ワインスキーの楽園に行ってきました。〈オーストラリア/シラーズ〉
南青山のグッドワインスポット、セラードア青山さんにうかがいました。
こちらのお店は、インポーターの「ジェロボーム」さん直営のワインショップ。
直営店だけありまして、良質な状態で管理されたワインたちが、適正価格でずらりと肩を並べています。
そのチカラが最大級に発揮されるのが、いわゆる「グランヴァン」と呼ばれる高級ワインコーナー。
お店の奥で妖しく輝くセラーのなかには、めくるめく高級ワインの世界が広がっています。
「おや… これはいわゆる…?」
「ペトリュスですね」
「ぺっ・・・・・」
ペトリュスのヴィンテージ違いがずらりと並ぶセラーをのぞき、とりあえず笑うしかない3000円の民。
しかも親切にもセラーの扉まであけていただき、熟成による液面の違いなどを教えていただきました。いやめちゃくちゃ親切だし嬉しいんだけど、なんであえてペトリュスでやるん?
思わぬタイミングでペトリュスと同じ空気を吸ってしまった3000円の民。本当は3000円の民を100人くらい集めないとそんなことできないのに。もうあたし、一生息吐かないです。
セラードア青山さんの楽しみは、グランヴァンだけではありません。
インポーターであるジェロボームさんは、一見して「見たことあるー!」という有名ワインも仕入れておられるのですが、実は飲食店向けに卸されているワインも多いとのこと。
つまり、「見たことない」けど「美味しい」ワインが、たくさん並んでるってことなんですよ楽園じゃん。
国だって、フランスだけではありません。イタリア、スペインはもちろんのこと、オーストラリアにニュージーランド、アメリカ、レバノンなど、世界各国の「見たことないけど美味しい」ワインが、勢ぞろいしていました。なにここ楽園じゃん!
わたしがうかがったのは日曜日でしたが、ワインバーがお休みだったこともあり、運よく試飲をさせていただきました。
こちらのワインは、オレゴンのシャルドネ。なんですが、聞いたことのない「ブラックシャルドネ」という醸造方法によって、造られたワインなんだそう。なんぞそれ?
なんでもこのブラックシャルドネ、「できるだけ穏やかにジュースを絞り、抽出物をすくなくクリアに」造る最近の流行りの絞り方とは真逆の製法で、できるだけ圧力をかけてぎゅうぎゅうに絞り、それらをできる限りかき回して空気に触れさせたことによってできあがる、「黒いジュース」から造られたワインなんですって。へー!
造り方としてはむしろ「古くからおこなわれてきた製法」で、新しい技法というよりは、原点回帰のイメージ。実はこの製法をもちいると酸化しにくくなるそうで、長熟のポテンシャルを持つワインに仕上がるんだってさ。不思議だなあ…!
▶ 「黒いジュース」がよくわかりますホントに黒い。
「その黒い液体が、どうやってここまでクリアに…?」
新しいワインの世界に、ワクワクと戸惑いが隠せないますたや。ソムリエはそんなわたしの前のめりな気持ちをなだめるように、静かにうなずいてくださいます。
「そのまま置いておくと成分が沈殿して、綺麗な色になっていくんです」
「え?そのまま?」
「そのまま」
「え、本当に?」
「・・・って、思うじゃないですか」
ここで、ソムリエの目がきらりと光りました。
「僕も思いました。だから、作ってみました」
「え???作った?」
首をかしげるますたやの目の前に、かざされるソムリエ私物のスマートフォン。そこに写りこむ、謎の茶色い液体。こ、これは…!
「自分で、葡萄をぐちゃぐちゃにつぶした液体です」
「まさかの自分で?!」
さらにソムリエは続けます。
「そしてこれを、数日間置いてみました」
「ええっ!?ほんとにやったんですか?!」
「すると・・・・こうなります!」
「おぉっ!・・・・お、おぉ??」
「・・・・思ったより変化、少なかったです」
「なんでぇぇい!!!!」
※ 確かに最初の茶色よりも、ちょっとクリアな雰囲気にはなってました。
実験結果には思わず突っ込まざるを得ませんでしたが、真偽を確かめるため「やってみよう」と思い立ったところが、まずすごい。そして、実際やってみるところは、もっとすごい。
なにより、こんな「気になったから、やってみた」精神をお持ちのプロフェッショナルソムリエがいらっしゃるこのお店が、どうして素敵なお店でないと言えようか。(反語による強調表現)
ワインショップの奥にはワインバーも併設しており(休:日・月・祝)、なんと持ち込み料なしで持ち込めるんですって、すごくない?!
「ちょっといいワインを数人でワリカンして飲む、とか、待ち合わせにちょっと一杯、とか、お客様のニーズに合わせて使っていただければと思います」
とのことでした、は~さすが青山おしゃれか~!
ちょっといいワインってひとりじゃ買いにくいし、買っても料理に悩むことって結構あるんじゃないですか。ペトリュスに合わせる料理なんて、絶対セブンイレブンじゃ手に入らないでしょ。
そんなとき、抜栓料のかからないワインバーなら、気安く持ち込むことができそうです。そう、セラードア青山さんならね。
ちなみに、サイトでアカウント登録すると全品10%オフとのことで、ますますお買い得感のすごいセラードアさん。楽園すぎる。
きっと次は3000円ワインの民100人集めてうかがいますので、待ってろよペトリュス!(ひとり7.5ml)
ということで、今夜の3000円ワインは、セラードア青山さんでご紹介いただいた1本です🍷
キリカヌーン キラーマンズ・ラン・シラーズ 2019 [¥3080]
<ワインdata>
国:オーストラリア 種類:赤ワイン 品種:シラーズ ヴィンテージ:2019 生産者:キリカヌーン インポーター:ジェロボーム株式会社
<バランス>
酸味★★★★☆ タンニン:★★★☆☆ 香り:★★★★☆
こちらは、オーストラリアのシラーズです。シラースキーを自称するますたやですが、そういえば最近シラーズとか飲んでなかったな~と思い、連れ帰った1本。
色調は、濃い紫!完全に美味しそう。
グラスをのぞき込むとすぐに、鮮やかな果実の香りが感じられます。とろんグラスを流れる液体は、酒質の強さを物語っています。
それではさっそく、ひとく ワ―――ッ美味―――――っっっっ!!🥰
完全にわたし好みの味が飛び込んできたために、こっから先、ずっと笑てます。
まず舌に乗って来るのは「酸味」。これが、豊かな赤っぽい果実の味わいと交わって、「酸っぱジューシー」の様相を呈しているんですよ。ますた、酸っぱジューシー、すき!(CV:ぽにょ)
いわゆる「シラーズ」からイメージするような野性味はあまり感じられず、かわりにあるのは、上品なエレガントさ。シルキーなタンニンが舌に馴染み、綺麗系の鮮やかな味わいが喉の奥へと満ちていきます。まじか~…
そしてこれ、酸っぱジューシーは酸っぱジューシーなんですが、なんだかほんのりとした甘みも感じるんですよねぇ。最初、果実味かな?って思ったんですが、どうも葡萄そのものの甘みだけではない気がするんですよ。
その正体は、たぶん・・・・・アルコールによる、ふくよかさ。
そう。こちらのワイン、エレガントジューシーにほだされてするする飲んでしまうのですが、実はアルコールはしっかりの14.5度。
こんな軽やかな口当たりなのに、ちゃんとフルボディの赤ワインだったんですよ。き、危険だ…っ!
危険を察知しながらも、やはりするする飲み進めてしまう我々。だって美味しいから仕方ない。そしてあろうことかすぐにワインがなくなってしまい、いつものように絶望するますたやだったのでした。
なんで美味しいワインすぐなくなってしまうん。(学習しない)
「素晴らしいグランヴァン」と、「見たことないけど美味しいワイン」の両楽園を見せてくださったセラードア青山さん。
また必ずあの楽園に足を踏み入れようと、心に誓った美味しい夜だったのでした🌙
それまでに、3000円ワインの民友達、100人作らねば。
それではここまでお読みいただいてありがとうございました!
記事を読んでいいね!って思ってくださった方は「❤」ボタンを押してスキ!してくださると嬉しいです🥰
また次の #ワ活 か、 #3000円ワイン でお会いしましょう。3000円台のワインをこよなく愛する3000円ワインの民、ますたやでした。今日は休肝日、全国のキュウカンバーと握手!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■ ますたやとは:
関東在住の30代、3000円ワインの民(たみ)。ワインは週に約5本(休肝日2日)。夫婦で1本を分けあって飲みます。2021年、夫婦でJ.S.A.認定ワインエキスパート取得。これからもおいしいワイン、いっぱい飲むぞ~!
▶ 詳しいプロフィールはこちら!TwitterやInstagramもフォローお気軽にどうぞ♪
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
サポートでいただいたお駄賃は、バッカスへの課金に溶かしていきます!