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40ドル統率者のすゝめ

1.はじめに

WotC曰く、MTGの遊び方の華は3通りある。

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1つは構築。指定されたカードプールで60枚以上のデッキを構築し、主に1対1で戦う遊び方だ。スタンダードやモダン、レガシー、ヴィンテージ、そして近年追加されたパイオニアはこれに該当する。MTGと聞かれるとまずこの遊び方を想像することが多いだろう。筆者も大好きな遊び方である。

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1つはリミテッド。与えられたカードを使ってその場で40枚以上のデッキを組んで戦う遊び方だ。いわゆるブースタードラフトやシールド、ブースターブリッツなどがこれに該当する。近年ではリミテッド専門のパックも発売されたり、その人気はとどまることを知らない。

そして最後の1つ。MTG本場のアメリカで大人気のこの遊び方である。

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「統率者(コマンダー)」

通称「EDH(エルダー・ドラゴン・ハイランダー)」と呼ばれるこの遊び方だが、カジュアルフォーマットとして一部愛好家の間で行われていたものが徐々に人気を拡大していき、今では公式が統率者用のカードを用意するまでに至るようになった。

ひょっとしたらこの記事を読んでいる方の中には「統率者とは一体なんぞや」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるだろう。ルールを説明すると別に記事一本を書くハメになるので、ここでは公式の用意した統率者解説ページをご用意した。こちらを読んでいただきたい。

ものすごく乱暴にまとめると、筆者がいつも記事にしているブロールのカードプールをガバガバにし、デッキ枚数を100枚にし、お友達を3人お誘いあわせの上遊ぶやり方である。というかブロールがこの統率者の派生形だったりする。

普段使えないあんなカードやこんなカードを使えたり、4人で遊ぶこともあり、普段とは違う遊び方が出来るのがこの統率者の魅力である。ちょうどタイミングよく、構築済み統率者デッキがこの度リリースされたばかりである。興味のある人はぜひ、友人と一緒に買ってみて遊んでみてはいかがだろうか。

…さて、初心者向けの導入はここまでにしよう。
ここからはいわゆる、「統率者にどっぷりはまったジャンキー向け」の話である。
ジャンキーの皆様、このような悩みを抱えていないだろうか?

初心者と一緒に遊べるデッキが手元にない

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お店で構築済み統率者デッキを買った初心者を卓に招いたが、卓のデッキがどれもえげつないパワーの統率者。おまけに無限コンボ搭載、サーチカードまみれ、妨害手段の雨あられ。結果、初心者が何もできず置いてけぼりになり、泣いて帰った後、二度と統率者を遊ばないことがあるのではないだろうか。

…かなり極端な例を上に挙げたが、そうでなくてもこれに近いことは起こる。統率者は元々身内で遊ぶようなフォーマットだ。長い間身内で遊んでいるうちに知らず知らず身内全体のデッキのパワーが上がっていき、気づけば初心者と遊ぶようなデッキが一つもないことが多々ある。

そりゃ構築済み統率者デッキを用意すりゃいいだろう。ごもっともな意見である。さりとて、わざわざ構築済み統率者デッキを買うのも億劫に感じるのも一理ある。あと、せっかくなら構築済みではなく自前でデッキを用意したい人も多いのではないだろうか。

今回はそんな統率者を愛してやまない、そして初心者とも自分のオリジナルデッキで遊びたい欲張りさんのために、このような新フォーマットをご提案したい。

名付けて、「40ドル統率者」である。

2.40ドル統率者のルール

さて、40ドル統率者だが、基本的なルールはいつもの統率者のルールに準拠する。ここに加わるルールはたった一つである。

手持ちのデッキの値段を構築済み統率者デッキの値段と同じ「40ドル(MTGGoldfish基準)」以下にせよ。

え?それだけ?と思うかもしれない。しかし、これがかなり厄介な縛りなのである。ちょっと計算してみよう。デッキ総額40ドル。デッキ総枚数100枚。つまり、単純計算で1枚あたりにかけられるお金は40/100=0.4ドル。日本円にして約40円である。

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結構ムチャクチャである。なんせ統率者で必ずと言っていいほど搭載される《太陽の指輪》の値段がMTGGoldfish基準で3ドル。他のカードとの兼ね合いもあるがまずデッキには入らない。そうでなくても統率者でよく用いられるカードの大体は1ドル以上することが多い。代用カードを探すか、これらを使うなら別のところをできるだけ安く済ませるしかないだろう。

しかし、なぜMTGGoldfishの値段を参照しているのだろう?これはハウスルール的なところもあるのだが、これはどうやらMTGGoldfishの値段が業界最安値(米国基準)であるためらしい。あと、デッキをMTGGoldfishに突っ込んでやると勝手に値段を出力してくれることも関係している。つまり簡単にデッキの値段を確認できるのだ。

ちなみにこの値段、当然日によって変動する。昨日あなたが組んだ39.96ドルデッキが翌朝目を覚ますと40.05ドルになっていることはよくあることだ。この辺の誤差を許容するか厳格に行くかは友人とご相談の上決めたほうがいいだろう。要は初心者とレベルを合わせることが大切だ。

3.おわりに

いかがだっただろうか。初心者のレベルに合わせてデッキを組むことが主たる目的のこの「40ドル統率者」だが、実はもう一つ目的がある。それは「普段使わないようなカード、見向きもされないカードを何とかして使ってデッキを組んで遊びたい」というリサイクル精神が根底にあるそうだ。

今や統率者も人気フォーマットとなり、統率者のデッキの組み方のハウツー記事やオススメカードをまとめた記事はいくらでも存在する。しかし、それに飽き足らず、さらにまだ見ぬ世界を目指してデッキを組みたい人には、ぜひこの40ドル統率者にチャレンジしていただきたい。

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キツイ縛りの先にはあなた色に染められる未開地が広がっているに違いない。是非、フロンティア精神にあふれる統率者プレイヤーの挑戦をお待ちしている。

そしてせっかくなので、弊コミュニティ、「ガバ部」のメンバーが作った40ドル統率者デッキを紹介する「ガバ部40ドル統率者通信」を連載していく予定である。

今のところなんと6個もの40ドル統率者デッキがすでに有志の手によって作られている。本業はブロール記事なので結構ゆったりした連載になると思うが、そこはご容赦願いたい。

それでは皆様、よい統率者ライフを!


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