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歩き遍路の記録_11【焼山寺〜宿】

3日目③ 焼山寺〜すだち庵

2022年5月5日午後2時半ごろ
焼山寺を打ったあとは本日の宿泊地すだち庵へ向かう。

曲がりくねった車道を横切るように山道を下る。
比較的焼山寺から近い宿とはいえさんざん歩いた体には一歩一歩が辛い。
ふくらはぎは張ってるし、太ももと大殿筋は筋肉痛だし、爪先は下り坂で潰れて爪が痛い。
杖杉庵を過ぎる。
杖杉庵と衛門三郎のエピソード訳分からんくて面白いので下のwiki読んで下さい。


杖杉庵から程なくして宿に着いた。


お宿 すだち庵

お遍路で初めての民宿だ。
ご主人にご挨拶しながら宿の基本説明を伺う。
気さくな雰囲気でとても感じが良い。
今日はどれぐらいかかったとか、しんどかったなんて話を聞いてもらって、明日の予定の相談なんかもした。
ご主人も遍路経験者で色々教えてもらった。

少し話をしてから、部屋に案内してもらう。
部屋に入る前に、焼山寺の山道で酢こんぶをくれた親子と再会した。彼らもこの宿だったのだ。
「あ!あのときの」と少し会釈をした程度だが、なんだか嬉しい再会。

部屋に入る。6畳ほどの和室だった。布団が二組敷いてある。
今回は他の女性客と相部屋になると聞いていたが、まだその方は到着していないようで、先に部屋で過ごす。

ご主人から少し離れた日帰り温泉に車で送迎できるから利用しますか?と聞かれ、是非にとお願いした。
温泉に入れるのはありがたい。足を伸ばして風呂に入りたい。
一日歩いた体には、足を伸ばしてゆっくり湯船に入らないと取れない疲れが凝り固まっている。
風呂に行くための準備をしていたら、相席する女性が到着した。
アクティブな雰囲気の気さくな方だった。
軽く挨拶をして、この方と他に別室の男性と共にご主人の運転で温泉へ向かう。

道中、遍路のこと、宿のある神山町のことなど話しながら温泉へ着いた。
ご主人は話が面白い。

神山温泉

スーパー銭湯のような雰囲気の温泉だった。
ジェットバスでガッチガチに固まったふくらはぎなど重点的にほぐす。
しかしどれだけジェットバスの泡を直接当てても、足はガッチガチでこれはもうどうしようもないな…と思った。
とにかく少しでも足を軽くしたい一心で風呂の中でストレッチを行なった。

再びご主人の運転で宿へ。
その後夕食。
同室の女性とそれぞれ一人で遍路してる男性2人の4人同席でカレーを頂いた。コロッケが乗っかってた気がする。
こういうジャンキーな晩ごはんめちゃくちゃ嬉しい。

「宿の飯なんてこういうのでいいんだよ。こういうので」と思う。
もちろんいい宿では良い食事を出して欲しいけど料理をウリにしてない宿は唐揚げ定食とか出してくれたほうが私は嬉しい。

同席の方々と食事しながら、ご主人がこの宿を前任から引き継いだ理由や、お遍路の体験談、どこそこの宿坊がオススメだとか色々な話を聞いた。
こういう会話をしながら、なんだかとってもお遍路をしているという実感がここに来てやっと沸いてきた。

ずっと遍路道を歩いてきたし、納経などをして遍路らしいことはしているけど、旅立つ前に思い描いていた「お遍路」のイメージとはちょっと違うかなという思いがあった。

まあ実際は人見知りと人付き合い嫌い人間なんで、ちょっと面倒くさいという気持ちもあったけど、それでもそういう体験を求めてたんだと思う。

食事は交代制で、他の部屋の方々と交代し、早々に部屋へ戻って同室の女性と呑み直した。
遍路に来た理由とかきっかけとか、今までどんな旅をしてきたかなんて話をした。
なんとなくだが遍路やる人って登山好きが多い気がする。この人もそうだった。
今日何時間かかったの?って聞かれて5時間半ですっていったら「え、時間かかったね」とか言われてめっちゃマウント取るやん…とか思ってたけど登山やる人ってみんなこんな感じなんですか?
(偏見ムーブ)

そのうち向こうが「つかれたから寝ます」と言って8時すぎには早々に床についたので、私も床につく。

カエルの鳴き声が遠くから聞こえる。開けた窓から風を感じながら寝た。

私の子供の頃はまだカエルの声も聞こえて、窓を開けて寝ても危なくなかったな…こんなん久しぶりだな…と思いながら。

本日はここまで。
ほなまた。

こんな蛇行して歩いた覚えがないので多分山道突っ切ってますね。
もうしんどかったのであんまりここらへんのこと覚えてないわ。
だいたいの距離感を見る程度にご確認ください。

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