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じゃない方、の存在感〈ハンガリー/フルミント〉

みなさん、こんばんわ。3000円ワインの民、四足歩行のますたやです。


ハンガリーといえばトカイ、トカイといえばハンガリー。

”世界三大貴腐ワイン”のひとつに数えられるトカイ。黄金の揺れる水面に、とろりとグラスを伝う涙。その妖艶な美しさと、舌を転がる甘美な一滴。

これぞまさに神の雫です。

ハンガリー、トカイ。いいですよね。みなさん、どうですか。飲んでますか。

ますたは、飲んでません。


はい。飲んでません。すみません。イメージ映像でした。涙でかすむ。

はー、いいですね。トカイ。言いたくなる。口に出して言いたいワイン語、トカイ。眠りにつく前に、小ぶりのグラスでくいっと流し込みたい。トカイで喉を潤したい。麦茶を作り忘れて絶望しながらコンビニに走る夜、そんな夜に、そう、トカイを。

そんな風に恋焦がれたことが、我が顧客満足度No1のバッカスに伝わった、のかもしれません。

▼ 顧客満足度が天井を突き抜けている、我がバッカスの甘やかし歴についての記事はこちら

「今日はなににする? 白ワインか~・・・ あ、じゃあ、これなんてどう?」

いつものワインショップで差し出されたのが、他でもない、こちらのワインだったのでした。


ボデガス・オレムス・トカイ・フルミント・ドライ・マンドラス 2016 [¥3300 ]

<ワインdata>
国:ハンガリー 種類:白ワイン 品種:フルミント ビンテージ:2016 生産者:ボデガス・オムレス(ベガ・シシリア) インポーター:fwines

<バランス>
酸味★★★★☆ 糖度:★☆☆☆☆ 香り:★★★☆☆


・・・いやトカイちゃうやん!

あーーー、違うんよな~! 惜しい、神、めちゃくちゃ惜しい! トカイ、とおなじ地方で作られる、トカイ、に使われている葡萄を使った、トカイ、と同じ白ワイン・・・

ここまで来てようトカイはずせたな???

バッカス、たぶん頑張ってくれたんだと思う。ますたがトカイ飲みたいこと知って、一生懸命探したんだと思う。[ トカイ 品種 ]で、ググったに違いない。惜しいんよ。飲みたかったのはトカイなんよ。ぜひ[ トカイ おいしい ]で検索してほしかった。もしくは[ トカイ 神 プレゼントする ]とか。

そんな神からの惜しいプレゼント。それが今宵の3000円ワイン、フルミントを使った白ワインでございます。


こちらの白ワイン、フルミントを使ったワインというだけでそもそもちょっと珍しいのですが、それに加えて生産者がちょっとすごいんです。

だってね、なななんと! あの、ベガシシリアの作るスティルワインなんですよ!いいですか、ベガシシリアですよ、ベガ、シシリア! あの!

・・・どの?

▼ この

ますたの無知をあざ笑うように、次から次へと新しい情報が盛られてゆくこのワイン。すごいな。飲むだけで頭よくなる気がする。さすが我がバッカス。トカイの検索はミスったけど、その上をゆくホスピタリティ。まさに神。

ところで、そもそもフルミントって、どんな葡萄なの? ってことで、それも調べてみました。

ハンガリーのトカイ原産で、ハンガリーにおける白ブドウの主要品種です。辛口から貴腐による甘口ワインまで生産することができます。――『ワインテイスティングバイブル』(谷宣英/株式会社ナツメ社)

えーと、トカイ用の葡萄・・・ってことは、わかりました。

うん、飲めばわかるさ。


グラスにそそいでみると、濃いめのレモンイエローです。黄色といってもいいかもしれない。やや黄金色がかってみえるのは、5年という歳月の経過によるものでしょうか。

セラーの都合で、白ワインとしては高めの13度からはじめましたが、香りは…すぐに開くタイプではないようです。たぶん、まだおねんね中。おーい起きて。アルパカ飲むよ、あなた飲みますよ。いいですか。いいですね。おーい。こら、おい、起きろ。

そんな思いを込めてスワリングしてあげると、心地よい樽香とともに、なんだかふわっと丸みを帯びた香りが鼻をかすめます。これは… ぺトロール香? 本には「りんごの香り」「ナッツの香り」とありますが、そこはかとなくリースリングに似た、ちょっとオイリーな香りが立ちのぼります。へー!不思議な感じ。

すやすや眠っていたフルミント的には大変ご迷惑だったでしょうか、なんとか渋々起き出してくれたみたいでした。ようこそアルパカのもとへ、ウェルカムマイマウス!

ひとくち口内に含んでみると、これが、けっこう酸が強い! しっかり厚みのある酸が、ぎゅぎゅーっと詰まっている感じです。おおぉ、これがトカイの底力… 酸度は熟成力の高さを物語りますから、まさにこの酸味こそが、長期熟成によって深みを増してゆく、魅惑のトカイの原点なのでしょう。

ちなみに、初日よりはふつかめのほうが、だいぶこなれてバランスも整ってました。りんごの風味の輪郭がはっきりし、酸味は心なしかマイルドに。うん、おいしい。酸味がぎゅっとあるわりには、意外と里芋煮やたれの焼き鳥みたいな和食にも合わせに来てくれました。えー、ええ子やん・・・

いやあ、なるほど、まいりました。広く深いワインの世界、まだまだアルパカの知らないことだらけですね…!そんな世界の広さを感じた、趣深い1本だったのでした。

知れば知るほど、おいしくなるワインーーああ、ますますこれからの日々が楽しみだ。そんなことを思いながら、アルパカは今宵もハンガリーのトカイへと、焦がれる思いを馳せたのでした。(今度こそ神に正確に届け!


それでは、また次の3000円ワインで会いましょう!(^○^) 3000円ワインの民、ますたやでした♪

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ますたやとは:

関東在住の30代、3000円ワインの民(たみ)。ワインは週に約5本(休肝日2日)。夫婦で1本を分けあって飲みます。3000円ワイン以外のワインについては、Vinicaにて夫が更新中。現在は夫婦そろって、2021年ワインエキスパートの二次試験に向けて勉強中です。はやくおいしいワインが飲みたい!

twitter:@3000wine_tami
Instagram:@3000wine_no_tami

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