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過去より今が善いと誰が決めたのだろう。

テクノロジーの進化によって、
とてつもない速さで時代が変わっていく。

それにともなって、革新や変革こそが良いものだと信じ込んでいた。

未来は必ず今より良くなると考えていたからだ。

しかしその思い込みと同時に

過去より今が良いものだと思い込んでしまいがちである。


本当にそうだろうか。


たしかに、未来に希望を見出すことは大切なことだと思う。

だけど何事も右肩上がりなわけではない。

今より過去の方が良かった部分もあるのではないか。

それを見落としていたことに気づいた。


最近、道歌にハマっている。

道歌とは、五・七・五・七・七からなる、三十一文字の歌である。

人生や四季、愛などを歌ったものがある。

昔の人たちは、日常を思い思いに切り取って、三十一文字で表現していた。

なんとロマンチックだろう。

たくさんの人が日常的に創作を楽しんでいたのである。

何ごとも 満つれば欠くる 世の中の
月をわが身の 慎みにせよ

[訳]月は満月のあと次第に欠けていくように、
世の中すべてのことも盛りになると衰えていくもの。
月を自分に置き換えて、慎み深さを忘れないようにすること。

誰も見よ 満つればやがて 欠く月の
十六夜の空や 人の世の中

望月十五夜の満月は、すぐに十六夜へと月が欠けていく様を、人の世と重ねている。


どうだろうか。


道歌の幻想的な美しさ。

想像的な比喩表現。

私は思わず口元がゆるんでしまいます。


私も一句。

悔しさを にぎるこぶしに 誓えども
世の名のもとに 夢はまぼろし

やりたいことや夢があったのに、世間体というものに置き換えられて見失ってしまう様。

比喩が乏しい。
美しくない。

秋萩(あきはぎ)の下葉に宿る白露も

なぜにこんな美しい言葉が出てくるのか。
羨ましすぎる。

…もっと勉強しよ。


それではまた。

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