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サム・クック「ハーレム・スクエア・クラブ1963」

ソウル・ミュージックにおいて、ライブ・アルバムの名盤は多いんですよねぇ。オーティス・レディング、アレサ・フランクリン、ダニー・ハサウェイ、ジェームス・ブラウン、、、。理由はきっと簡単。熱いから。

いやいや、気温じゃなくて、ライブが熱いのです。観衆を前にすると、熱くなっちゃうんでしょう。スタジオ録音にはないそのテンションの高さ、黒人特有のグルーブ感が聴く人を揺さぶるんでしょうねぇ。

さて、サム・クックです。ソウルのパイオニアです。まだ人種差別の激しかった時代に、サム・クックは白人にも人気があったそうです。なるほど、ルックスもかっこいいし、歌声もスマートです。バラードをきれいに歌い上げる爽やかさがあります。

ところがどっこい、このライブ盤です。実はこのアルバムは録音から約20年も、発表されずにオクラ入りしていました。理由は、サム・クックのイメージに合わないから。

いやぁ、熱いんです。

確かにスマートなサム・クックではありません。もうお客をあおり、歌を崩し、シャウトし、ノリノリです。お客さんの歓声もすごい。キャーキャーです。しかし、音楽ファン、ソウルファンが求めているのはこうゆう熱いソウル・ミュージックなんです。

サム・クックにはもう一枚ライブ盤があります。「アット・ザ・コパ」。白人のお金持ちを相手にしたもので、こちらもいいんです。ただ、ハッキリ言っちゃえば、プロの歌手のライブです。当時はこれがサム・クックのイメージだったのでしょう。

そしてこの「ハーレム・スクエア」は黒人相手です。言ってみればホームですね。テンションが違うのも当然です。

オープニングの紹介MCからテンション高めです。「サ〜ムク〜ッ」。ここからは怒涛のソウルショウ。飛び散ってるのは汗か、ツバか。キング・カーチスのサックスがブイブイ言わせれば、サム・クックがオ〜イェ〜ッと客をあおるあおる。

ツイスティンザナイラワェ〜で一気にテンションマックス。ブリンギノンホ〜ムトゥミ〜、、、ナッシンキャンチェン〜、、、ハ〜ビナパ〜リ〜、、、あぁぁ、サム・クックが壊れていくぅぅぅ。怒涛の3連発でライブは最高潮、余韻を残しフェイドアウトしていく。あ〜最高だ〜。

1963年1月、ビートルズ旋風がアメリカに巻き起こる直前の、素晴らしいソウルでありロックなライブ。あ〜ライブっていいなぁ、の一枚です。

ちなみにジャケ違いの旧盤とは、微妙に編集が違うらしいけど、オープニング以外よくわかりません。どっちを聴いても感動は同じです。

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