蒼日向真澄

26歳。三郷の執筆屋。小説、詩、エッセイ、随筆、ブログ、散歩録、語り、駄弁り、寸劇など…

蒼日向真澄

26歳。三郷の執筆屋。小説、詩、エッセイ、随筆、ブログ、散歩録、語り、駄弁り、寸劇などなど。  だいたい月〜金曜日の20時に更新します。

マガジン

  • アオマスの詩集

    フワフワと頭に浮かんでいる言葉たちを一本の糸にするように紡いでいき、詩にしてみました。様々な感情に揺さぶられながら、それでも言葉にしてみたい愛や希望などを詩にできたらと考えています。  読んでいただけると幸いです。

  • アオマスの独り言

    蒼日向真澄の個人的な想いを連ねていきます。読んでいただけると幸いです。

  • アオマスの日常

    蒼日向真澄の日常をお届けします。駄弁り中心。写真多めです。緩く更新します。

  • アオマスの小説

    どんな一面にも些細な物語が存在する。それを上手に掬って、鮮明に描いていく。文士を目指す蒼日向真澄によって紡がれる短編集です。

  • アオマスのエッセイ

    日常の出来事を言葉にするには、簡単なようでややこしい。だが、美しい。

最近の記事

  • 固定された記事

それだけで、青春でした。

   喉が渇いた。君は百十円で苺ミルクを買う。  新聞部がスクープ探して駆け抜けていく。  吹奏楽部の情熱音色をBGMに帰宅するあいつ。  僕はもう、スーツを着てしまった大人。  陸上部が走る。なぜか演劇部も走る。  サッカー部が蹴る。バレー部は空を仰ぐ。  科学部がネモフィラを探して散歩する。  君はまだ、制服を着た子供。  入道雲を目指して自転車を漕いだり、  帰りにガリガリ君を買って食べたり、  定期テストに襲われて滅入る、青春。  それだけで、青春でした。  

    • 池袋にて、一人語り。

       皆さんこんばんは、蒼日向真澄です。  最近は忙しく、いや、ただ怠惰なだけかもしれませんが、noteの更新が滞っています。  実は今、それほど書きたいという気持ちがないというのが本音です。現実が充実していて、気持ちが鬱屈しているわけでもないから、文章にして吐き出す必要がないといいますか。それは精神的に安定していることを意味するわけですからハッピーかもしれませんが、文章を書くことで生きがいを得ている人間とすれば望ましくないかもしれませんね。  とはいえ、小説はボチボチ書い

      • 池袋にて、ホルモー。

         みなさまこんばんは、蒼日向真澄です。久々の投稿です。  今回の舞台は池袋。最近、訪れる機会が増えつつある街です。  前回はジュンク堂書店を訪れましたが、今回は池袋駅にある三省堂書店へ。本屋大賞発表後ともあって、店先にはノミネート作品が並んでいました。いつか、私の作品が置かれていたらいいですね。  今回は気になっていた恩田陸さんの『灰の劇場』を購入しました。読むのが楽しみです。    ちなみにこの日の天候は晴れ。雨マークがあったのですが、思ったより天候に恵まれました

        • 墓、桜、月、それから猫 『春の歌』

           四月十日は祖母の命日。だから毎年、その近くになると墓参りへ行く。  墓というのは鳥の囀りが響き渡るほど静かで、蝶が気になるほど気配がない。  だからこそ、訪れに気づく。  わずかな耳鳴り。それからすぐに、一匹の猫が僕の足に寄る。  そうか、今年は猫の姿で来てくれたのか。  僕は祖母が眠る墓に手を合わせ、線香の煙を纏って消える。  今年は桜が長い気がする。開花が遅いだけだろうか。  桜の木をじっと眺めていると、先ほどの猫が呑気に鳴く。  しかし、もう祖母の気配ではない。ただ

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        それだけで、青春でした。

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        記事

          アマテラス、日向ぼっこ 『春の歌』

          日向ぼっこする休憩中 宙ぶらりんな思考回路だが 桃色の風が吹くなら どうでもいい、どうでもいいんだ ひとりぼっち鬱辛いです 新入生の哀れな言葉には 明け方の陽が効くから 大丈夫、大丈夫だから 長続きする必要はないよ 人生とはいえ気軽に進もう 桜を憂う気持ちもわかるよ それでもね、気楽に生きよう 日向ぼっこするアマテラス ルンルンルンなプラス思考で 金色の稲穂を待つから なんとかなる、なんとかなるさ

          アマテラス、日向ぼっこ 『春の歌』

          同級生 『春の歌』

          ガラガラとスライド式のドアを開ける。 綺麗に区画整理された机たち。 ピカピカにされた黒板。 窓は、開いている。 僕は指定された席に座る。 わずかばかり居る生徒たち。 それから続々と来る生徒たち。 彼らとは、これから同級生になる。 話しかけようか、しばし迷う。 しかし吃る癖があるから避けたい。 読書でもして壁を作ろうか。 そんなとき、隣の人が声をかけてきた。 「おはよう」 僕も返す。 「おはよう」 彼はニカっと笑う。 「どこから来たんだ?」 「僕は、北の方から」 「へえ

          同級生 『春の歌』

          食べ記録(3月)

          三月も色々食べました。 ・サンマルク サンマルクはお手頃価格な上に雰囲気も好きで、よく利用しています。この日はお昼ご飯も兼ねていたため、チョコクロとウインナーパンを購入。チョコクロ、好きなんですよね。コーヒーも変な癖が無くて美味しいです。 ・ちゃんぽん あんまり脂っこいラーメンだとお腹を壊すので、ちゃんぽんを食べます。この日は北海道のアンテナショップで買ったガラナサワーを一緒に。なんというか、デカビタみたいな味がしました。 ・神戸元町ドリア 家族でつくばに行ったときに食

          食べ記録(3月)

          『犬みたいな名前の食べ物』(ショートショート)

           ガラパコス携帯に、一通のメールが来た。 『今日バイトサボったから。これからそっち行く!』    彼は中華屋で調理のバイトをしていて、いつも脂ぎった床を踏みしめて、ほっぺがぼうっと火照るほどの熱さの中でフライパンを振っている。    そんな彼が、バイトをサボる。きっと「熱が出た」なんて嘘でもついて。    二〇分後、彼が私の元へやってきた。 「悪いな、待たせた」 「待たせたって、ここ私の家だけど」 「そうだよな。待たせた、が癖になってて」 「何それ」 「ああ、そうだ。これ

          『犬みたいな名前の食べ物』(ショートショート)

          つくばにて。

           随分と遠回りしたが、元の場所に戻ってきた。そんな気がする。  思い返せば、俺はほんとに不器用で、どうしようもない人生を送ってしまった。それでも、死ぬことはしなかった。それだけは褒めてほしい。  これからは、惑わされることもなければ、期待することもないだろう。それでいい。これからはとことん内側にいる自分と向き合うだけだ。  それにしても、ここは空気が美味い。東京よりも、ずっと美味い。そんな気がする。東京も好きだし、いまだに憧れている。東京で輝ける男になりたかった。それを

          つくばにて。

          路地(ショートショート)

           一人、路地を歩く。何も考えず、ただひたすらに。  一匹、猫が通る。彼もまた、何も考えずひたすらに生きる。  彼らはお互い黙っているように見える。しかし、挨拶している。 「おはよう、白い猫」 「おはよう、暇人」  一人、路地で煙草を吸う。バレないように、ひっそりと。  一匹、猫が近寄る。彼は吸えないが、たむろする。 「やあ、白い猫」 「よう、暇人。今日も暇か」 「暇だ。社会は騒がしいってのに、俺は暇だ」 「お前も忙しくしてみるといい。そしたら、暇人なんてあ

          路地(ショートショート)

          箱庭の箱を壊す (ショートショート)

           僕が生きる世界は狭い。わずかな人間関係、インスタントばかりの偏食生活、趣味もダラダラYouTubeみたりする程度で、つまらない。  だから、箱庭の箱を壊すように、僕の周りにある壁を壊してみた。  一人の男と出会った。彼は革命。ペティナイフを後ろポケットに忍ばせて、いつだって「チェンジ・ザ・ワールド」が合言葉。  僕は彼と友達になった。僕も「チェンジ・ザ・ワールド」と叫んでみた。心の中にあったモヤモヤが霧消していく感覚が、愛おしかった。  ほどなくして、革命を起こした

          箱庭の箱を壊す (ショートショート)

          ご飯が炊けるまで、誰かの生活を覗く。 (ショートショート)

           米といでさ、水入れてさ、炊飯器の中にセットしてさ、『白米』のボタン押してご飯を炊くのよ。だいたい四十分くらいかな。今が十九時だから、炊けるのは十九時四十分くらい。いつもならこの間におかずを作るんだけど、今日は親戚からもらったマグロの刺身があるし、味噌汁は昨日作ったやつが残ってるから、それ温めれば十分。つまり、今日はご飯が炊けるまで暇なわけだ。  だいたい四十分。何をしようかなって考えて、すぐに思いついたのは「誰かの生活を覗くこと」だった。  まずはインフルエンサーの遠藤

          ご飯が炊けるまで、誰かの生活を覗く。 (ショートショート)

          ガトーショコラ食べながら独り語り

           こんばんは、蒼日向真澄です。久々の『独り語り』な気がします。『独り語り』なのか、『一人語り』なのか、私の過去記事を見るとどっちもあって、統一しておきゃよかったなと後悔しています。まあ、いいか。  昔から、ではないですが、私は春という季節が一番嫌いです。何かと別れたり、何かと出会ったり。それはたしかに人生を豊かにするものかもしれませんが、物事が変わっていく瞬間、私は決まって体調を崩します。加えて春には多くの花粉が飛ぶから、余計に体調を崩します。コンディションは最悪ですね。

          ガトーショコラ食べながら独り語り

          『ベジットを引き当てたおじさん』

           先日、『ドラゴンボール』の作者である鳥山明さんが亡くなった。私はタイムリーでドラゴンボールを見ていた世代ではないが、少年の頃にかなり影響を受けている。  まず、ドラゴンボールのアニメを見ていた。あれはたしか、毎週火曜日の夜十時ごろTOKYO MXで放映されていたと思う。それから実家にドラゴンボールの漫画があって読んだ記憶もある。後はドラゴンボールのRPGゲームをやり込み、そこで様々なキャラクターを覚えた。  ただ、私がドラゴンボールに関して一番覚えているのは、データカー

          『ベジットを引き当てたおじさん』

          『結婚ばかりしていた指人形たち』

           私の過去の記憶を漁ってみると、必ず出てくるものがある。それは指人形で遊んだことだ。  指人形というのは本来指に入れて遊ぶものらしいが、私の場合は違った。指人形同士を本の上(ポケモン図鑑など)で戦わせたり、あるいは会話などをさせて遊んでいた。  指人形たちには、一人一人に年齢や職業、好きな食べ物などの設定があった。そしてほとんどすべての指人形は男という設定だったが、数人だけ女という設定の指人形がいて、男どもはしばしば女を求めて争った。今から思えばなんとも古風でグロテスクな

          『結婚ばかりしていた指人形たち』

          愛、苦しい(詩)

          どうだっていいよ  難易度なんて関係ない 僕と君 たった二人 いつだって二人きり それなのに 愛せない そもそも愛がわからない 君は欲しているんでしょう? ごめんね それはわかるけど 愛、苦しい 僕、虚しい 君、悲しい 愛、苦しい どうなってるんだよ ベッドはギシッと鳴く 君と僕 いつも二人 今日だって二人きり それだから ダメなのか? 一度は離れた方がいいの? 君は僕の手を離してくれない 嬉しい でも、でも…… 何が愛なんだろうかって 哲学者みたいなことを言う だ

          愛、苦しい(詩)