日頃から考えていることの一つに、自分とパートナーの老後というテーマがある。

老いること自体に恐怖しているのではなくて、社会の一員として生き、老いていく過程で発生する不安が多い。

特に、住む場所は死活問題だと思う。

年金暮らしになったら?というか本当に元気なうちに還付される?両親や親戚の介護は?そもそも、自分の生活と住処は?

不安だらけだ。そりゃあ人生初めてなんだから当たり前だけどさ。

物質的に豊かになった現代だから様々な生き方があるのは理解しつつも生涯賃貸暮らしというのは理解できない。だって手元にマネーが無くなったらホームレスになっちゃうじゃん、と思いつつも今は会社の家賃補助を利用しつつ(本当に有難い)賃貸で暮らしている。でもこのまま賃貸に住み続けていても、支払ったお金って捨て銭なわけで、積もり積もってゆくそのお金で家買ったほうが安心じゃんと思うわけです。簡単に言えば終の棲家が欲しい。人によればこの考え方自体古いのかもしれないけど。

ということで「内見とか行きたいね~」という軽いノリで全国規模の不動産屋に足を運んだ。まず家を買おうとしている者の情報を聞き出す為の個人情報シートを埋める。主に勤務先とか年収とか希望条件とか。担当者がついて実際に物件を検索してみるという流れだったのが、今住んでいる区は面積が小さいうえ都心に近いせいか、古くて汚くて狭いのに割高な物件のオンパレード。家を買うって夢のある行動だと思ったのに、穴を開けた風船みたいにみるみる萎んでしまった。(これに関しては地域を変えたところまあまあな物件が出てきたので、実際には対象地域を広げれば選択肢は増えるとは思う。)しっかし都内、高いね…でも好きなんだよ都内。育った場所だし。

最大の問題はローンだ。決して裕福ではないもののパートナーと暮らしているので、一般的なサラリーマンの年収の中央値は優に超えている。これが婚姻している男女であればペアローンが組めるんだけど、残念ながら「友達」設定で行かざるを得ない。法整備されてないからね。よって実際に支払うのは2人折半だとしても1人名義でローン審査されることになるんだそうな。そうなると審査が通る額も当然の如く低くなる。

全くもって理解しがたい。なんで同性はペアになれないんだろうね。男女だって離婚するリスクあるでしょうよ。まあ男性は何故か女より給与高いもんね。でも男女の場合、男が大黒柱として舵取りをして、女は共働きだけど仕事はそこそこにしておくといったパターンが未だに多いように思う。これだって男は家庭を顧みずとにかく働き稼ぐべき!女が家を守るべき!っていう旧式の人間の生き方が社会全体に染み付いてしまっているからだろうし。日本の女性サラリーマンの給与平均が男性より200万円も低いのだって女性の自立を阻害してきたミソジニー文化の結果だし。根深い。すべて繋がってる。

そんなこんなで一度専用アプリを使って融資額の仮申請をしてみては?という流れになり、不本意ながらもお互いに1人で仮申請してみた。まだ結果は出ないけど、散々なんだろうなあ。フライングしんみりしちゃう。

そんで家に帰ってからはパートナーと色んな話をした。家を買うということ、それに対する社会システムの不備、そもそも人生ってかなりクソゲーなのでは?という緩めの諦念。みんな平等に死ぬのに、どうしてこんなに煩雑なことをしないといけないのかという疑問などなど…。こういった話し合いがあると割といつも最終的に死というテーマに辿り着くのがちょっと面白い。

日本まだまだ障壁ありすぎるよ。今年度には都内同性パートナーシップ条例を採択とか言ってるけど、こういう契約はどうなるのかね。同性パートナーと家買えるの?あんまり期待できないけど。ただ声だけは図々しく上げていくよ。だって今生きてるんだもん。





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