どうかこれだけは、やめて!

みなさんこんにちは。最近めっきり寒くなりましたね。冬は寒いから苦手ですが、クリスマスや、お正月などイベントが多い季節です。そんなときに着物で過ごすことができたら、また印象がかわってくることでしょう。今年は、着物でクリスマス、なんて方もいらっしゃるかもしれません。そんな方が増えてくれたら嬉しいです。
さて、今回のお着物話は、「ほしい着物があるのに売ってもらえなかった。」というお話。洋服では絶対ありえない話かもしれませんが、着物だと、結構このお話はあるのです!
事の始めは、ある呉服屋に、色無地を買いに行ったときのお話。まず、確実にあるかどうか知りたかったため、店に電話を入れて、色無地がほしいと言ったところ、店員さんがこう聞くのです。
「お客様の年齢を教えてください。」
こう言う質問の仕方だったらいい。
なかには、何歳ですかと突っ込んできく店もあります。次に、聞かれるのは必ずこれです。
「結婚されていますか?」
こう言われると、仕方ないから、30代で未婚者であると答えます。そうなると、絶対色無地は手に入りません。これによって、振袖に強引にもっていかれて、それをかわされる羽目になるからです。いつもこの一言を言われるたびに、ああだめだという、絶望感に陥ります。そうですね、確かに売りたいのはわかるけどもっと客の話を聞いてほしいよね。もちろん着物のことは確かに詳しくないですけど、欲しいものはこちらでちゃんとあるわけですから、それを守ってほしいものです。色無地は、若い人にはあわないから、振袖のほうがよいという主張も、わからないわけじゃないですけどね。それは、やめて欲しいです。
同じことは、江戸小紋などの購入でもありました。色無地とか江戸小紋は、お年寄り向きと定義されてしまうのかな。若い人は振袖がよい、という主張しかしない店が意外に多いなと、最近思います。
とあるリサイクル着物屋で従業員募集の貼り紙がありました。そういうところで働くと、着物の知識は教えてもらえるのでしょうか?単に、売上だけではなく、着物を売ることに、責任感を持ってもらえたらなあと思います。
そういうわけで、色無地や江戸小紋の、三役などは欲しくても買えない状態が続いていたのですが、青葉台のきらくやさんは、比較的よく話を聞いてくださいました。そして、私がお琴教室にいて、その着物として色無地や江戸小紋が必要ということもわかってくださいました。やっぱりよい着物屋は、話を聞いてくださるというのが一つの目安になります。通販などでも買えますが、通販ですと、正絹か化繊かはっきりしなかったり、地紋が何なのかはっきりしないこともあるので、あまり好きな買い方ではありません。店に行くのが1番だなあと感じております。
そういうわけで、きらくやさんの社長さんは、お琴教室という仕事で着用することを理解してくださり、色無地を快く承諾してくれました。なんかやっと手に入った!という感じですごく嬉しかった記憶があります。現在でも、我が家の色無地第一号は、宝物のような存在で大切にしています。
確かに、現在は着物が必要ないと、言われている時代かもしれません。そして、売れるためにはどうしても振袖を売りたい気持ちも理解できます。だけど、こう言うふうに、色無地を仕事着にする人間もいるんだよ!ということをまずは、理解していただきたいと思います。そして、年齢や既婚未婚など聞いて、誘導尋問するのはやめていただきたいものです。
着物は、完璧になくなってしまったわけではないですし、振袖だけがすべてではありません。まだ、こう言う人間もいるわけですから、それを大事にして欲しいものです。

まだ思い出にのこっています。色無地第一号。
大事にしたい、宝物ですね。
きらくやさんで、やっと、うって貰えたときの、勝利は忘れられません。
着物を買うのはなかなかむずかしいですが、欲しいものは、ずっと思い続けることが大事なんですね。



拝読有難うございます。何かの参考にしてくだされば嬉しくもいます。