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ヴァイオリンという楽器

そもそもヴァイオリンってどんな楽器なの?

 ストラディヴァリという名前を聞いたことはあるんじゃないだろか。楽器1挺に何億円という価格がついたなど、中の人にとっては金額ばかりがひとり歩きしていると思うことがしばしばある。ま、大間のマグロもそうだし、高額になればなるほど注目を浴びてしまうのは仕方がないので、とりあえず金額は置いておくとして、基本情報から書いてみましょう。

ほぼ全てが天然素材で作られている楽器で、ほぼ木材でかたちづくられている全長約600mmの擦弦楽器(のことはおいおいに)。表板(f字の穴が開いている面)は針葉樹のスプルース、裏板と横板やネックはメイプル(楓)材が使用されている。

こんまかいことを書くと、黒いところ、例えば指板やナットとサドルなんかは黒檀でできていて、ペグやらテールピースの色々は柘植やローズウッド、これまた黒檀が使われていたり、これ1挺だけでさまざまな木材を見ることができてしまうのだ。

 何度か書いてますが、“1挺”って初めて見ました?何故だかヴァイオリンを数えるときの助数詞は「挺(ちょう)」なんだそうで。台でも問題ないし通じると思います。助数詞警察はやめましょう。

 もう少しだけ木材の話をすると、ボディの輪郭に沿って埋め込まれている二重線があるのですが、それはパフリングと呼ばれています。あれ、描いてあるわけじゃなくて、象嵌してるんですよ。そのパフリングは製作家によって使われる木材もさまざまま。木材を薄く削ってそのままを使う人もいれば、染色している人、市販のパフリングを使う人もいます。なので、よーく見ると二重線の厚みや間隔は、楽器によってそれぞれ個性があって楽しいのです。

お腹いっぱいになってきました?

 普段は見えない内側にも今まで挙げた木材とは違う種類の木材が使われていたりもしますが、かなりマニアックな話になってきてしまうので、今回はここまで。ヴァイオリンと聞くとアカデミックで何だか近寄りがたしな感じがすると思うんですけども、きっと知れば知るほど可笑しく楽しい変な楽器というのが実感できると思います。少しでもお堅いイメージを払拭できればと、このnoteをにしたためていこうと思います。

Fine


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