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歩き遍路の話39 変な宿

前回の記事からだいぶ間が空いてしまいました。
11月22日の午前中の出来事まで書いたので、今日はその後のことを書こうと思います。
一日の出来事を2つの記事に分けたからといって、特段何か大きなことが起きたわけではないです。


11月22日


この頃はあまり休憩も必要ない体になっていたので、多分あまり休憩せずに歩いていた。むしろ座ったり立ったりの通常の動きが痛い。それはそれで体に支障をきたしているのだと思うが。

そんな中で見つけた、徳島県海南町にある遍路小屋。

遍路小屋とは、四国の遍路ルートの所々に各地の人たちのボランティアで作られた、様々なデザインの木製の休憩東屋である。場所によってデザインが全く違うのがおもしろい。

けれど切ないのは、ルートから少し離れてちょっと戻るような位置にあったり、わざわざ階段を登らないと休憩できない作りになっていたりと、残念なことも多い。普段の生活ならそのくらい(少し道を外れたり戻ったり、少し階段を登るくらい)何でもないのだが、とかく歩き遍路中は余裕がなくなって、「もう一歩も歩きたくない」という状態になる。疲れすぎて、余裕がなさすぎて、できるだけ最短距離で目的地まで行きたいのだ。本当に「一歩も」無駄な歩みをしたくない。

そんなお遍路さんのための休憩所なのに、なぜかこのように不便な作りになっていることが多いのだ。そういう休憩所の場合は、私はよほど余裕があるときを除いて、わざわざ利用しなかった。

疲れているときこそ休みたいのに、ただでは休ませてくれない。恨んではないけど、もったいないなと思った。せっかく建ててくれるなら、もっとお遍路さんにやさしい設定にしてほしい。

いや、それとも「もっと余裕をもて」とかのメッセージなのか?

で、ここの海南町の遍路小屋は、どうやら四国内にたくさんある遍路小屋の第一号らしい。国道沿いにあって、たしかに以前から、普段車でよく通るので見かけていた。でもそのときには気にも留めていなかった。

入ってみると、奥にめちゃくちゃ広い!写真で見て分かるように、もちろん段差とか階段もない。奥に広くて仕切りもいくつかあって、部屋が分かれているような感じで、外からもある程度目隠しされているので、とても気が休まる。ベンチもたくさんある。たしか奥にはトイレもあったような?覚えてないけど。とにかく、快適すぎて感動した!

このとき午前9時半か10時くらいだったのだけど、快適すぎて、となりのほか弁を買ってここで昼食をとりたいと強く思った。まだ全然お腹も空いてないからそうはしなかったけれど、快適だったので少しゆっくりめに休憩した。

遍路小屋第一号

さて、この後のことは、宿まで全く覚えていないので飛ばします。

この日の宿は、私の遍路最終日の宿なので、奮発して2食付きにしていた。といってもどんな宿か全く知らない、遍路中の何かの広告で見た宿だ。2食付きでも少し安かった。

宿は、高知県に入ってすぐの、東洋町生見。サーフィンで有名な小さな町。小さい町だが、お遍路さんとサーフィン客を相手にするため、宿はいくつかある。そのうちのひとつの古い宿だった。


高知県に入った!

もうこの辺りは完全に馴染みのある景色で、普段車でよく通る国道のすぐそばにある宿へチェックイン。

入り口は少し狭かった。入ってみると、土間にテーブルがいくつかあり、数人が食事できる程度のスペース。まずはそこに座って、チェックインの手続きをした。宿の人は優しそうだ。

けれど周りをよく見ると、靴を脱いで部屋へ上がる階段の下には、宿主の大量の靴が重なって無造作に置かれている。客を迎え入れる宿らしくない。まぁ、片付けが苦手な人なんだろうな、と思ったくらい。(私も片付け苦手だからよくわかる)

チェックインの手続きをしている間に、女将、というかおばちゃんと呼ぶことにする。おばちゃんが、お茶と何かを持ってきてくれた。何だったか思い出せないが、お茶に合わない食べ物だったので少しぎょっとしたのを覚えている。

ぎょっとして驚いたのに覚えていないとは何事か、と読んでいるみなさんに怒られるかもしれないが、これまでも書いている通り、とにかく私は忘れっぽいし過去の出来事など覚えていないことが多いのです。ので、ご了承ください。

とにかくお茶とその食べ物の取り合わせにぎょっとして、放置された大量の靴のこともあり、その時点でちょっと「この宿大丈夫か、、、?」と思った。お茶とその食べ物、合わないな~と思いながら食べた。ような気がする。

って書いたけど、実は当時のインスタのスクショを残していて、いつもは面倒だからわざわざ見ないのだけど、あまりにも記憶が曖昧だからわざわざいっぱり出して見てみた。

抹茶とチョコレートだった。あれ?別に取り合わせ変じゃないじゃん。記憶違いってこわい。あーでも何か思ったのは確かなんだよな。なんだっけ。抹茶は好きなんです。そうだ、たしか、「今じゃない」と思ったんだ。宿に着いてすぐ、疲れているから喉を潤したいのに、抹茶が出てきて、「違う!今じゃない!」と思ったんだ。

インスタのスクショ画面には、こう書いていた。ちなみに当時のルーティンとしては、宿に着いて、お風呂に入って、夕食を食べて、翌日のルートを確認して、翌日の宿を予約して、そこまですべて終えてから毎日インスタを書いていた。

「宿に着いたら、抹茶が出てきた。嬉しい。しかし、部屋にはお茶がなかった。そして、めっちゃ汚い宿だった。いいんだけど。片付けられないか捨てられない人なのか、入り口の靴の山積みと、キッチンの奥がものすごかった。風呂もトイレも汚かった。いいんだけどね。あの、だいぶ前に、愛媛に入ったとこもすごかったし。まぁそれはいいとして、ごはんも驚いた。買ってきた総菜みたいな感じだった。量はめちゃくちゃ多かったけど。安い素泊まりのとこに泊まるか安い二食付きのところに泊まるか(笑)悩んで、最後の夜だから二食付きにするか!と思ったのだけどね、、、残念。まぁ、人は良かったからいいや。他のとこよりちょっと安いし。おもろいし。」

と書いていた。まぁどんな経験もネタになるということで、おもろいなと思ってた。でももうあの宿には泊まろうと思わんな。笑

で、その日の夜、なぜか寝心地が悪くて、いろんな夢を見た。

生まれて初めて、金縛りのようなものにあった。妹が前から「金縛り怖い!」と言っていて、金縛りってどんなもんなんだろう?と思っていたのだけど、いや果たしてあれが俗にいう金縛りだったのかどうかは分からないけれど、なかなかよい体験だった。

ちょっと気持ちよかった、と書いている。ゆっくり動くと動けた、って。金縛りになる直前、ホラーだけどとても幸せな夢を見てた。霊感は皆無です。

そんな感じの、遍路最後の宿。変な宿、変な夜でした。

明日は最終日!もう室戸市の実家に帰るだけ!

次回も読んでくださいね^^
今回も読んでくれてありがとうございました。


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