「ピアノを教える」って一口で言ってもさ
色々あるもんだよねぇ、と日々思います。
僕は高校2年生まで、音楽でプロになろうと思っていたわけではありませんでした。でも習ってて、練習は嫌いだけれどもw上手くなりたかったし、好きな曲をカッコよく弾けるようになりたかったので練習をして、怒られながらもレッスンに通っていました。
高校2年で音楽を専門にしようと決め、教員養成大の音楽科をターゲットに据えてからはかなり練習もしました。受かりたかったからです。そしてやっぱり上手くなりたかったからです。
大学入って周りを見てみると、ほとんどがそういう人たちばかりです。僕よりももっとすごい人もたくさんいました。趣味で始めたアマチュアバンドの仲間たちも皆楽器が、音楽が上手くなりたいと思っていたから、それからは同じ思いの人たちの間で僕は音楽をやってきました。
ピアノを教え始めて、最初は緊張から無我夢中でやっていましたが、少しずつ慣れて周りが見えて来ると、
「どうやら『上手くなりたい』にも色々あるようだ」
ということに気づき始めます。
レッスンに求めるものは一人一人違うようだ、と言うことを思い知り始めるのです。
学校であった面白かったことを目をキラキラさせて話す子。
悩みを相談してくる生徒さん。
一コマ30分、話だけして帰る、なんてこともありました。
「ピアノのレッスンに来てもらったからには、楽器を触って充実感を持って帰ってもらわねば!」
と考えていた僕は、多様な生徒さんに応えられずに焦りばかりが大きくなり、退会された生徒さんも多くありました。
学校や職場とは違うコミュニケーションや、日常とは色合いの違う時間を経験したくて通う人はかなり多いのですね。これは大人も子供も同じです。
目標に向かってガリガリとやるだけがレッスンじゃない、と言うのは僕にとっては目から鱗が落ちるような体験でした。
僕はそう言うレッスンを受けたことがなかったからなぁ・・・と思ったのですが、
ヤマハ音楽教室の幼児科からずっと続いたグループレッスンでは、歌ったり弾いたりすることの他に、「友達に会う」ことも通うモチベーションになっていたことを思い出し、
「そういえば僕もそうだったのか・・・」
とこれまた目から鱗でした。
思い通りに進まなくて焦ってしまうことはないのですね。
もちろんどうやってピアノに対してのモチベーションを育てるかはとても大事だし追求は続けていかなきゃいけないんですけど。
まずは毎週楽しくレッスンに通ってもらう
と言うことが大事なんだよなぁと。
当たり前なんだけどね、今更に気づいた僕なのでした。
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