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隣同士(詩)




十円で買えるボール状のガムを
君はあえて舌で転がした
何て意味のないことをするんだ?
それでも君は楽しそうだった

意味がないといえば組体操
あれは大人たちのエゴだろう?
僕は知っているんだよ
崩れたピラミッドの下敷きになったやつを

無許可で置かれた自転車をパンクさせて
政治家から奪った金を野良猫に渡す
そこに愛など微塵もないけれど
僕らは常にのらりくらり 隣同士

東京で食べる豚キムチチャーハン
流れてくる中華系アプリの宣伝
ラッシー片手に踊るダンサーたち
極め付けは低空飛行の米軍様

誰のために生きているんだ 年金
何のために排出する 税金
果たして意味があるのか?
今夜もラブホテルだってさ しょうもない

読書している少年を喝采して
スマホでエロを吸う大人を晒す
そこに愛など僅かもないけれど
僕らはいつも手を繋いでる 隣同士

気がつきゃ2024の雪も溶けて
麗かな風が吹くはずなのに
怯えているのはどうしてだい?
君はもう ひとりぼっちじゃないだろう?

何も信じられないって言うわりには
スピリチュアルに興味津々じゃないか
だけどそんな矛盾は嫌いじゃない
僕らはいつだって隣同士だから

平和デモをする民衆を称えて
脱税する議員を糾弾する
そこに微量でも愛があると信じて
僕らはいつも手を繋いでる 隣同士

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