見出し画像

歩き遍路の記録_18【宿〜田井ノ浜】

区切り遍路の3日目①

2023年4月10日
6時起床。
昨晩コンビニで購入していた朝ごはんを部屋で食べた。
部屋には電気ケトルと、コーヒーや紅茶のインスタントが置かれていた。
コーヒーは朝食に、紅茶は水筒に淹れて持っていくことにした。
薬王寺までは商店やコンビニの少ない地域である。水分の確保はしっかりしておきたい。熱い紅茶だけどないよりはいいだろう。
7時過ぎに宿を出発。

今日は23番薬王寺を目指し、夕方のバスで大阪に帰る予定だ。
昼の2時すぎには到着するだろうから、バスの予約は4時の便にして、23番を打ったあとに余裕があれば薬王寺の日帰り温泉に入れればいいなと考えていた。

これは道中見かけた弘法大師不思議エピソード夫婦岩。
ぱっと見、どこに岩があるんだと思ったら、ガードレールの裏だった。

あとここのすぐ近くで見かけた雉。逆光で全然撮れてないけど人生で初めて見た夫婦の雉。夫婦つながりやん。

まずは徳島県道284号山口鉦打線を南下していく。

また杉の大木だー
猫ちゃん

基本的に車線も特にない道路だけど、途中から新しめの白線が引かれた片側一車線、歩道のナシの道路が現れた。
「うわ…最悪。また見晴らしの悪い歩道のない道やんけ」と思ってしぶしぶ歩きだした。

しかしそんなちゃんとした(?)道路の様子もしだいに怪しくなって、白線はなくなり、道幅も狭まり、どうにも車の通る様子のない、道の端に落ち葉が積もって苔も生えた、ろくに整備されてなさげな道になっていった。

心と書いてゴミと読む

「なにこれ…こんなことある???」とだんだん怖くなる。
最初ちゃんとした道に見せといて、奥に進むとボロボロとかめっちゃ怖い。

いやこれさっきの二車線の道が↑の道に変化したら怖えだろ。

遍路地図を確認すると間違いなくこの道は遍路道なのだが「なんかもう道としての有り様が怪しすぎて無理」と思い、ちょっとビビりながら歩いていた。
しばらくそんな気持ちで歩いていると前方に人影が見えた。

昨日鶴林寺で少しの間一緒に歩いたAさんだ。
こんな怪しい道で顔見知りに会えるの助かる。
挨拶をして一緒に歩くことになった。

Aさんは昨晩、私が宿泊予約日を間違えて泊まりそこねた宿に宿泊していたので、その宿の様子を聞いた。
やっぱり評判通りの宿だったらしい。
それに加えて旅行割もついてたので色々とお得だったのも羨ましい。
私の宿は旅行割の対象の宿ではなかったのだ。
返す返す、予約ミスったのが惜しまれる。

今日の遍路道はルートが2パターンあり、国道55号線を歩く山ルートと、貝谷峠を抜けて田井ノ浜に出る海ルートのどちらかを選ぶことになる。
55号線の山ルートの方が少し歩く距離は短いらしいけど、どう考えても海ルートでしょ。
海見たいやんか。

Aさんもそのつもりだったので改めて一緒に行きましょうと誘われる。
ちなみにAさんは黄色い遍路地図は持っておらず(置いてきたそう)、登山アプリで道を確認していたらしいんだけど、どうもフォローしていた地図が山ルートだったので参考にならず、私を道案内にしようとしていた。
まあ全然いいんですけど。

謎の遍路人形!トレイ案内!不法投棄見張り番!遍路案内!情報がうるさい!

ちなみに私は区切り遍路なので重い地図は家に置いてきている。
必要なページだけをカラーコピーしてジップロックに入れて利用しているのだ。
これだとウェアのポケットにも入れられて、随時地図を確認できて便利。

ついでに区切り遍路の日程などの参考に以下の本のコピーも入れている。
あんまり歩けない人用の本なので大して参考にはならんのですがね。
おおよその所要時間はわかるので便利。(黄色い遍路地図にも所要時間書いてるけど見づらい)
寺の縁起とか周辺の情報も載ってるので必要な部分はコピーして持ってます。

Aさんも区切り遍路で、道中お互いの遍路予定や、遍路の動機などの話をした。
Aさんは今日は薬王院で宿泊し、明日鯖大師まで行って帰宅の予定らしい。

貝谷峠への入り口に入る。

高低差はあまりない静かな竹林の中の遍路道だ。
そこかしこに筍が顔を出している。
道の真ん中に堂々と顔を出してるのも居て、手入れしないとすぐ道が竹だらけになるんだろうな、と思わされた。
手入れしてくださる地元の方に感謝。

貝谷峠

海!

10時頃
貝谷峠についた。
少し離れてたところに展望スペースが設けられていて、そこから眺める海が最高だった!
お遍路で初めて見る海である!
素晴らしい眺めだ。晴れてて良かった。

この展望スペースには休憩用のテーブルと椅子、そしてなぜかブランコが設置されている。
せっかくなのでブランコ漕いだ。何十年ぶりだろう?
すっかりブランコの漕ぎ方が下手くそになってしまって全然揺れない。
Aさんに撮ってもらった私のブランコ姿ダサすぎて泣ける。

そう言えば、Aさんとテーブルで少し休憩していたらAさんがドクターエアのマッサージ機を持っているという話になり、その場で使わせてもらった。
ちいちゃくてパワフルで凄いですね。軽くてギリギリ遍路にも持ってこれる重さかな。
後日自分でも買いました。遍路には持っていかないけど。
ドクターエアはいいぞ。

そろそろ行こうかなと思っていたら男性2名のお遍路さんが展望スペースに入ってきた。
軽く挨拶と会話をして、我々二人は先に進んだ。

アカテガニ横断に注意!の看板(めっちゃ見てみたい)

田井の浜

11時過ぎ頃
田井の浜に到着。
休憩所にて休息を取る。
ビーチに近くて、すごく眺めが良い。

先程、展望スペースですれ違った男性二人も追いついてきて4人で会話しながら休憩した。

正直、あなり休憩を取らないタイプの私としては展望スペースでも休憩したばっかだし、ちょっと休憩に飽きてて、さっさと歩きてえなあ…。と思っていた。
でもまあせっかくなんだし、一緒に歩くのも良い経験だし、ここは少し我を抑えて強調するのもええやないかと自分を説得させた。
男性が一人先に歩きだして、その後私とAさんも歩きだすことにした。

少し歩いていると木岐の漁師町に入った。
とある住宅から「お遍路さーん」と私達に声を掛ける御婦人がいる。
わざわざ玄関から外に出て我々にお接待をくださった。
ペットボトルのお茶だ。ありがたい。

もらったお茶

その御婦人が俳句をよむらしく「ここから先の遍路道に句碑を立てた俳句の道というのがあるから見て行ってください」とおっしゃったので、その道を通ることを約束して(別ルートも有る)先に進んだ。

しばらくして再びAさんと歩いていると休憩所がありAさんがトイレに寄ると言った。

私はこのタイミングで先に一人で行かせてもらうことにした。
ここまで来たら一本道で道に迷うこともないし、道案内もお役御免だろう。
そろそろ一人で気ままに歩きたい気分だったので「じゃあ私は先に行きます」と言って先に進んだ。

ああ、自分のペースで歩くことのなんと心地よいことか。
つくづく人付きあい向いてねえな。

長くなったので本日はここまで。
ほなまた。

地図はだいたいのルートです。
貝谷峠ルートは山道でグーグルマップにはないため全然この通りには歩いてません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?