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歩き遍路の記録_20【お宿が取れずにさあ大変の巻】

区切り遍路 第四弾目

前回(2023年4月8日〜10日・鶴林寺〜薬王寺)の遍路から約1ヶ月後。
今回はGWを利用して室戸半島を攻めるターンである。

今回は2023年5月3日〜7日の5日間の予定で予定を組んだ。
久しぶりの行動制限のないGW、宿の予約は早めに、2月には4泊分を確保しておいた。
今回歩く薬王寺から室戸の最御崎寺までの距離は約87km。
札所間の距離がお遍路の中で一番長い場所になる。
しかもその間、宿の少ない地域を通る。宿の選択肢が少ない地域なのだ。

っていうかそもそも室戸までは民家すらまばらな地域。
1日に移動できる距離や、観光の予定なんかも考えつつ、人気の民宿にも泊まりたい。
なので早めに予約しておいた。大体希望通りに予約は取れていた。

また、4月の遍路で宿泊日を間違ったこともあり、再度予約日の確認を入れて、念には念を入れていた。
そういう訳でかなり宿には気を使って準備していた。

GWの1週間前。
1日目の宿から着信があった。
ちょうど仕事中で電話に出れず、あとで折り返したが電話には出てくれない。
予約時も電話が繋がりづらい民宿だったけど、この日もなかなか電話が繋がらなかった。

…嫌な予感がする。
4月の宿の予約ミスを思い出してしまう。
流石に今回は日付の間違いしていないはず。確認したし。
間違ってたとしたら先方のミスなんだけど、それはそれで全然大丈夫じゃない。
結局その日は電話が繋がらず、翌日、再度、先方から電話で、連絡してきた理由を聞いた。

なんと、ご家族の急な入院で、民宿が開けないので予約をキャンセルさせてほしいとのことだった!

『え???めっちゃ困りますが!!!????』
と内心思ってしまったが、相手は民宿だ。
こういうところはだいたい女将さんかご主人が一人でとか、せいぜいご家族数人で切り盛りされている場合がほとんどで、そのご家族にトラブルがあれば民宿が開けないことは当然だろう。

事情が事情だけに内心の困惑を抑えてキャンセルを了承した。

急いで1日目の宿の予約を取り直そうとするが、当たり前だが1週間前で全く空きがない。
周辺にはあと2件宿があるが、もう一軒は2月の段階ですでに空きがなく、もう一軒も当たり前に空いてなかった。

周辺の宿を諦めて別の宿にしようにも周囲数キロにわたって宿が無い。
別の宿にするには1日目の歩ける距離の関係上、予定が大幅に狂ってしまうのである。

2日目には早朝から観光の予定を入れていたため、あまり手前の宿に泊まるわけにも行かず、困ってしまった。

しかし、野宿するわけにも行かず、予定より先に進んだ場所にある空いていた宿に変更して、歩ける距離の関係上、前回お遍路を区切った薬王寺からでは時間的に厳しいので、高速バスの降車する停留所を12km先の牟岐まで伸ばして、バスでショートカットすることにした。

たったの12kmとはいえ、歩いていない遍路区間ができてしまった。
しょうがない。
時間的制限の多い区切り遍路だし。宿の少ない地域だし、自分が悪いわけでも無い理由だし。
とは思うものの、やっぱりなんかすごい悔しいというか、負けた気がするというか。

絶対歩かなければ行けないとは思っていないし、バスなりなんなり、乗ればいいとは思っているし、後で出てくるけどそもそも公共交通機関も使うつもりでいるけど、歩く予定でいて、歩ける体の状態で歩けないのはめっちゃくちゃ残念だ。

しかし、相手を責めてもしょうがないことだし、こういう縁でやっていくのがお遍路というものだとも思う。

というわけで、遍路に行く前に色々あったのでそのエピソードで1回分使ってしまいました。

次から室戸までのお遍路の記録です。
ほなまた。

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