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パワポはBGM

パチパチパチパチパチ!

 この感覚、大好き!拍手をもらえるって嬉しい!拍手がまばらな時は、空気の振動がそのままパチッ、パチッ、って体に当たる感じがしてむなしくなる。でも、拍手喝さいの時は、本当に音に包まれている感じがして、音っていうカプセルに乗ってふわっと浮けるんじゃないかとすら思う!

 人前で話す喜びは、自分の話が相手にしっかり伝わった時、共感してもらえた時、そしてプレゼンテーションという僕のパフォーマンスを評価してくれた時。拍手の音で自分の成功や失敗を感じ取り、僕は一喜一憂しているのです。

 プレゼンテーションを成功させるために、僕には乗り越えなければならない課題がある。それは、パワーポイント。作るのが下手とか、デザインのセンスがないとかそういうんじゃないんです。そもそも僕、パワーポイントは見えません。つまり、僕は自分に不必要なものを必死になって作っているのです。

 大学時代、僕はパワポを使わずにプレゼンをしてみたことがあります。結果はというと、はいズタボロでした。なんでー?僕、むしろパワポがない分、説明はしっかりしましたよね?やっぱ、パワポって重要なんだなあ…。と思ったら、意外とそんなことないみたい!だって、ものすごくきれいなパワポを作っている人より、ちゃっちいパワポ付きの僕のプレゼンの方が反応がよかったことが何度もあるんです。じゃあ、パワポっていったい何なんだ?おそらくなんですけど、プレゼンのBGMだと思うんです。

 例えば、フィギュアスケート。どんなに素晴らしい演技でも、BGMがなければ観客は盛り上がりませんよね。逆に言えば、パワポにばかりこだわっているのは、演技よりもBGMのクオリティだけが高いような感じ。まあ、演技とBGM両方ハイレベルなのがベストですけど。演技付きBGMなんて逆転現象は、ちょっとね…。

 つまり、僕がパワポを作る時は、BGMを作ってるような気分なんです。でも、自分が見えないパワポを作るって難しいです。かっこよく言えば、聴力を失ったベートーベンが作曲をするような感じ。

 正確に言うと、作業自体はそれほど難しくはないかな。僕のパソコンには画面を読み上げてくれるソフトウェアが入っていて、パワポのテキストボックスに文字を入れることもできるし、写真とかを挿入することもできるし、アニメーションを付けることもできる。ちょっと気合を入れる時は、エクセルで簡単なグラフを作ってそれをスライドに張り付けることもできる。まあ、文字と写真が重なってることもあるから、最終的な配置の調整は見える人にお願いしてますけどね。じゃあ、何が難しいかと言うと、お客さんにパワポがどう見えているかを創造することです。このスライドは文字が多いから、アニメーっションで動きがあった方がわかりやすいかな?ここには図や写真があった方がイメージだけでも持ってもらえるかな?過去のプレゼンの成功体験を思い出しながら、きっといいだろうと思うパターンを探していく。シンプルだけど、少しでもプレゼンに心地よさや高揚感を与えられるように。

 僕にとって不必要だけど、想像を広げて作る。そうすると、自分自身のプレゼンへの理解が深まって、僕のトークもよくなるんです!だから、変な話ですけど、僕が自分のプレゼンを理解するのにパワポ作成という儀式は必要なものなのかもしれませんね。

 さあ、パワポができたぞ!いよいよ発表だあ!って、スライドが見えない僕がどうやってパワポを使いながら発表をしているかって?それはいずれまた。

 今回はここまで。パチパチパチパチパチ!

#プレゼンテーション
#パワーポイント
#BGM