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【週刊プラグインレビュー】UrsaDSP / Boost

すっかり夏になりましたね!!
湿気と熱気と戦う季節がやってまいりました笑
人によっては、セミの声と戦っているかもしれません・・・。

今月も出会ったプラグインたちを紹介していきたいと思います。

今回は、過去に試した限り、最も戦力になるプリリミッターと評価したUrsaDSPのBoostについて紹介をさせていただきます。

そんなわけで、今回もやっていきましょう!
プラグインレビュー!

Boostとは?

UrsaDSPは色々なクリエイティヴツールを提供しているDeviousMachinesのブランドの一つ。
基本的にここのベンダーは目の付け所が良くて、コロンブスの卵を立てている系の製品が多い印象がある。
Boostもまた、そんな製品だ。
通常のマキシマイザーが頭を叩いて音量を上げることを主目的となっているが、Boostに関しては、謎技術であるTrajectoryとPeak Remappingを搭載しており、超低歪のアップワード処理のリミッターとして販売されている。

これはどういうことか?というと、アップワードコンプレッションと歪まないリミッターを組み合わせた製品になっていて、そこのスムーズな切り替えをDSP処理で出来る・・・ということのようである。

本当にそんなことが出来てしまうのか・・?
と試してみたところ、非常に使い勝手が良かったので、皆さんにもご紹介したい。

使用感はDanさんがレビューしているのでこちらももしよかったら。

機能面

ざっくりと、分かりにくい部分をおさらいしていきたい。

  • Boostノブ
    ダイナミクスのカーヴを表示している大きなノブ。ここでどの程度リミッターに当たるまでの天井以外の音をブーストできるかを設定できる。

  • FOCUS
    より静かな音域をBoostノブの設定に加えてさらにブーストをするようにダイナミクスのカーヴを編集できる。

  • MAX Gain
    BoostとFocusを強気のパラメーターで設定をしたときに、過度にリバーブのテールなどの静かな信号がプッシュされすぎることがあるため、どこまでブーストするか?の最大値をここで指定できる。

  • Attack/LookAhead
    先読みする長さとアタックタイム。
    説明書によると以下の説明がされている。
    ・クラシックやオーケストラでは40ms
    ・アコースティック、アンビエントでは20ms
    ・臨場感を重視する電子音楽では10ms
    にするとよいとのこと。
    なお、ダブルクリックで2ms~45msに手打ちで変更することが出来る。

  • Relase
    Trajectoryアルゴリズムで自動調整されるので、そこまで重要ではない
    指定したリリースタイムより速いリリースタイムを停止するようにできていて、遅いリリースタイムに設定するとBoostの効果はやわらぎつつ、ポンピングが発生する。

  • Drive/Emphasis
    サチュレーション量の調整と、音響心理学的に低いレベルの協調を行う。DriveとEmphasisの切り替えはPunchボタンで行う

  • その他
    Qualityの場所からオーバーサンプリングやTrue Peak Limitを選ぶことが出来る。
    オーバーサンプリングについてはDriveノブをがっつり使うときのエイリアスを避ける用途であって、それ以外の目的は必要ない。

    • TPに関しても、最終段でBoostを使うとき以外は必要ない。

    • 親切な但し書きが書かれている。

検証してみる。

概ね検証したいことは二つある。
本当に歪まないのか?と、アップワード処理の挙動だ。

本当に低歪みなのか?

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