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第106回おうちでレガシー カバレージ Round2 Swimmy(忍者) VS ラヴェル(The Spy)

オールインコンボ。デッキ全てをコンボパーツとし、どこからでも相手を刈りに行けるこのデッキは、フォーマット問わず愛されている。特にレガシーでは、その使用できるカードプールの広さから、多くの愛好家がいるように感じる。

「ラヴェル」の持ち込んだ「The Spy」も、そんなオールインコンボデッキの代表である。ありとあらゆる手段で《欄干のスパイ》を着地させたが最後、一気に勝利へとつなげることが出来る、まさに一撃必殺のコンボデッキである。

しかし、レガシーがこのようなコンボデッキだらけかというと、実はそんなことはない。安定性の低さもさることながら、レガシーには《意志の力》を筆頭とする数多くの妨害手段を擁するデッキが存在するからである。

今回このデッキを相手取る「Swimmy」が使うデッキ「忍者」も、そんなデッキの一角である。軽い妨害手段で相手の行動をいなしつつ、《巧妙な潜入者》《虎の影、百合子》を忍術で盤面に展開し、手札を切らすことなく勝利するデッキだ。

オールインコンボが一太刀に切り伏せるか、はたまた、忍者がその勢いを殺して制しきるか。この戦いの記録を見ていこう。


■Round 1

ラヴェルは先手を貰うと、《金属モックス》に《陰謀団式療法》を刻印。そのまま《思考囲い》をプレイ。Swimmyの手札を確認していく。ラヴェルは公開された手札から《巧妙な潜入者》を選び、Swimmyの展開を遅らせていく。

コンボデッキと判断したSwimmyは、《渦まく知識》で打ち消しを探しに行く。が、ラヴェルは返す刀で《陰謀団式療法》をプレイ。《意志の力》をコールし、Swimmyが引き当てた《意志の力》を捨てさせていく。

手札に妨害手段がないことを認めたラヴェルは、ここで《暗黒の儀式》でマナを増やしつつ、《鏡に願いを》をプレイする。《金属モックス》を協約コストとし、ライブラリーから直接盤面に送り込むのは《欄干のスパイ》。

自分を対象とし、ライブラリーを全て墓地に送り込み、《ナルコメーバ》をライブラリーから盤面に送り込む。それらをコストとして墓地から《戦慄の復活》をプレイ。《タッサの神託者》を釣り上げたところを確認し、Swimmyは盤面を畳んだ。

Swimmy0ーラヴェル1

■Round 2

土地を置き静かに立ち上がるSwimmyに対し、ラヴェルは《水連の花びら》を連打。更に《思考囲い》で手札を覗きにかかる。ここでSwimmyは《狼狽の嵐》をプレイ。手札を公開させずにラヴェルのプレイを待つ。

ラヴェルはしばし悩んだ後、続く妨害はないだろうと踏み、手札の《エルフの指導霊》も追放し、《ゴブリンの放火砲》をプレイ。一気に押し切ろうとする。が、Swimmyは《否定の力》をプレイ。しっかりとラヴェルの行動に対応し、難を逃れる。

こうなるとラヴェルは辛い。初太刀に全体重を置くデッキである以上、それがしのがれると立て直すのはほぼ不可能。座して死を待つしかないというのが往々にしてありえるパターンである。

逆にSwimmyからすれば、押し切るなら今である。ターンを貰ったSwimmyは《改良式鋳造所》をプレイ。デッキコンセプトである忍者要素を全てかなぐり捨て、生成されたトークンでライフを一気に削る。

果たして、ラヴェルは二の矢をつがえる間もなく、一気にアーティファクトの海に呑まれた。

Swimmy1ーラヴェル1

■Round 3

最終ゲーム。《水連の花びら》を展開するラヴェルに対し、Swimmyは《羽ばたき飛行機械》と《改良式鋳造所》をプレイ。即座に《羽ばたき飛行機械》を構築物トークンに変換し、ターンをラヴェルへ返す。

2ゲーム目同様、一気にライフを詰め切りたいSwimmyに対し、ラヴェルはここで決め切りたいが…ターンを貰ったラヴェルは、苦悶の表情を浮かべつつ、ターンを回す。

何故何もできなかったのか。これはひとえにこのThe Spyというデッキの安定性が高くないという事に端を発している。

The Spyはデッキ全てでコンボを形成しているオールインコンボ。言い換えれば、ドロースペルのような安定してコンボを達成する要素はほぼ全てオミットされているデッキなのである。

このゲームでラヴェルが初手に加えたハンドは、ほぼコンボが達成できる状態のもの。問題なのは、あと1枚《アガディームの覚醒》か《水連の花びら》が欲しいという状況であるという事。

「デッキから残りのパーツを引いてこられるか」「引いてこられたパーツで勝ち切ることが出来るか」

The Spyの本質は、大ぶりなコンボデッキではない。常にこの2択を考え立ち回る必要がある、非常に繊細なデッキなのだ。

無論ラヴェルは引いてこられると考えキープ。もちろん、誰だって同じ判断を下すに違いないし、ここでキープできないなら、このようなデッキを扱うには不向きだろう。

運が悪かったのは、デッキの上数枚の中に、必要なカードが含まれていなかったという事だ。

引けども引けども不要牌。こうなっては手の中のカードは絵に描いた餅と化してしまい、1ターン目にクロックを展開したSwimmyにイニシアチブを握られてしまう。結果、ラヴェルが最後の1枚にたどり着く前に、ライフを全て詰め切られることとなった。

Swimmy2ーラヴェル1

■デッキリスト

■対戦動画


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