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5年ぶりの一人旅〜香港旅(序)〜

2024年4月14日の日曜日の営業を終了してから自宅に戻ると、妻のhanaがイソイソと晩御飯の準備をしてくれていた。時刻はちょうど19時を指している。

「ご飯もうすぐ用意出来るから、もう一回忘れ物ないかチェックしなさーい!」

キッチンからhanaの大きな声が鳴り響く。

自宅の最寄の駅から羽田国際空港への高速バスが出発する時刻まで、あと1時間と少し。僕は、日付の変わった月曜日の深夜2時30分のフライトで、約5年ぶりとなる一人旅に出るのだ。

目的地は「香港」。

2019年の12月にタイのバンゴクへ訪れた旅以来の一人旅とあって、僕は少し落ち着きのないざわついた気持ちの中でほんの少し浮き足だっていた。そんなこともあって仕事モードから旅モードへと自分を切り替えるために、晩御飯の前にシャワーを浴びることにした。

シャワーから出ると晩御飯の準備ができていて、僕のバックパックもすぐでかけられるようにhanaが準備をしてくれていた。出来る妻である。

「パスポートとお財布とスマホとか、最低限ないと困るものだけチェックするんだよ!」と、いつもは結構のんびりした性格のhanaが再チェックを促してくる。僕はといえば、再チェックを促されれば促されるほど、なんだか余計な心配が頭をもたげてくる。妻の心配はありがたいことだけれど。

今回は、2泊3日(4日)の短期弾丸旅なので、荷物はバックパック一つ。

晩御飯を済ませて、自宅最寄り駅に向かう。
駅に到着して5分ほど経ってから、定刻通りに高速バスが入ってきた。

「ターミナルは?」「3です。」「荷物預け入れますか?」「大丈夫です。」

そんな簡単な会話をして、乗り口でICカードをタッチしてから車内に乗り込む。最寄駅から羽田国際空港まで片道1,800円。電車を乗り継いで空港まで行っても時間はそれほど変わらないし費用はそちらの方が安いのだけれど、今回は仕事のあとのすぐに出発ということで体力を回復、温存させるためにも「乗っていれば着く」という気楽さと手軽さを取った。

高速バスは空いていた。ちらほらと乗客が乗っているだけで、ガラガラの車内だった。たしか1月にベトナムを訪れたときも同じルートで同じバスを利用したのだけれど、そのときもガラガラだった。この高速バスはとても便利なので、今後廃車線にならないことだけはつとに祈る。

日曜日ということもあってか、高速道路も空いているようでバスも好調に飛ばしていた。到着予定時刻の30分前には空港に着いてしまった。

空港に無事到着したことをhanaにLINEをすると「よかった!私は明日からまた会社なので、もう寝ます!」と即座に返信が返ってきた。僕が一人旅にいきたいと言ったとき、hanaは嫌な顔一つしなかった。むしろ、僕自身は行こうかやめとくかを迷っていたのだけれど、hanaは「行ってこーい!」と背中を押してくれた。僕が何かをやりたいと言った時に、絶対に反対をすることがないhanaには本当に感謝しかない。古くからの友人からは、僕の人生そのものが猛スピードで変化していることについて驚かれることが多いのだけれど、その大きな要因はhanaと結婚したことだと思う。hanaがいなければ、僕の人生はここまで猛スピードで好転することはなかったし、今も変化し続けているのはやはりhanaの存在が大きいと思う。

THE MIDFLOW coffee roastというお店を開業する時も、hanaが「どうにかなるさ!」とどんどん僕の背中を押してくれた。お店を開業したあとも、お店自体が順調に成長できているのは、僕のすべての状態をhanaがケアをし引き上げてくれているからに他ならない。そんな妻についてのあれこれを羽田空港でチェックインカウンターが開くまでの間、考えるともなく考えていた。

思いの外、高速バスが早く着いてしまったので、空港での待ち時間が長くなってしまったが、羽田空港の国際線ロビーというのは独特の雰囲気があって館内を散歩しているだけでも心踊る。時間は深夜だというのに、あたりはとても賑やかだった。いろんな国からやってくる人、いろんな国へやっていく人、さまざまな人たちの表情を眺めているだけでもなかなか興味深く楽しいものだ。

チェックインが可能な時間になりチェックインカウンターに向かう。今回、利用する航空会社は「香港エクスプレス」。香港に行くのも初めてだし、この航空を使うのも初めてで少しばかり緊張してしまっていた。カウンターに着くと早くも長蛇の列が出来ていた。並んでいる多くの人は、香港人かもしくは中国本土の人たちだったけれど、ちらほら日本人も並んでいるようだった。こういうときなぜか僕は日本人に近づきたくなくなってしまう。なんとなく、旅の抒情のようなものが薄れてしまうような気がしてしまうからだ。だって「香港ディズニーランド」には興味はないもの。

列に並んでいると香港エクスプレスの香港(もしかしたら中国の方かもしれない)の女性のグランドスタッフの方が、テキパキと持ち込み荷物に重量のチェック済みの「ラベル」を貼り付けていく。香港、中国本土の人には「中国語」、日本人には「日本語」、それ以外の人には「英語」ときっちりと使い分けて対応している。おそらくは顔つきと手に持つパスポートで何人かを判断しているのだろう。ベテランスタッフであろうその女性は、どの言語もとても流暢で、その対応にも無駄がなく、僕の目にはとてもかっこよく映った。

聞きたいことがあって別のGSに「Excuse me.」と声をかけると(その人は僕の前の対応時に英語だったので僕も英語にした)僕の手に持ったパスポートを確認してから「ご利用ありがとうございます。何かお困りですか?」と日本語で対応してくださった。

いざ、チェックインという段階でも、カウンターの男性スタッフもとても対応がよかった。「お客様は預け入れ荷物はなしでございますね。もしお帰りの際に、お土産を購入されましたらプラス1つまでは持ち込み可能ですのでご利用ください。気をつけて行ってらっしゃいませ。」と笑顔で送り出してくださった。久しぶりの一人旅ということで、少しナーヴァスになった気持ちも少し和らがせてもらえることができた。

なぜ、ここまで香港エクスプレスのスタッフの方の対応に言及するかと言えば、いくつかのサイトであまり良くないレビューが散見されたからだ。もちろん、そのレビューにも一理あるのかもしれないし、書いた人にも理由はあるのかもしれない。けれど、これは僕自身も自省の念を込めて書くのだけれど、レビューはごく一部の人の感想文であってそれが正確な客観的な評価ではないし、ましてや総体評価とはなりえない。正直に書いて、僕も乱雑なサービスの航空会社だったらどうしよう?と考えてしまったところがあるので、それについて反省したいと思う。レビューを書くという新しい文化には個人的に色々と思うところはあるのだけれど、サービスを提供する側だって決して手を抜いているわけではないのだから、ちょっとした粗相をこれみよがしに公開の場で書き記す必要もないだろうと感じている。そもそも他人の仕事について評価を云々抜かすなんて、何様のつもりだろうと感じるところが大きい。「どこから目線やねん」となぜか関西弁になってしまうほど、憤っている。一部の人のレビューくらいのことで、行動範囲というか選択肢の幅が少なくなってしまうのはもったいない。だから、それを参考にするのは致し方がないとしても、それを鵜呑みにするのは好ましくないということを個人的に再確認した出来事だった。

僕は、今回、香港エクスプレスをとても気持ちよく(行きも帰りも)利用させてもらったし、また香港に行く時は同じく香港エクスプレスを使わせて欲しいと思っている。さて、旅自体とはちょっと話がズレてしまったけれど無事にチェックインを済ませて、制限エリア内にスムーズに向かう。

大混雑!深夜0時過ぎ。

荷物チェックなどの出国エリアは、深夜だというのに大混雑。他国の人は、整列ベルトを自分で着脱しながら、どんどん順番を抜かしていく。多くの日本人は(僕も含めて)、それを見て呆気にとられるだけで何も言わない。極めて物静かな国民性だと我ながら思う。


ここから、飛行機に乗り込んで、香港に到着するまでのことを書きたいのだけれど、なんと!ほとんど記憶がない!仕事のあとで疲れていたということで、ゲートの前のベンチでボーディング時間まで眠りこけてしまい、飛行機に乗り込んでからも席につくなり爆睡をしてしまった。気がついたときには「Welcome to HongKong」という機内アナウンスが流れていた。

いよいよ、香港旅の始まり。

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THE MIDFLOW coffee roast 公式Instagram

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https://www.themidflow-coffee.jp/

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