かわらないことへの執着
臨床家なら誰しも、自身の臨床観や独自のスタイルを意識的か無意識的か抱いているだろう。先達の知識からも刺激を受けるが、その数多くの理論のなかでどのオリエンテーションを選ぶかについても、実際のところは臨床家自身の体験が選ばせているのではないだろうか。
臨床場面の着目点は、おそらく理論やルール以前に自身のこれまでの人生経験が影響しているように考える。
僕は面接に入る前に、まず面接室で「いつもとかわらない」ことを確認する。
机や椅子の場所、ティッシュやカレンダーの位置がかわっていな