及は特に遅れる

 前述のエネルギー効率の話でも少し触れましたが、EVの普及には電気関係のインフラが整っていなければ話になりません。

先進国は、発電所からの送電網が比較的しっかりしていますが、発展途上国は、少々心許ない印象です。実際、某自動車メーカーのインド工場へ出張した際、よく停電していましたし、復旧に数日掛かることもありました。このような送電網では、EV用の充電スタンドを設置しても信頼性に欠けます。また、充電スタンドの設置=送電網の拡大を意味しますから、送電網の整備環境が弱い地域ですと、漏電等といった電気事故の可能性も高くなります。

こうしたEV普及までの過程におけるデメリットを考えると、既にインフラが充実しているガソリンの方が、まだまだニーズが強いでしょうし、このニーズはしばらく維持され続けると思います。

★新規参入が難しい?

 そもそも自動車の製造は非常に難しいので、「自動車業界に新規参入してEVを製造する」といったことが困難です。TeslaがEV専門メーカーとして新規参入しましたが、大半の完成車は、組み立て後の品質検査で欠陥が見つかっており、修正を余儀なくされているそうです。

◯テスラ・モデル3の品質の酷さ

このことから、まともにEVを量産して世界に展開するためには、既存の自動車メーカーが本気でEVを製造しなければならないものと思われます。しかし、現状、既存の自動車メーカーは、ガソリン車やハイブリッド車やディーゼル車が売れていますし、EVには前述のような問題が山積しているため、EVに対するインセンティブがいまいち上がっていません。

しかし、世界的な環境意識の高まりから、EVの製造に着手しないわけにもいかないので、まずは、バッテリーとインフラの研究・開発に注力しているものと思われます。他にも自動車業界にはCASEへの対応もありますし、こうした事情が相成って、余計にEVの普及が遅れているのです。

 EVの時代は確実に来ると思います。しかし、スマホのような素早い普及は無いでしょう。

※あくまで個人の見解です。


【参考サイト】

◯Sustainable Japan

◯日産公式サイト


著者 : マーシー
Blog : https://masa7831.com/
Twitter : https://twitter.com/shaly7831


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