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存在意義を捨てる。「刀ピークリスマス」から学んだ"諦念"

「刀ピー(もしくはピー刀)」。
おそらく自力では辿り着かなかった界隈。
いや、辿り着いていたかもしれないが
深掘りはしなかったであろう界隈。

仲良くなりたい後輩との話題作りに
調べたVtuber界。
その子の推しを知りたくて調べた
ROF-MAO、そして剣持刀也。

見事に興味をそそられた。
そして知った「刀ピー」の存在。
個人勢Vtuberのピーナッツくんと
にじさんじ所属Vtuberの剣持刀也、
この2人のコンビ名とでもいうのか、
まとめた呼び名が刀ピー(もしくはピー刀)である。

2人は毎年クリスマスに配信をしている。
そしてピーナッツくんは毎年、
剣持刀也に宛ててテーマソングを自作し披露する。

ピーナッツくんは楽曲制作も得意としているそうで
そのクオリティは高く、わたしはすべての年の
「刀ピークリスマスのテーマソング」を視聴した。

そして迎えた2023年の冬。
2022年にYouTube shortやTikTokで大バズを見せた
「刀ピークリスマスのテーマソング2022」
"刀ピーoverdose"より1年。

各方面から強い期待を抱かれ始まった
刀ピークリスマス配信。
たしか自分もリアルタイム視聴をしていた。

衝撃を受けた。

そんなん言ったって しょうがないから 塞ぎ込むベッド
対処法なんて I don't care どうせ今晩も(nightmare)

「刀ピークリスマスのテーマソング2023」より


返信のタイミングを駆け引きした2018年。
コンビニケーキすら特別な味がした2020年。
共に一生を終えたいと願った2022年。

そして迎えた2023年。愚直な愛と"諦念"。

とんでもない変遷を経ていないか?と思った。
とんでもないというのは
ありえない、理解できないとかそういう意味ではない。
「真意を突いているんじゃないか」という
驚愕の意を込めた、とんでもないだ。

あぁ、諦めたんだ。ピーナッツくんは。
はじめは同じコースを走っていた同士のことを。
お互いにコースが変化した、同士だった人のことを。

他には取り返せない、真似できない、
自分だけにある特別な結びつきに縋りたかったのに。
葛藤して、どうしようもできないで苦しむって
わかっているのに。

渋谷駅 君のライブポスター
若い女の子はしゃいで通った
邪魔しちゃいけないんだって

「刀ピークリスマスのテーマソング2023」より


自分を特別とせず、大勢のうちの1人になるために
どれだけの勇気がいったことか。

恋愛超大作とかそういう次元じゃない。
人と人との関係性において、相手に対して
「自分だけがよき理解者である」とか、
「自分が影響を与えている」とか、
そういう高慢さを持たずにいることの難しさ。

それはとどのつまり、
"その相手の中にある自分の存在意義を捨てる"行為
なんじゃないか。

執着を捨てるのではない、諦めの心。


それでも自分は変わらずにいるって、
ここであなたを見ているって、愚直にいるんだ。

わたしには到底真似できそうにない。

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