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FF14歴代クソギミックランキング

釣り記事みたいなタイトルだがお題箱の消化になる。

本当に長くなりました

お題の通り、新生編から暁月までのエンドコンテンツにおけるクソギミックをランキング化する。対象は「8人レイドコンテンツ零式(とそれに相当する大迷宮バハムート)+5種絶」に限定。24人レイドや4人零式、IDや極討滅戦、バルデシオンアーセナルなどもすべて対象外とする。なぜなら、全部やっていないため。自分は基本的にこのゲームは零式と絶にしか興味がなく、これらが実装されないパッチは極すらやらないことがある。

前提:どういうのがクソギミックなのさ

実際のランキングに移る前に、本稿がクソギミックをどう定義しているかについては触れておいたほうがいいだろう。今回はコンセプトやゲームデザイン的に失敗していると感じられるものを主にクソギミックとしてピックアップしていくことにする。ギミックの設計が根本的に甘かったり、工夫が感じられなかったり、そういうやつである。難易度については、プレイヤーの体感難易度が高いギミックが必ずしもクソギミックであるとは限らないが、プレイ体験の悪さがギミックデザインの欠陥に起因することは少なからずあるので、全くの無関係というわけでもない。

記事には直接関係はないが、では逆に「良いギミック」ってどういうもの?という点についても触れておきたい。個人的に良いギミックと思えるものには2種類ある。ひとつめは、複雑でありながらも解答が一意に定まらず、プレイヤーの創意工夫が発揮できる作りになっているもの。アルファ編4層のハローワールドが代表的で、再生編4層の時間圧縮【急】などもこれに該当する。プレイヤーに問題解決の手段をそのまま渡すのではなく、その手段を組み上げることが出来る道具を与えるというのは、FF14に限らずあらゆる優れたゲームデザインに共通する妙味であると思う。

ふたつめは、シンプルでありながらも応用が効かせやすく、使いまわしたりほかの複合ギミックの構成要素として利用しやすいもの。新生編のクローズドベータからこのゲームをやっているが、はじめて感心させられたギミックは邂逅編2層のアラガンロットで、次は侵攻編2層1層のブライテッドブーケだ。どちらも(特に後者は)今となっては定番ギミックのひとつだが、初登場時はその発想にかなりの衝撃を受けた。FF14ではさまざまなギミックが同じように登場以来使い回され続けているが、多くの複合ギミック、しいては今のFF14のバトルコンテンツそのものがこういった優れた「一品モノ」のギミックの積み重ねによって成り立っていると思う。FF14のバトルシステム上で実現可能なギミックの仕組みにも限りがあるので、今後こういった新しい基礎ギミックの価値はどんどん上がっていくだろう。ちなみに、個人的に非常に気に入っているのは起動編3層のリビングリキッドが初出のプロティアンウェイブ。プロティアン自体が軽い複合ギミックとは言えるかもしれないが、たま~に似たギミックが出てきたときに「あ、プロティアンだ」となるのがちょっとうれしい。ちなみに起動編3層はマグネットの初出層でもある。

そして、以上を踏まえると「めちゃくちゃ難しかったけど別にクソギミックではない」と自分が感じるギミックも理解してもらえるだろう。例えば再生編4層前半の悪名高いライオンフェーズなどは、零式全体で見ても類を見ない難易度のフェーズだが、それゆえに多くのプレイヤーが工夫を凝らして安定化に取り組めたギミックでもあり、決してクソギミックではない。絶オメガの検知式波動砲は攻略時に大きな壁として立ちはだかる悪辣なギミックだが、検知式波動砲という基礎ギミックの応用性の高さを存分に活かした良いギミックでもある。

じゃあ結局どれがクソギミックなんだよということで、前置きが長くなったがここからが実際のランキングとなる。なお、先に断りを入れておくと自分は(特に最近は)野良での攻略も消化もほとんどやらないため、ほとんどのギミックについて初期攻略時における解法の記憶しかない。野良で主流だったが自分たちは採用していなかった解法や、実装からしばらく経ってから確立された解法に対する知識はかなり中途半端である。昔のレイドも(年末までかかった絶バハ以外は)基本的にW1stから2~3週間以内にはクリアしているはずであるが、バハ・アレキの内容に関しては純粋に記憶が曖昧なところは多い。

10位 辺獄編4層:茨の悲劇・第四幕

いきなりニッチな例で申し訳ないのだが、かなり印象に残っているのでランキングにはどうしても入れたかった。この記事で取り上げるギミックの中では異質なタイプで、ギミックの内容自体に特に文句はないのだがヴィジュアル面での問題があった。というのも、第四幕で付与されるウォタジャの青マーカーとダージャの紫マーカーが、色弱だと見分けがつかないのである。

(Magnolia Lemonedさんの動画からのキャプチャー)

自分が攻略していた固定にも一人色弱気味の友人がおり、このマーカーの区別が難しかったため他のプレイヤーが確認してコールしてあげていた。青と紫は区別しにくい色の典型的な例であり、FF14はこういった方面での配慮は結構行き届いているイメージがあったのだが、このギミックのマーカーは形状もかなり似ているため色以外で区別するのが困難。この友人とはかなり長いこと一緒に零式や絶の攻略をやっているが他のプレイヤーの手を借りなければいけないほどのケースはこれが初めてだったため、やや衝撃的であった。

第二幕のマーカー(赤と緑)も色弱の程度や種類によっては区別しにくいと思うのだが、同じような状況になった人というのはいないのだろうか?なんにせよ純粋に不親切なデザインだと感じていたので、記事の構想の早い段階でこのギミックについて考えていた。とはいえ当事者ではないため言われないと気付けないのもあり、自分が知らないだけで他にも色への依存度が高すぎるギミックはあるのかもしれない。

9位 絶アレキ:時空潜行のマーチ(金真心)

Shia Villiaさんのフォーラム投稿よりお借りしております

う、うーん。正直に言うとこれは入れるかどうかかなり迷った。半分くらい義務感でランキング入りさせた。義務真心。

(おそらく)絶アルテマで覚醒ギミックの好評を受けて絶アレキサンダーにも採用された、いわゆる「攻略巻き戻し」系のギミック。実際、個人的にも絶アルテマの覚醒蛮神ギミックはかなり面白いと思ったので、試み自体はかなり理解できる。そもそも攻略巻き戻しギミックというのは根っこを辿れば零式の複合デバフギミックなどと同じで、本質的にはレース勢とトレース勢の間に横たわる実力と熱意の差をいい感じに緩衝するための存在だと言える。難易度をどちらに合わせてももう片方からの不満は免れないので、「最初に解くのは難しいが、タネが割れればなぞるのは簡単」なギミックを用意するのだ。純粋な難しさを求めるレース勢にとっては邪道と感じられるのかもしれないが、「W1stが秒殺」よりはマシという点である意味必要悪みたいなところはあると感じている。

とはいえ真心はまあ、やり過ぎだっただろう。ほぼノーヒントでたどり着くにはややひねくれすぎている。「エニグマコーデックスなしで未来観測に突入して、為す術もなく右往左往する配信勢」という絵面を想定する以上、あまり簡単にしすぎると配信トップ勢が断絶で詰まっている間に真心が解かれてしまい、演出が台無しになる可能性があるというのは分かる。真心は破壊するものだというレイド勢の先入観を逆手に取ったギミックだったのも、意図的なのではないかと思っている。しかし絶は1トライ1トライが重く、あまりいい加減な思いつきをガンガン試せるようなコンテンツではない。最終フェーズにたどり着いてから巻き戻されるというのも問題で、そこまでの全フェーズが再検討の対象に入ってしまう。一応ストーリー上にヒントはあったらしいとは聞いているが、自分はスキップ勢なのでそれっぽい解説を読んでもあまりピンと来なかった。どちらにせよ実質的にレース勢のみが取り組むであろう絶の先行攻略に、ストーリーをしっかり読み込むのを前提とした謎解きを仕込むのはあんまり誠実な仕掛けとは言えないような気がするが……。

そしてこのギミックのしょうもなさに拍車をかけているのが、データマイニングによって金色の真心のモデルが存在するということが先んじて判明していたという点。これ関してスクエニを責めるのは酷なのかもしれないが、「やるやつはやる」というのは当時から分かりきっていたわけで、対策・迂回する方法はなかったものかと思ってしまう。というかそもそも別に金色になる必要がない。

それにしても、配信勢が未来観測で困惑し、荒唐無稽なアイデアを片っ端から試し始め、その上でダレる前に正解の解法がしっかり見つかるというほぼ理想通りの展開になったのはなかなか奇跡的だった。解析行為込みでちょうど良い塩梅になったのだとしたらそれはそれで皮肉な結果とも言える。仮に全く解かれる気配がなかったらどうなっていたのだろう?案外スクエニのサクラがTwitterでヒントを流し始めたりしたんじゃないかと真剣に思っている。

8位 絶竜詩:騎竜剣エクサフレア

チームNoHitの配信クリップよりお借りしております

意外に思うかもしれないが個人的に絶竜詩で一番残念だったギミック。「アイデアは良いが実装がダメ」の典型的なパターンだと思っていて、絶竜詩最後のキラーギミックとなれるポテンシャルがあったのに毎回ほぼ全く同じ動きをするだけのギミックになってしまった。

配信PTが最終フェーズに入りこのギミックの内容が判明したとき、おそらく攻略中だったレイド勢の9割は「パターン少なそうだし、ワザップがありそう」と思ったのではないかと思う。案の定あったし、わりとすぐ見つかった(というかW3rdだかがやってた)し、全然シビアじゃないし、あまりにも悲しいギミックだった。記憶が曖昧ながらも、たしかW2ndあたりの動画は正攻法で避けてたと覚えている。絶対にそっちのほうが面白かった。まあ面白いかどうかは主観としても、あれで避けられてしまうのは普通にギミックデザインとしても失敗していると思うので、安易なワザップは先回りして潰しておいてほしかったというのが正直なところ。

ガチ避けするしかないと思われていた最初期に、Webで遊べる「騎竜剣エクサフレアシミュレーター」みたいなのが作られていたのだが、エクサの大きさも速度もダイナモチャリオットの大きさもキャラの移動速度も何もかも違って全く練習になっていなかった。が、あれはあれで面白かった。実際のゲーム内でもちゃんと避けてみたいとは思っていたが、使えるものを使わない理由はないし、MTが最終フェーズで緊張しすぎて意識を失いそうになっており、脚を紐で縛りながらプレイしていたらしいのでさすがにやってみようと提案する気にもなれなかった。

7位 天獄編2層:魔殿の震撃

これは本当に謎だった。「こんな2層の途中で唐突に使ってくる技がノーヒントでタンクLB3必須なわけねえだろ」とは思っていたが実際あまりにも痛すぎた。あまりのダメージに当初は時間切れなんじゃないかと疑われていたのは冷静になると面白い。結局軽減をフルに使えば耐えれるということが分かっても、タンクLB3のほうがその後に残る軽減も含めて手っ取り早くて楽なんだし、別にタンクLB3で良くないか?となってしまっていたのもかなり減点度が高い。

結局、後日開発インタビューかなにかでやはりタンクLB3想定ではなかったことが判明したらしい。煉獄篇4層のHP調整ミスと一緒に並べて、「プレイヤーが想定より下手すぎ」案件の新たな一例として扱われているのをたまに見たが、ヘファイストスと違いこちらは軽減スキルの割り振りの問題でしかないので上手いも下手もないと思われる。このゲームのバフデバフは押すだけで出る。「これくらい軽減スキルを吐かないといけないとなると、タンクLB3という選択肢も出てくる」という発想が開発側になかったということが判明しただけである。

6位 邂逅編5層:ダイブボム

さんざんバグり散らかして攻略をストップさせ、層自体の閉鎖にまで事態を発展させたのはツイスターだが、ツイスター自体は別にクソギミックではなくただバグっていただけである。真によくわからないことをさせられていたのは明らかにダイブボム。当時このギミックは仕組みがよく理解されておらず、プレイヤーの9割が「よくわからんがくぼみを出入りしていると避けれる」くらいのふんわりした認識のままプレイしていてかなり終わっていた。もちろん自分もその一人で、このギミックが「ランダムで選ばれたターゲットに対して、4つの始点候補からもっともターゲットに近いところが始点として選ばれる」という仕組みだと知ったのは冗談抜きでクリアしてから3年後くらいだったと思う。

5chが初出?誰が作った画像か分からないが、お借りしております

仕組みを理解した上でいまだに納得がいっていないのは、この「始点候補」の目安やヒントがゲーム内のフィールドに一切存在していないということ。それともあるのだろうか?もしあるのであれば申し訳ないが、改めて動画を確認した感じはなさそうに思えた。ツインタニアが降りてくるのはターゲットマーカーの付与と同時であるし、降りてきた位置を確認してから回避行動を取っていては絶対に間に合わない。ダイブボムの途中で蛇の処理が入ることもあり、「8人全員が同じ位置に集合することでダイブの軌道を固定する」のがある程度想定された攻略法であることは間違いないと思うのだが、それにしてはタニアの降りてくる位置候補がノーヒントなのは謎すぎる。録画で4パターン割り出すの前提なのか?しかも当時はフィールドマーカーがないので割り出したとしてもプレイ中はその位置が分かりづらいことには変わりない。8人全員の動きの統一性と精密性が要求されているわりにはそれの目安となるものがなさすぎて、「ギミックの仕組みの解明」「ギミック処理法の構築」どちらの段階でも異常に不親切なギミックになっている。

結局始点の近くにたまたまいい感じのくぼみがありその処理法をBGが実演してくれたからなんとかなっていただけであり、プレイヤーの大半はよくわかってないままくぼみを出入りしていただけである。それとも本当にダイブボムの目安となるべく配置されたくぼみだったのだろうか……。

5位 絶オメガ:コードデュナミス【オメガ】

ファー

以前書いた絶オメガの振り返り記事でも軽く触れたが、このギミックの後半は明らかに不自然だと思っている。いくら2回分のデュナミスバフ処理があるとはいえ、検知とブラスターしか使ってこないギミックのスカスカさ。不自然なまでの時間的猶予もあり、明らかに「後からギミックをなくした」感じがしている。

デュナミスバフの優先度判断は確かにややこしく、その分のマージンを取っているという解釈はもちろん出来る。だが、それを言うならそもそもコードデュナミス【シグマ】の時点で優先度判断は要求されており、こちらはしっかりギミックがギチギチに詰まっている。冷静に考えて、【オメガ】の後半でも【シグマ】後半の回転レーザーと同程度のギミックは来ていても問題はないはずだ。加えて言うなら、デュナミスバフの優先度判断が難しいのは【シグマ】と、【オメガ】の1回目だけだ。【オメガ】の2回目が来た時点ではすでに命運は決まっており、優先度判断はほぼ存在しない。ここで考えなければいけないのはバフを受け取る担当である4人の並び順のみだ。しかしなぜかブラスターの予兆から着弾までは10秒近くある。優先度判断用の思考時間を取ってあるとして、いちばん簡単なところにいちばんたっぷり時間が用意されてあるのはどういうこと?

もちろんいちプレイヤーとしてはちょろくてサンキュー!と思わないわけではないのだが、【デルタ】から【オメガ】にかけて尻すぼみにしょぼくなっていくギミックにちょっとがっかりしてしまったのは事実。日和った結果本来あったはずのギミックを消した上でタイムラインは調整しなかっただけだとは思うのだが……。絶バハムート最終フェーズのエクサフレアも本来なら避けながら頭割りや塔踏みをさせられる予定だったという有名な話もあり、基本的に「盛ってから削る」調整方針なのかもしれない。

4位 侵攻編/侵攻編零式2層:ルノー

Ange Shovartsさんの日記よりお借りしております

大迷宮バハムートのカスギミックと言われたらさすがにこれを思い浮かべる人が多いのではないか。アイデアレベルでは間違いなく評価できるギミックなのだがいくらなんでもプレイ体験が悪すぎた。全体的にストレス負荷の高いギミックだが、一番の問題はフェーズ移行がボスの残HP割合に依存しているにも関わらずルノーの出現間隔が一定であり、ルノーと各種呪詛ギミックや床(毒沼)の同期がズレやすいところ。HP依存のフェーズ移行のせいで火力調整を要求されるのはこの時代のエンドコンテンツに共通する問題ではあるが、この層ではかなり極端に悪い側面が目立っている。

ヘヴィを入れると圧倒的に誘導が楽になるのと、石化させたあとにAA一発でも漏れると破壊されるというのもあり、誘導役として実質召喚士が必須ジョブとなっていたのもかなり渋い。まあそもそも当時は赤は実装されていないので蘇生がほしい場合は召喚一択ではあったが……。地味にサークルオブフレイムが遠隔DPS対象なので近接2遠隔2の構成以外はピックしづらいというのがあったり、担当ギミックがほとんど存在しないMTは眠気に耐えながらハルオーネコンボを撃ち続けるだけだったりと、PT構成やロール面でもかなり歪みの多い層だった。

叫声の対象がルノーにめりこみすぎると判定が漏れ出てくるみたいな微妙なQoLの悪さや、出現数上限(4体?)まで同じ場所に固めて石化を更新しつづけるややしょうもない解法が見つかったり(言うほど楽になるわけでもない)というのもあり、とにかく微妙な仕上がりのギミックであったことは間違いない。ちなみに零式ではルノーの仕様が微妙に変化してヘヴィで足が止まらなくなったり石化の更新が出来なくなったりしているが、それ以外は基本的にデバフの数が増えただけになっていて、難易度はもちろん上がっているがストレスは難易度分以上に上昇している最悪の層だった。特にベノモステールが雑に4人とかになってるの工夫も感じられないし面倒だし本当に嫌いだった。なんかルノーというより2層自体の悪口みたいになってしまったが、結局ルノーは2層の全タイムラインに関わってくるギミックなので、もう正直2層の作りそのものが悪かったのかもしれない。

3位 真成編1層:エラティックブラスター

だが大迷宮バハムートのナンバーワン・クソギミックはルノーではなく、エラティックブラスターである。何それ?となる人も多いかもしれないが、これはイムドゥグドが使ってくる「赤玉」とか言われてたギミックである。マーキング対象者に向かってエラティックブラスターのデバフが付与され、このデバフが5秒後に爆発して大ダメージと麻痺を喰らうという仕組みなのだが、対処法はデバフ付与時のダメージを鼓舞・ストンスキンで無効化すること。完全にヒーラーの気を散らすためだけに用意されたギミックであり、マーキングからデバフ着弾までの猶予も短めなので特にストンスキンの詠唱が長い白はずっと意識しておかなければいけないギミックだった。

劇毒ぱりーん

ある程度成熟してきた現代のバトルコンテンツ観では「バリアで被ダメージをゼロにしなければいけないギミック」というのがそもそもバッドデザインに分類されると思うが、当時の基準でも手抜き感に溢れるギミックではあった気がしている。決して難しいわけではないのだが気が散るとミスりやすく、「このクソみたいな手抜きギミックに振り回されている」という屈辱感がすごかった。純粋に自分のイラつき度が高かったので高順位。

2位 絶アルテマ:追撃の究極幻想

FF14バトルコンテンツ史上もっともイカれたギミック。後にも先にもこれより難しいギミックは実装されていないと思う。いわゆるフィジカル系ギミックに分類されるもので最上位難易度のギミックからも頭ふたつ分くらい抜けた難易度をしていて、なんでこんなものが出荷されてきたのか全然よくわからない。

もちろん、ご存知の通りバリアを盛ればイフリートの十字に耐えられるので突破すること自体は難しくはない。とてもではないが真っ当に処理するように作られたとは思えないので、ギリギリ耐えられるダメージになっているのもおそらく意図的だろう。単にテストプレイしてみたら難しすぎて慌ててダメージを下げて「抜け道」を作ったのではないかと思っている。意図して作られた抜け道であるならばそれはもはや想定解のひとつにしか過ぎないが、こんな解法を用意しなければならないのであればそもそも本来のギミックの難易度を下げるべきである。100PTいたら100PT全員がAoEを顔面で受け止めながら突破しているギミックはさすがに根本的に破綻していると言って差し支えないだろう。

前述したコードデュナミス【オメガ】といい、特に絶は「難易度を下げるために後からギミックを減らしました」というのが露骨に伝わってくるケースが多い気がする。ギミック自体を作り直さないのは単純に納期やシステム面の制約によるものかもしれないし、そもそも根本的にギミックを刷新したのであればそれをプレイヤー側が気付けるはずもないので、「雑に減らしたなこれ」と察せるものだけ特に印象に残っているというだけの話かもしれない。

追撃の究極幻想に関しては、コンセプト的にタイタンやらイフリートやらを一体消すわけには行かないので、苦し紛れに数値を減らして手打ちとしたのかもしれない。しかしそれならば零式のギミックのように「ランダムに見せかけて決まったパターンしか来ない」ようにすれば良いような気もする。たとえば配置が全部で8パターン程度しか存在しないのであれば十分現実的な難易度のギミックになると思うのだが……。それとも本当にバリア盛り顔面受けは想定外で、真っ当に避けさせる予定だったのだろうか?

1位 起動編4層:ジャッジメントナイサイ

プシューーー(パーペチュアルレイ)

FF14バトルコンテンツ史上もっともしょうもない解かれ方をしたギミック。「追撃」の場合は(おそらく)用意された抜け道に全員が群がったわけだが、ナイサイは明らかに想定されていない解法が定番化してしまったため救えなさがすごい。スプリントで自殺していくプレイヤーたちを見たバトルチームメンバーの苦みは想像するしかないが、結局原因の大半はギミックの作りにあるので自分の蒔いた種でしかない。

こんな解法を許さないギミック構成にしておけよというのは実際そうなのだが、とはいえこれが「解法」と呼べるほど成立しているかどうかはかなり怪しいラインである。ギミックの不備で簡単なやり方が見つかったというよりは、どっちかというと「自殺するほうがマシなくらい正攻法でやるのが嫌だった」という方が正確ではないかと思う。ここまでナイサイを真っ当に処理するのが嫌がられた大きな理由のひとつにナイサイのDoTダメージがあり、これがフェーズ移行の全体攻撃であるモータルレボリューションやディスコイド(玉取り)、カーネイジ(線取り)と被ることによってナイサイ所持者の事故死が多発したことがある。特に最後のモータルレボリューション+ナイサイDoTはタンクに渡さないとほぼ耐えられないレベルだった。ナイサイ持ちが落ちた時点で正攻法での処理は不可能になるので自殺するしかないが、それならそもそも最初から自殺プランで行けばいいのであって、神経を擦り減らしてナイサイを受け渡し続ける理由なぞないのである。

そもそもこの起動編4層とかいう層はナイサイ以外にも微妙なギミック多く、カーネイジにはなぜかフェイクの線が混じっているし、雑魚のストラッフドールはエンレイジでMPを0にしてくるだけな上、ご丁寧なことについでに自爆もしてくれるため完全に無視される始末。4層なのによくわからない機械の脚4本と戦うというアンチクライマティックさから「電柱と戦ってる」なんて揶揄もされていたりと散々である。ギミック単体で見ても層全体で見ても底辺であり、3層リビングリキッドの難易度と合わせて起動編に苦い思い出を持つプレイヤーの多さにも納得というところではある。


おまけ

記事の下書きを作る段階で候補には上がったがランキングに入れるほどではない、けれどどうしても一言は言いたいギミックたち。

  • 辺獄編3層:死の運命

もちろんほかのジョブでも全然出来るのだが、マクロコスモスを実装していの一番にこんなジョブ接待みたいなギミック作るんだ?とはちょっと思ってしまった。本当に使わせたかったのか、単純にそこまで考えていなかったのかは知らないが……。ちなみに「歴代の印象的な3層(フェニックス、リビングリキッド、クルーズチェイサー)のギミック詰め合わせ」という辺獄編3層のコンセプト自体はめっちゃくちゃ好き。

  • バハムート・プライムのメガフレア

「やっぱさァ……満を持して戦うバハムート様はパワー系っしょ!」と言わんばかりにフレアブレスやらフラッテンやらアク・モーンやらド派手なギミックが多数初出となった真成編4層において、一番有名な技であるメガフレアが……なんか……こう……小賢しくないですか?これ?メガフレアこそパワー系の技であって欲しかったのだが、ギガフレアに全体攻撃枠を取られたので仕方がないのだろうか?あと複合ギミックの全てに同じ名前がついているのがクソすぎて、メガフレア(大円)とメガフレア(小円)とメガフレア(対象指定範囲ダメージ)とメガフレア(塔)が共存していてプレイヤー間のコミュニケーションにハンデ背負わせてくるのが最悪すぎた。

  • リビングリキッドの水量均等化

均等化をさせられてるのは俺たちなんだけど?
一生名前に納得がいっていなかったが、「リビングリキッドも均等化したがっていて、詠唱が終わり実際に均等化がなされたときにその差分に応じてダメージを与えてきている」という解釈を採用するとギリギリ納得できるということが最近判明した。にしてもお前が最初に勝手に「不均等」になっているわけだが……。

  • クルーズチェイサーのプラズマシールド

盾を前に構えているのになんで前からしかダメージが通らないんですか?
「盾を先に壊さないと本体を攻撃できないよ」というのは分かるが、めっちゃ盾を前に構えてるのに後ろから殴ると無効化される絵面、あまりにも納得度が低すぎた。

・共鳴編4層:光の祝福

おそらくは演出として用意されたバフのはずが、ボスがやたらと硬かったために無駄に物議を醸してしまった不幸な例。まあ別に悪いとは言わないが、混乱は招いていたと思う。雑魚フェーズ自体もかなりジョブに対する依存度が高くてあまり褒められた作りではなかった。これは本当に必要だったのだろうか……。

・極神竜の裁きの雷(の麻痺)

極蛮神なのでそもそも記事の射程範囲外なのだが、公式で「クソギミックでした、すみません。もうやりません」と謝罪がなされた伝説の回なのでさすがに参考案件として言及しないわけにはいかなかった。FF14のバトルコンテンツにおけるギミックの構造については、プレイヤーと開発チームとの間に歴史に基づいたある種の「暗黙のルールと了解」が成立しているが、そう思っているのは実はプレイヤーだけでありバトルチームがその気になったらお前らを15%の確率で麻痺にすることも出来るということが判明した恐怖の事件。


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