23日目 口鼻の空気開通とファッションチェンジ

朝食後の身体拭き最中の事。救急の先生方による回診があった。声を出すことができる構造の気切チューブに変えることを検討してくれている。いつもお世話になっている女医さんが、チューブについている「カフ」の空気を抜いた。カフの空気圧を調整する部分(その名もカフエアチューブ)は、お弁当についている魚型の醤油入れに似ていた。この魚くんには空気が入っていたが、空気を抜くとぷっくりしていた魚くんはみるみるぺちゃんこになった。見た目は些細な変化だが、呼吸の感覚が大きく変わった。

のどの中で膨らんでいた風船「カフ」がしぼむと、のどを通る空気の量が変わる。呼吸の変化にむせる。おおいにむせる。ゆっくり呼吸を、と落ち着こうにも、なかなかむせこみが止まらない。あまりにむせるので身体拭きも中断せざるを得なかった。

言語聴覚療法士(ST)さんが、痰の吸引とむせこみで苦しむ私にアドバイスをくれた。「ますこさんなら、自力で痰だせるんじゃないかな」排出しようとする力はある。気管切開のチューブはとても清潔しないといけないデリケートな部分だから注意しないといけないけれど、確かにできそうだった。痰を出して、ティッシュでキャッチする。この方法のおかげで痰の吸引は少し減った。

むせこみも落ち着き、冷静に変化を確かめることができるようになった。カフの空気を抜いてから、口と鼻に空気が開通した。匂いがわかるようになった。口ではぁーっと息を吐き出すことも少しできる。そして、こそこそ話が可能になった。

トイレに行く機会に、オムツを卒業した。普通のパンツを穿けるようになった。見た目スッキリ、蒸れない、暑くない。さらに、ステテコもデビュー。ゆかた病衣からステテコへの変化で、気分が明るくなる。ユニクロありがとう。

今日のリハビリ。

言語聴覚療法⇒食事ができるかどうか。おいしくいただだくことができました!

理学療法⇒骨盤骨折+創外固定のため、立てない状況が続いている。脚は怪我なく問題ないので、足の筋トレをする。足の裏にチューブをひっかけて足首パタパタ運動。足を拳いっこ分上げて下げてをくり返す足上げ。ベッド上で脚を開いて閉じてを繰り返して横のお尻の筋肉をつける運動。腹筋より、おなかに力を入れてインナーマッスルを鍛えるべしとアドバイスいただく。

作業療法⇒5日前、左橈骨骨折部分を金属プレートで骨を固定した。親指を右手で補助して、少しずつ動かせるようにする。指をそろえてピンとのばせるようにする。関節がかたい。ほぐしていくとだんだん可動域がひろがる。

いま私にできることは、リハビリ。とにかくリハビリ。できることが増えると嬉しい。よくなるしか、道はないのだから。




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