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歩き遍路の記録_13【13番大日寺〜17番井戸寺〜帰路】

4日目② 大日寺〜

2022年5月6日 11時頃
前回記述のお接待を受けて気分はふわふわしていた。
『貰って良いんだろうか、こんな信心もなく好き勝手に歩いてるだけなのに』という考えが浮かんで変に落ち着かない。まあ考えても仕方ないし、ありがたいことなんだからと自分を無理やり納得させようとした。
しかしその日はずっと心のなかでジリジリと燻っていて、気持ちが落ち着くことはなかった。

もうすぐ大日寺という辺りで、テントでラーメンなどの軽食を売っているお店?を見かけた。たしか醤油ラーメン200円とか300円とかだったように記憶している。もうすぐお昼時間だしお腹も空いてきていたし、値段も格安だったので気になった。しかし、ラーメンなら徳島ラーメン食べる予定だしな…とお店をスルーてしまった。結局お昼はコンビニのパンにしたので、ラーメンくらい食べたって良かったなあと思う。

どんな店だったかGoogle Mapのストリートビューでこの辺りの道をさらってみたけど見当たらないから期間限定の店だったのか…。
折角遍路してるんだから気になったら入らないと。今後また来るかどうか分からんのだから。

13番札所 大日寺

第13番札所 大栗山 花蔵院 大日寺

11時半頃着。
朝からほぼぶっ通しで歩いて午前中に大日寺へ到着した。
参拝と納経を済ませて手前のコンビニで買ったパンを食べ昼休憩を取る。
すだち庵からここまでは大体18km前後。ここから徳島駅までは15km以上。
各札所の参拝を含めてもまあまあ帰りの予定には間に合うだろうと思った。

大日寺の前には阿波国一之宮 一宮神社があり、そちらにも軽く手を合わせた。その昔は大日時と一宮神社は神仏習合でこちらに札所があったらしい。

次の札所に向かう。
大日寺から17番井戸寺までは数キロおきに札所が点在する密集ゾーンになる。
山越えのハードモードからまた一気にイージーモードへ急落する。
難易度設定どうなってんだマジで。

14番札所 常楽寺

第14番札所 盛寿山 延命院 常楽寺

13時頃
大日寺からはおよそ2.3km。
すぐに次の札所に着いた。

ここは地面が岩盤むき出しになっていて変わった景観をしている。
「流水岩の庭」というらしい。
見た目が面白いしカッコいいと思うが、疲れきった足にこのデコボコはかなり辛い。

案外段差が高い

ただ、猫ちゃんがいたので全て許した。
撫でさせてくれたがすぐに去っていかれた。つれない猫ちゃん…。

15番札所 國分寺

第15番札所 薬王山 金色院 國分寺

13時45分頃
常楽寺からは0.8km
ほとんど離れていない。
近い。

国指定の名勝庭園があり、とても見ごたえがあった。
庭園に興味があれば見て損はないと思う。
ダイナミックでカッコいい。

次の札所までのルートを確認していると境内にランニングウェアの男性がいることに気づいた。
彼も白衣を来ているのでお遍路さんで間違いないだろう。
もしかして走りながら遍路しているんだろうか…。

車、バイク、ロードバイク、徒歩、など色々見てきたけどランニングお遍路は初めて見た。この世には本当に色々な人がいるなあ…と思いながら次の札所に向かった。

しばらく歩いていると先程の走り遍路(でいいのだろうか?)が走って追い抜いていった。荷物は少なく小さなリュック一つである。しかしそのリュック自撮り棒と360度カメラが突き出ていた。

なんと、走りながら録画しているようだ。
走り遍路だけでも大変そうなのに配信もやっとんのか…!?

16番札所 観音寺

第16番札所 光耀山 千手院 観音寺

14時45分頃着
国分寺からは1.8km
この辺りからだんだん疲れ始めてきた。
午前中に飛ばした分の疲労がここに来て出てきたようだ。

先程の走り遍路さんが荷物を準備していたので思い切って「走りながらお遍路してるんですか?」と話しかけてみた。

やはり走りながらお遍路をしているとのこと。
車で来ている友人が着替え等の荷物を持っていて伴走しているらしい。

走るとどれくらいかかるんですか?どれくらいでここまで来たんですか?と聞いてみたら案外自分と変わらんぐらいの日数を言ってきたので「あれ?」となる。
相手の勘違いかな?と思って深く聞かなかったのだが理由は後になんとなく理解することとなる。

荷物の準備をしている彼に「お先に」と挨拶して先に次の札所に向かった。

またしばらく歩いて次の札所にもうすぐ着く、という辺りで後方から足跡が聞こえてきた。走り遍路の彼である。
移動速度は確かに彼のほうが早いんだけど、荷物の準備で時間を取られるのだろう。歩いている私と実質所要時間は変わらない。

17番井戸寺の手前で無人のいちご販売所を発見した!
やっと!いちごを手に入れられる!嬉しい!
ひっきりなしに車がやってきては皆買っていくから人気の販売所のようだ。
たまたま買えてラッキーだった。

1パック200円 一段積みのパックなのでそんなに安くもないかな。美味しかった。

ところでこれは猫ちゃんの集会。
(写真には数匹しか写ってないけど実際もうちょっといた)

17番札所 井戸寺

第17番札所 瑠璃山 真福院 井戸寺

15時頃45分頃
観音寺からは2.8km
今回の区切り遍路の最終札所・井戸寺に着いた。
走り遍路の彼もすでに参拝を始めていた。

私も献灯献香、納め札、般若心経の読経を行う。
4日間続いた歩き遍路もこの札所でひとまず区切りだ。
少しは般若心経も上手くなった…ということはなかった。
(ないんかい)

終わった達成感とかは特になく、とにもかくにも体がダルい。
疲れて疲れてしょうがない。
特に最終日に一番ハードな行程を入れたもんだからかなり疲れてしまった。

走り遍路の彼に挨拶をして先に出る。
相変わらず準備に手間がかかっている様子で他人事ながら先が案じられた。
無事結願しただろうか。

その後どんな映像になっているのか気になって、彼の動画を探しているが見つかってない。公開してないのだろうか。

徳島駅へ向かう

ここから徳島駅までおよそ7km。
大体2時間弱。
ダルい。ともかくダルい。井戸寺が終わったら徳島ラーメン食べようと思っていたが怠すぎて食欲なんて全く湧かない。
こんなことなら井戸寺の手前のラーメン食べればよかったと後悔した。

吉野川を渡る。徳島市の市街地に入ってきた。

つい今朝までコンビニもない場所にいたのが嘘のようなそこそこ(失礼)の都会っぷり。
しかも徒歩での移動だからさほど離れてないんだよなあ。変な気分だ。

しかも徳島弁は大阪弁とあまり変わらないので市街地を歩いていると大阪の田舎の方にいるような気分になる。

ああさっさと家に帰りたい。疲れた。
徳島ラーメン食べたかったけど無理無理の無理。

18時前
徳島駅前の阿波おどり会館に着いた。
ここは遍路道の途上にある。
今回の遍路はここで区切りとし、次回はまたここから始めようと思う。

大日寺から井戸寺はだいたいこんな感じですが井戸寺から徳島駅はこの通りに歩いていません。

帰路は徳島フェリーで

行きは高速バスで四国入りしたけど、帰路は徳島フェリーにした。
この浮腫みまくった足でバスの狭い座席は足がしんどすぎる。

徳島駅から徳島港にバスで移動。
そこから徳島フェリーに乗って和歌山港、そこから南海電鉄で大阪へという行程だ。

徳島フェリーは、なんば駅までの電車賃と合わせて2,200円で乗れる「好きっぷ」という割引があるのでオススメ。これを利用した。

フェリーにはカーペットフロアがあるので体を横にして休むことができる。
浮腫みまくった足にも、疲れきった体にもとてもありがたい。

18時55分分徳島港発→21時05分和歌山港着の便に乗船した。
さっそくカーペットフロアで寝っ転がる。コンセントも確保し、スマホの充電も安心だ。ゆっくりしよう…

と思ったがめっちゃくちゃ冷房さっみー。
ゆっくりできると思ったけど寒さで凍えて無理だった。
自販機のコーヒーとカップラーメンの自販機でしのいだ。
腹減ってなかったけどカップラーメンでも食わないと寒さで凍えて死にそうだった。
徳島ラーメン食えずにカップヌードル食ってるのホンマなんでなん?

和歌山港へ着いた。
南海電鉄でサザンに乗って大阪へ帰る。
夜10時を過ぎていた。

これで今回の区切り歩き遍路は終了。
4日間17カ寺。およそ90kmの行程だった。

1200〜1400kmある遍路のたったの90kmだし、88分の17だ。
まだまだ先が長いなと思う。

あと、記録を書いててこんなにダラダラ長ったらしく書くとは自分でも思っても見なかったけど、まあ良いか。
ボチボチやって行きましょう。

よろしければ今後もお付き合いください。

次回は2022年10月に行った日帰り歩き遍路の話です。

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