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歩き遍路の記録_19【田井ノ浜〜薬王寺〜帰路】

区切り3日目③

2023年4月10日
前回の続き。木岐らへんでAさんと離れて歩きだした続きです。

お接待をくれた奥さんの言う通り、俳句が書かれた句碑(これ句碑でいいの?)が点々と並んだ山道を通る。

海沿いだけど平地の少ない場所なので道は山道だった。
句碑と、時々木々の間から見える海を眺めながらしばらく歩いた。

途中恵比須洞という看板を見かける。
一瞬行くか悩んで「まあ別にいいや」とスルーした。

なんとなく、人に合わせて歩いていた分、ちょっと予定より遅れていたので先を急ぎたい気分だった。

今思うとそんな急ぐ必要全然ないんだけどな。
行けばよかったなあ。

なんというか私の遍路、行けばよかったなあとかそんな後悔ばっかりしてる気がする。
一人でいるし、自由に行動してる分、全部自分の判断だけど、自分一人の判断なんて割と適当で、場当たり的で、ろくなもんじゃない。
通しで遍路してるとその辺の感覚も日々向上していきそうなもんだけど、区切りだと毎回リセットされるし、そもそも時間的制約がある分変な焦りがある。体力とか時間とかちゃんと考えなきゃ行けないのに考えられてない。

まあ、でも、そんな必死こいてやらなアカンもんでもないとも思うけど。

自然にここらへんの判断できるようになりたいなああ。

気色悪い自分語りをしてしまったのでここで美しい海のお写真をご覧ください。

崎の上に建ってる白い建物はホテルで日帰り温泉もあるそうです、入りませんでしたけど。
なんか保護猫活動もしてるそうだけど駐車場脇の小屋に猫の餌が散乱しててなんとなく不衛生だった。

ホテルを過ぎるとすぐ恋人崎というとこに着いた。
なんでしょうこのウミガメのカップル×2は。

2組要る?めっちゃキャラ被りしてるやん。2組要る?

恋人崎の下にあるのが大浜海岸でここはウミガメが産卵にくる浜だそう。

日和佐うみがめ博物館カレッタに入ってみたかったけどその日は定休日だった。
ただ、屋外に飼育用プールがあって、自由にウミガメが見られるようになっていた。

ウミガメでけえ。

しばらくウミガメを眺めたあと、薬王寺へ向かった。
眼の前に薬王寺の塔が見えてきた。
すぐそこだ。

23番札所 薬王寺

第23番札所 医王山 無量寿院 薬王寺

14時頃到着。
これで今回の遍路の目標に到達した。
やったー終わったー、と思ったけど、丘陵の中腹にあるので境内は階段だらけで、しかも結構な急階段。ひーひー言いながら本堂に向かった。最後の最後に体力削るイベント発生するやん。ツラ…

本堂、大師堂を参ったあと、下から見えていた瑜祇塔の入口まで登る。中に入れると聞いていたので楽しみにしていたが、本日は閉館だった。


合掌か〜。合掌されたらしょうがねえな。残念だけど。
ただ塔の足元からでも景色は良かった。
向こうに見えているのは日和佐城。


納経をしに階段を降りていると、2日目に鶴林寺太龍寺あたりを一緒に歩いたBさんと出くわした。
お疲れ様です、と声をかけて挨拶をする。
鶴林寺で「あ〜転がされた転がされた」という発言が秀逸だった人だ。
今日一日、姿を見なかったし、鶴林寺では足を痛めてる様子だったので、もう会えないかと思ってたけど再び会えて嬉しい。

階段の途中での再会だったので、一言二言会話したあとすぐに別れたけど、どういうルートだったんだろう。多分この日も阿南から来てたはずだし。別の道だったのかも。

道の駅日和佐

納経を終えて、昼食を取るため道の駅日和佐へ向かう。
この道の駅日和佐はJR日和佐駅に隣接していたり、お遍路さん用にテントを張れるスペースがあったりとても便利なところ。

なんかおしゃれな鴨肉と野菜の丼が売っていたので昼食はこれにした。美味しかった。

道の駅が居心地良くて、日帰り温泉に入るつもりでいたのにめんどくさくなってきた。
時間はあるとはいえ、ケツの時間を気にしながら風呂入るのってしんどい。
ちなみにこの道の駅には本来足湯があったけどコロナ禍で使用禁止になっていた。

バスまで大分時間があるけどこのままここで時間潰そう。

ベンチ時間を潰しているとAさんと再開した。
木岐の公衆トイレで別れた人。
「お疲れ様です。」と挨拶して今日の道中の話をした。
Aさんは私が行くのをやめた恵比須洞に行ったらしく「良かったよ」と言った。
「やっぱり行けばよかったなあ」の気持ちが湧いてきた。お風呂に行かないんだったら恵比須洞に行けばよかったし、恵比須洞に行かなかったんなら風呂に入ればよいのに何故かどっちも行ってないな…と思うけど「めんどくせえ」が勝ってしまう。

少しの間Aさんと話して、Aさんが道の駅で買い物をし終わったら「じゃあ、ここで」とお別れの挨拶をした。
Aさんは今日は日和佐の泊まって、翌日鯖大師まで歩いてから区切りを終了させるそうだ。

「じゃあ私はこのままバスを待ちます」といってAさんを見送って道の駅の待合所で時間を潰した。

そろそろバスが来るかという時間になって、バス乗り場へ移動する。
バス乗り場の近くのベンチにAさんが居た。
田井ノ浜の休憩所で一緒に休憩した男性と一緒に缶ビール片手にダラダラ過ごしていた!

なんだよなんだよ
また会っちゃったよ
バスももうすぐ来るから今度こそお別れですね〜

とか言ってたのに全然バス来ねえ…
予定の時刻に10分経っても15分経っても来ないから心配になってきた。

その間、二人としゃべって気を紛らわす。

20分くらい遅れてようやくバスが来た。
改めて二人にお礼と別れを言ってバスに乗る。
ようやく大阪に帰る。
今回は日和佐から大阪なんばまでこのバス一本で帰ることにした。

3日間かけて歩いた区間をバスに乗って引き返す。
前回立江寺→徳島駅を電車で戻ったときは一瞬で引き返したけど、日和佐→立江寺付近は結構バスでも長かった。

ああ、結構距離あったんだなあ。結構歩いたんだなあと思う。
日が沈む直前の景色を見ながら今回の区切り遍路は終了した。

那賀川に沈む夕日
田んぼに沈む夕日

次回はゴールデンウィークに室戸を歩いた話になります。

ほなまた。

地図はだいたいのルートです。
地図にない山道を通ってるんで全然この通りには歩いてません。

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