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鉛筆を再評価しよう



 鉛筆を再評価したいです。
というのも最近、Xの僕のタイムラインでは鉛筆の話がよく出てくるので…… 流れに乗っておこうと思いました。

 鉛筆のいいところはいくつもあります。
・入手しやすい
・一本でものすごい量が書ける(一本で50km程度いけるそうです。実際はちびけて書けなくなるのを加味すれば三分の二ぐらいでしょうけども。それでも大したものです)
・インクが乾いて書けない事自体が起きない
・ペン先が削れたり壊れたりしても削れば元通りになる
・一本で細い線と塗りとが両方できる
・ごろ寝しながら上向きにでも書ける
・消しゴムで消せる

 これら利点をボールペンで再現しようとしたら大変でしょう。鉛筆はローテクながら、すでに完成された文房具なわけですね。

 もちろん欠点もなくはありません。
・メンテナンスに鉛筆削り器かナイフが必要。ナイフで削る場合はほんの少し習熟が必要
・書いた文字を消すのに消しゴムが必要
・書いているうちに線が太くなり、やがて書けなくなる
・メンテナンスするとだんだん短くなる。
・クリップがないため、紙やポケットに止められない
・芯が折れやすく、硬い床に落とすと割れてしまう

 とはいえ、この辺は全て対応するアイテムがあるので、カスタマイズ好きな人にとってはどうにでもなります。
 僕が使ってるのはファーバーカステルのパーフェクトペンシルⅡです。
これはゴム付き鉛筆の先につけるキャップが付属する鉛筆なのですが、キャップにはペンクリップと鉛筆削り器がついており、キャップ自体が長身なので、鉛筆がちびけた時の鉛筆ホルダーにもなる。という代物です。
これ一つで鉛筆の欠点をほぼカバーしきる、素晴らしいキャップです。ぜひ探してみてください。

 最後に鉛筆の使い方です。

 最初に持ち方を矯正して完璧に直しましょう。
利き手を直すより持ち方を直すのを優先してください。左利きなら縦書きで書けばいいだけの話ですが、持ち方が標準でないと余計な力が必要になって手が疲れ、筆記量が落ちます。
 鉛筆最大の利点はその長大な書ける量なので、得意を活かしましょう。

 並行して、筆圧を極端に下げましょう。
 幼児期の慣れから,筆圧をかけて,濃い色の字をつい書いてしまいたくなるのが鉛筆ですが、筆記で使う鉛筆の線色は実はあまり濃くないです。濃い色の線が欲しい時は素直にペンを使いましょう。
使用する紙にもよりますが、良い紙に筆圧を下げて書く時の鉛筆の書き味は、良い万年筆で書くときのそれに匹敵します。速度をあげて時間あたりの筆記量を稼いでも、鉛筆であれば、何の問題もなく追従してくれるでしょう。

 最後に、丁寧な字を書く練習をしましょう。
前述の通り、走り書きすらできる鉛筆ですが、一方で筆先が滑って、雑な字を書いてしまうことが多々あります。雑な字は読み返す時に苦労を生んでしまうので、なるべく丁寧に(=最上級の品質で)書きましょう。

 おすすめは、文字はヤジロベーだと思って左右をバランスよく書く事と、筆先を減速させ、止め、はね、払いを意識して書くことです。古典的な肩慣らしですが、筆記する前に三回ぐらい、漢字の「永」の字を丁寧に書いて、止め、はね、払いの使い方を手に馴染ませると、いい字がかけるかもしれません。

 その一方で僕、はレイメイ藤井社から出ている「魔法の下敷き」を使っています。下敷きなのにザラザラした凹凸をつけてあり、これによって筆先にブレーキがかかり、筆記中に「止め、はね、払い」に移行しやすくなる。という仕組みです。結構いいですよ。


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