見出し画像

質問 1 - Fusion、Bebop、UK Jazz Dance。それぞれの違いはなんですか?英語圏ではどう区別されていますか?

UK JAZZ DANCEの日本名はビバップ。

今回、名古屋のビバップダンサー Kazumaくんのビバップクラスの生徒さん達から、熱い質問をいただきました。

ちょっと複雑なダンス。ビバップ。
じっくり解説させてもらいたいと思います。

その前に少し自己紹介を〜 
失礼します- 初めまして!   Masumiと申します。日本で出会ったビバップ( UK JAZZ DANCE )にハマり今年で14年目。2015年2年間ロンドンに滞在後、日英行き来していました。現在、このダンスを深めたく、ロンドンに引っ越して2年目になります。

ビバップ人口は、他のダンスと比べると少ないですが、だからこそ繋がる喜びもひとしお!それは日本でもイギリスでもそうで、様々なダンスのバックグラウンドがある、ちょっとマニアックな人が集まるダンスカルチャー。日本名がビバップ。イギリスや他の国では、UK JAZZ DANCEと呼ばれています。 

ご一緒にジャズをダンスを音楽を楽しめたら 
幸いです。どうぞよろしくお願いします!
 

それでははじめます。


質問 1 

Fusion、Bebop、UK Jazz Dance。それぞれの違いはなんですか?英語圏ではどう区別されてますか?


はじめたばかりで、この質問!(興奮)
ありがとうございます!
一つづつ説明していきますね。

 

UK JAZZ DANCE とは


すごく簡単にまとめると、1970年代後半に
イギリスのディスコ、クラブで生まれた
ジャズで踊るストリートダンス。


BEBOPとは FUSIONとは

UK JAZZ DANCEのスタイルの名前です。

FUSIONの有名なチームはIDJ
BEBOPを創ったチームはBrothers In Jazz
これはビバップをはじめる方はぜひ覚えておきましょう!生きる伝説、私たちの大先輩になります。オリジネーター。レジェンド。
 
UK JAZZ DANCE のスタイルを 
実際に見てみましょう◎ 

FUSION と BEBOP の代表的なチームの動画です。 
 
まずはFUSION。
FusionのスタイルをNext Levelに押し上げたIDJ
IDJは  I DANCE JAZZ の略。

 
そしてBEBOP。
そのFUSION 主流の現場に、
新しいスタイルBEBOPを創ったBROTHERS IN JAZZ。

↑関西のビバップダンサーSeijiさんのYoutubeおすすめです♪


さて、ふたつのスタイルのチームのダンスをご覧いただきました。いかがでしたでしょうか?はじめたばかりの方でよく聞く感想。 

なんだかどちらもスーツを着ていて、昔の動画で、二つのスタイルの違いが、一回見ただけでは正直いまいち分からない..

大丈夫です!これからです!

ステップを習っていく中で、クラブへ遊びに行ったりイベント経験、情報量が増えてくると、違いが見えてきます。少しづつ様々な日本のビバップダンサーやイギリスのUK jazz dancerを知って、そのダンサーの背景を知っていくと解像度が上がって、魅力的な違いがみえてきます。そんなプロセスも、焦らず、楽しんでくださいね。



経験者や、さらに掘り下げたい方へ


IDJ, BROTHERS IN JAZZ 他にもチームは存在していたこと掘り下げたい方は、ぜひこちらを読んでみてください。かなりマニアック向け。
DJ、音楽の深い歴史を感じれます。
当時のダンサーのインタビューも。
きっと、動画を観てから読むと感情移入できるかと思います。

著者、SNOWBOYさんは、歴史家であり、DJであり、パーカッショニストである、Acid Jazz の代表的アーティストのひとり。

 
Snowboyさん来日した時の映像。 
Staxgrooveをはじめ、BOPFIVE, Broken Sport 日本のビバップシーンを、セッションやバトルで高めてきた先輩達がタワレコで踊られています。2009年だそう! 
Broken Sport  MiyaさんのYouTubeより♪


UK JAZZ DANCE の始まる前の時代から、UK JAZZ DANCE ブームが過ぎ去った時代 までの、素晴らしいリサーチです。

日本語版!



続いてこちら。 
FUSIONの歴史がダンサーの視点から、熱く語られているWEBSITE。THE BOTTOM END。

英語の得意な方はそのまま、苦手な方は、ぜひ翻訳サイトを駆使して、ご覧ください。最近は、WEBSITEごと翻訳できます。(Google Translate) もしくはコピペして、DeepLの翻訳サイト、自然な翻訳をしてくれておすすめです。

著者は、IDJ の カリスマダンサー Gary Nurse の双子の兄弟。ダンサーでありDJであった Seymour Nurse です。リアルな選曲や、音楽愛が感じられる貴重な情報源です。SNOWBOYさんの著書にも、登場します。兄弟インタビューがファンにとっては胸熱です。



UK JAZZ DANCE, BEBOP, FUSION 英語圏の人はどのようにそれを区別しているか。


質問の英語圏の人。というのは、イギリスとアメリカのことかな?と考えて、まずはイギリスのお話をしようと思います。

ロンドンでUK JAZZ DANCEを踊り続けてきた方OG達は、 UK JAZZ DANCEのことを JAZZ と呼んでいる方が多い感触です。クラブに行くと、たまに当時踊っていた世代の方から、"ジャズ" 踊ってる子と紹介していただいたりします。

UK JAZZ DANCEは、UK(イギリス)でクラブで生まれたジャズダンス。US(アメリカ)のJAZZ DANCEと、呼び方の違いをつけたかったんだと思います。稀にOLD SHOOL JAZZ DANCEとも認識されていたりもします。この名前でwikipedia英語で調べてみてください。イギリスの黒人のダンサーの背景、リアルな歴史が記載されています◎


 
そのUK JAZZ DANCEの中でもFUSIONとBEBOPのスタイルがあり、*実はまだ他のスタイルもありますが、そこはまた今度。FUSIONとBEBOPを踊る人たちは、明確に区別しています。

 

FUSIONとBEBOPの違いをラーメンに例えてみる

 

意外と経験者でも知らない、FUSIONとBEBOPってどちらが先に生まれたか。( 私がそうでした〜! ) 
分かりやすく例えれないかな?と、日本人ならほぼ知っている?ラーメン。ラーメンの歴史になぞらえて… 

ラーメンで言うと、同じラーメン(UK JAZZ DANCE )というジャンルでも醤油( FUSION )や豚骨( BEBOP )がある。スープが違うとこんなにも違うのか!まるで別の食べ物みたい。しかしラーメン文化(UK JAZZ DANCE )のない国の人で、昔の私のように初心者からすると、醤油ラーメンも豚骨ラーメンも見ただけでは、ラーメンとしか認知できない。うっすら理解、スープが違うのかー。みたいなですね。でも、もうスープの違いに興味を持ってしまった時点で、私もあなたも美味しい様々なラーメンを食べたくなるはずです。

そう、それぞれを開発した人たち(オリジネーター)は、同じらーめんでもスープ(ダンススタイル)の原材料や方向性がすごく違うことを大事にしていらっしゃる。原材料はものすごく違うんですよ。FUSIONとBEBOP。本当に醤油と豚骨くらい違うのです。

らーめんのルーツは、中華風の汁そば。そこから醤油らーめんが主流になった時、豚骨らーめんが九州で開発される。今ではどちらも食べられているじゃないですか?(謎にラーメンの歴史を調べてしまったここ3日..)

そんな感じで、UK JAZZ DANCEも、強いルーツを持ちながら種類が分かれていき、現在いろんなスタイルが楽しまれています。

UK JAZZ DANCE のルーツは、Discoで踊る人たち。
Disco ( Funk, Soul ) だったダンスやDJ の選曲は、Jazzの要素が強くなってくる。 

音楽のジャンルJazz Fusionが人気が出てきた70年代。
その音楽がDiscoでかかり、インスパイアされダンスもJAZZ とかFUSIONとか呼ばれるようになった。

それが全国に広まると、どんどん洗練されてきてTop Star達(IDJ )が出てくる。そしてその醤油らーめん(FUSION )全盛期の頃に、違うエリア出身の人たち(BROTHERS IN JAZZ)は、豚骨らーめん(BEBOP)を開発する。そしてセッションし競い合い、どんどんスタイルが洗練されて確立される。


首都ロンドンだけではなくて、イギリス各地でダンスシーンがあり、各地でフレイバーやスタイルが違います。まるでご当地ラーメン。各々の地域でいい味を出され人気になっていくダンサーやチームも。その国中に拡がり、その国だけではなくて、別の国にも影響を与える。
そうUK JAZZ DANCEは、イギリスから世界へ。
 

果たしてこれは、分かりやすい例えなのか..  


(例えないでもいいのではないか..)  
ご友人の方ご意見お待ちしております。笑

それでも続けてみるラーメンの例え。



何故日本ではBEBOPと呼ばれているか


先にBEBOPが輸入されました。輸入したのは凄腕の方達。ビバップの【日本史】ダンスチームやDJ、これもまたすごいので、別記事で。 

ですので、日本では、UK JAZZ DANCE は、BEBOPと呼ばれ親しまれました。しかしその後FUSIONも輸入され、どちらも秘伝のスープを学びながら、交流しながら現地に赴いたり自国にオリジナルダンサーを招いたり、深く研究し世に広めました。

そう日本では UK JAZZ DANCEは、ビバップとして名前は認知されていますが、ダンスの動きとしては、BEBOPもFUSIONも丁寧にかつ混ぜながら踊られています。  

醤油豚骨ってジャンルのラーメンを思いだしました。美味しいですよね。どちらの良さも洗練されて混ざってるみたいな..

UKのオリジネーターたちも、日本人は文化を受け継いでくれて進化させてくれたと感謝。とつい最近もおしゃっていました。イギリスは現在2024年、UK JAZZ DANCEの次世代のシーンはありません。 私はUKの次世代ダンサーとオリジネーターのブリッジ活動をしていきたいです。そしてこの大好きなダンスカルチャーのアーカイブ。 

イギリスも日本もすんごい。上の世代の方の深みも、若い世代のポテンシャルもすんごい!日本をでたから気づいたことかもしれません。


日本のビバップをはじめた方へ 


是非、まずは日本のビバップシーンを楽しんでほしいです。現場にしかないJazzでClubで踊りあうGood Vibesが、音楽があります。全国に友達ができたり、ダンスのモチベーションがぐーんとあがります◎

Boppin JiveやJazz StanceなどのイベントやJazzy Sport Shimokitazawa スタジオやレコ屋に遊びに行ってみてください。音楽とダンスのセッションがたまらなく素敵な現場や人達がいます。
 
 
もうずぶずぶにハマってきたなと自覚のある方は、イギリスのUK JAZZ DANCEシーンにも是非っ。歴史とピュアピュアな音楽愛やダンス愛溢れるクラブシーン、ダンス、音楽。日本人の友達をお連れしたら、感動して泣いてしまう人も。人間の情熱や、ただ好きという本能のまま自由に踊る人達。純粋なダンスフロアでアッツアツです!
 


なぜイギリスでUK JAZZ DANCEと呼ばれるようになったのか。

 

様々なアメリカ発祥のJAZZのダンス
(シアタージャズ、スウィングダンスなど)があるので、JAZZと言ってもどれのことか、わかりづらい現在。イギリスのクラブシーンで踊られていたこのダンスを、そのシーン以外でJAZZ DANCEと呼ぶと混乱を招くので、違う呼び名が必要。ということでイギリスでUK JAZZ DANCEと呼ぶようになったのではと思っています。
 

UK JAZZ DANCE の二つのスタイルが同時に見れる動画。


BEBOP VS  FUSION    の歴史的試合。 
Brothers In Jazz VS Back Street Kids
イギリスの国営放送BBCにてこんなふうに番組ができるなんて、すごいですよね。日本でいうNHKみたいな放送局が思いっきりクラブカルチャーのダンスをエンタメにして番組を作るみたいな感じです。

Back Street Kidsは、FUSION の代表的チームIDJより、Gary Nurse と Marshall Smith プラス女性のダンサーLynne Page がこのために組んだチーム。ストリートダンス感がかっこいい!グルーヴとエナジーがすごい。ロンドンっ子は、FUSIONのスタイル。DiscoのGrooveをJazzで引き継いだ、黒人の良さが詰まったダンス。

Brothers in Jazzは、BEBOPを創ったチーム。 
彼らは元々ロンドンっ子ではなく、イギリス北部出身で北部(リーズとボルトン)のDiscoやコミュニティセンターやノーザンソウルのダンスフロアで踊っていたそう。その要素を、ロンドンに来てバレエ学校で学びながら、マンボクラブにも通いながら、ジャズクラブで、融合させたそう。自分たちのスタイルを創る。すごいですよね。なんて美しく激しいターン!深いシルエット!

司会はIDJ リーダーJerry Barry。 


UK JAZZ DANCEは、各々がクラブでかっこよく踊るために、時に、独自に生み出し、時に別ジャンルの要素を混ぜて、自分流の踊り方にしていく。そんなダンスです。他のJazz Danceと比べて、クラブで生まれているからか、バトルマインドがあり、即興性が強いダンスといえます。(他のJazz Danceとの関係もとっても魅力的でして、成り立ちにも関係してくるのでそこは別記事にて)

 


UK JAZZ DANCE, BEBOP, FUSIONの区別まとめ


質問者様、いかがでしたでしょうか?

FUSIONのルーツと、BEBOPのルーツ。
それを踊るダンサーが通ってきたダンスのジャンルが違うので、ダンスのGrooveやStepの質感が違います。   

ここらへんは、文章だと難しいから考え中です。動画を解説つきで編集してみようかな、どんな方法で皆さんは知りたいですか?質感の違いのヒントになる、初期の話しや、誕生秘話、とっても素敵なので、別記事を書きますね。


UK JAZZ DANCEってジャンルがあるよーっ
世界には様々なジャズダンスがあって
イギリスで生まれたUK JAZZ DANCEはスタイルが二つFUSION とBEBOPがあって様々なダンスの要素が絡み合った面白いダンスですよ。ってお話しでした。

はじめたばかりに、なかなかの情報量ですので…. 
気になるところだけ、心にフックをかけていただき、
引き続きジャズで踊ることを楽しんでください。 
遊んでみてください。

あっ、お友達、一緒に学んだり踊ったりこれからも楽しんでいきましょう!先輩、先生がた、訂正箇所などありましたら是非教えてください〜 

 

最後に。 

スピーチの、最後に。とか、レッスンのラスト2回!とか。いつも長いんですよね。すみません。  

最後に!
 

UK JAZZ DANCE カルチャーってなんだろう?


この情報化社会、観れば聞けば読めば習えばわかった気持ちになれる時代。私はわかったつもりでいました。
私のビバップへの興味は、ダンスから入るのですが、日英の先輩がたは、もう少し大きな枠で捉えてると同時に、もう少し自分のまわりのコミュニティや無数の関係性として捉えてる。と感じます。カルチャーとして感じている気がします。 

カルチャーとか文化って、ただ言葉になると、何故か私はよそよそしいかんじがしますが、意味を知るとすごく好きな言葉になりました。

カルチャーの語源は「耕す」を意味するラテン語の「colere」に由来し、「心を耕す」という意味で、「文化」などを意味する単語になったそうです。
 
今私達が気になっているダンスやそのダンスのコミュニティ、シーン、ルーツ、つまりカルチャーって。みんなが心を耕すために、たまたま、だけれど必然に集まれた現象なのかな?と思うんです。

UK JAZZ DANCEのクラブで、ダンスフロアで輝く無名の最強に輝くダンサーたちを、JAZZ DJの、音楽をかける1時間の中での変化、見えないけれど確実に感じるダンサーの空気( vibesやgrooveやenergy) が音と変わる瞬間、自分流のグルーヴや技や魅せ方を持っている人々、身体の奥から音楽を感じているダンス、技術よりもgrooveがないほうが怒られたり、音楽を感じてないと見破ってくれる先生もいれば、ステップ教えてくれる時に一歩の3センチ踏む場所が違うとやり直しになるプロな先生がいたり、クラブで形もないダンスを踊りかけてくる妙に雰囲気がいけてる先輩がいたり、ジャズの難しいピアノソロを、まるでカラオケのように口ずさみながらも踊る人、サウンドシステムをものすごく重いのに持参し、みなでPUBに運んでイベントをする人、ダンスのプロとしてのスピリットが垣間見える瞬間、経験談、音楽とコミュニティをただただ純粋に好きなクラブダンサー、レジェンドダンサーの鮮明な、日本人ダンサー達との思い出話しも。あなたがビバップに関わっていること、一つ一つの出会いや、おどりあえること。

人間っぽいことばかりで、

心が耕されている。


カルチャーは、何かしらの情熱に、本能に、触れ刺激や共感を受けた"人" の集まり。 

それぞれの、多数の、"1人" の話しでもある。だからカルチャーを、まとめサイトっぽくお伝えしたくなくて、情報プラス、人間っぽさとかの、UKJAZZDANCERやDJの話してくださった個人的経験とか、恐縮ながら自分個人としての感想も、疑問を持ってくれた方の疑問と考察、カルチャーに関わるそれぞれの人達の背景、繋がり、レジェンドの美学やスピリット、感情みたいなものも含めてお伝えしてみたいと思っています。 

だってこのダンスカルチャーは、心が動くだけでなくて耕されるのだから。

 

  

って、想いが強いと、読みづらかったりされるかと思います、、

ここまで読んでいただき、 
ほんとうにありがとうございました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?