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水色のマスキングテープ

近くのお店に、週末来てくれる珈琲屋さん、スコーンのラスクも売っていて、美味しくて、よく買っている、いつもたのむカフェオレは独特で好きだ、ジャパニーズしてない異国な感じがいい、東南アジアの土くさい感じとケルトっぽいファンタジーが同居してるみたいな、ぼくが知る限り唯一無二だ、それで、いつも思ってた些細なことなんだけど、スコーンのラスクは、透明袋に入っていて、表面は真ん中部分が紙でクルって巻いてある、さあ食べようかと、帯を外して、袋を裏っ返しにした時、その時、水色のマスキングテープが縦にスラッーと、鮮やかに現れる、いつもハッとする、ぼくはこのマスキングテープの長さが気になっていて、けっこう好きな感じで、なんでだろうなあと思ってたら、分かったのだ、マスキングテープを貼って留めるという機能性を考えたら、もっと短くても良いのだけれど、このテープは無駄に長い、なぜか、これはきっとデザインなのだ、しかも直感的な、機能を超えたマスキングテープの演出なのだ、長く貼られた水色のマスキングテープ、とても瑞々しくて、上から真っ直ぐに降りてくる滝のよう、体を癒すマイナスイオンと、耳を潤す音を聴きながら、たった一本のマスキングテープの世界にぼくは引き込まれ、今回もまた、そこに、ゆっくりと腰をおろした、おしまい

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