【現場学校レポ】プランニング力を自分の仕事に応用しよう!|プランニングの現場(枌谷 力さん)

こんにちは!
ライブ配信セミナー『現場学校』レポート班のSカオリです。

2019年2月18日に開催された、枌谷 力さんのセッション「プランニングの現場」のセミナーレポートをお届けします。

プランニング力はどんな職務にも応用できる

プランニングと聞いて、「プランナーの仕事のこと?」と思って講義に望んだ方もいたかもしれませんが、今回お話いただいたプランニングとは、プランナーの職務内容の話ではなく、「日常的かつ普遍的なスキル」

プランナーになるには…ということではなく、プランニング力はどんな職種の人でも応用ができるスキルです。なので、チームのポジションが何であろうが、web業界であろうがなかろうが、このプランニング力の講義で話されていることは、どこでも応用が効く、誰でもそのプロセスを知っていて損がないと思います。

ただし職種によって目的とインプットすること、アウトプットすることが変わります(経営者とエンジニアでは、職務の主目的が違いますよね)。

プランニングとは一体何をするのか?

ここではこのように定義します。こうして言葉を定義することで、プランニングが目指すべき方向や評価基準が見えます。

この定義から、プランニングの評価とは、

目的に対する有効性、具体性、実現可能性。これらが高いことが良いプランニングと評価することができます。

プランニングは斬新でなければいけないのか?

プランニングと聞くと、面白いものや新鮮なもの、かっこいいものを作るイメージ(意外性、新奇性、新鮮さ)がありますが、先ほどの定義においてはそれは必要な要素ではありません。

あくまでも「目的を見定め、その目的に対して有効性、具体性、実現可能性があれば、目新しいことをしなくてもいい」むしろ意外性を求めすぎると、目的への有効性を見失ってしまうこともあります。
一見奇抜でかっこいいサイトでも目的(問い合わせ増など)が果たせないサイト…とかいっぱいありますよね…。

まずは「意外性、新奇性、新鮮さに惑わされず、有効性、具体性、実現可能性を重視した手堅いプランニング」をすること。

当たり前のことだけどできていないこと、気づいてないことから、真の問題を見つけて、具体的かつ実行可能な解決策を提示するのがプランニングであり、顧客が求めているのも、こういったプランニングであることが多いのです。

VUCAを含む仕事はプランニングが必要不可欠

VUCA(ブーカ)
Volatility    = 変動性
Uncertainty = 不確実性
Complexity  = 複雑性
Ambiguity    = 曖昧性

変化が多く、不確実で、複雑で、曖昧さが多い職種であるならば、その都度発想するプランニングは必要不可欠。

言ってみればwebサイト制作などは特に、毎案件ごと、クライアントごとに目的も内容も規模も異なりますので、まさにVUCAを含む仕事であるといえるでしょう。

プランニングのプロセス

1. インプット

インプットはプランニングの材料集めです。
インプット量が少なければアウトプットの選択肢も少なくなるので、量がとても大事。

プランニングの質は、センスや頭の良さではなくインプット量で決まります。いいアイデアを発想できる人は日頃からものすごくたくさんインプットしているというケースは身近にも多いですよね。

インプットには、日常的なインプット(学習習慣)と、直前のインプット(リサーチ)に分けられます。

日頃からインプットしてない人がいきなりすばらしいプランニングをできるようにはならないし、直前のインプットだけではインプット量が不十分なので、学習習慣を身につけて日頃からインプットすることが大事になります。

枌谷さんは日頃からこういったインプットをされているそうです。

SNSやブログでの発信はアウトプットでもあるのですが、枌谷さんいわく「情報を発信している人に情報は集まってくる!」

確かに、発信したことで、誰かがコメントやリプライで情報を提供してくれたりディスカッションが始まることがありますし、ただ情報を見ているだけだとそれは起こらないですもんね。情報が欲しければ自分から情報発信者になること、そうすれば勝手に情報が集まってくる…!
わたしは発信というと自分のサイトのブログが中心でSNSの発信はあまり得意じゃなかったのですが、もう少しSNSでの情報収集と発信に体力を割こうかな…と思います。

ちなみに発信することで、得られる副次的効果もあります。

自分もブログを書くときは、間違ったことを書いてないか、都度ググったり本を見たりしながら記事を作っているので、アウトプットでありながらインプットもしているというのはよくわかります!(あと6、7あたり本気で狙ってるので発信がんばっていきたいです)

余談ですが仕事以外でも、面白い作品を書く人って日頃からたくさん本読んで映画見て美術見て音楽聞いて…などインプットをしてるし漫画家も漫画を描く以外のことをたくさんして吸収しろっていうのはよく言われているので、いいアウトプットのために日頃のインプットが大事っていうのは何においても同じですね。

一方、直前のインプット(リサーチ)は、仮説を立て、データを収集し、裏を取り、エビデンスをあたり、良いプランニングのための直接的な材料を揃えていくことです。

webサイト制作でのリサーチはこういったものがありますね。
実はこれらのこと、きちんとやった経験がなくてわたしが非常に弱いところでもあります…。実際に低予算案件中心なのでリサーチにそれほど費用も時間もかけられることがないっていうところがあるんでヒアリングぐらいで終わってしまってるかも。。

日常的なインプット(学習習慣)と、直前のインプット(リサーチ)。このふたつが揃ってはじめて良いプランニングができるための条件が揃うといえるので、プランニングのためにこのインプットをたくさんすることが大事になります。

2. スループット

スループットでやることは、インプットした情報の仕分け・調合・構造化。つまり、アウトプットの方針を決めるということです。

料理で例えるとインプットで食材を集め、その中でどの材料を使って何を作ろうかあたりをつけるのがスループットになります。

まず得た情報を使ってアイデアをババーッと出していくと、その中でいいアイデア、悪いアイデアがあったり、このアイデアとこのアイデアはくっつけられるなとか、このアイデアは捨てようなどといった流れを経てアウトプットに至ります。
2ステップとなっていますが、順序というより同時に拡散と収束を行ったり、拡散と収束を行ったり来たりすることもあります。

スループットにはフレームワークを使って、拡散と収束をしていくのが良いです。ただフレームワークを使えばいいわけではなく、きちんとアイデアが発想できるように使うこと!発想を広げるために使うものです。

ペルソナ設定とかも、ただペルソナ作りましたではなく、「だからこういうアイデアが考えられるよね」に結び付けられなければ意味がありません。

講義ではたくさんの種類のフレームワークを紹介されましたが、目的に合わせてどのフレームワークが何についてのアイデアを広げるのに合っているかで選ぶといいですね。

フレームワークが自分ひとりのアイデア発想ツールであるのに対し、人とアイデアを広げるには、ワークショップやクライアントとの打ち合わせも有用で、「会話は最高に効率のいいスループット」です。アイデア発想が目的なので、正解や答えを求めず、対等な立場でディスカッションをすることが重要です。

ワークショップや打ち合わせで出たアイデアを収束する際にやることは、

1. アイデアの列挙と統合   :出てきたアイデアを並べ、同じようなものはくっつける
2. アイデアの評価     : このアイデアは使える・使えない
3. アイデアの優先順位づけ:これはより大事、優先度が高い、あるいは低い

こういったもので優先度を分類すると何をするかがはっきりしますね。

それにしてもベイジさんで使われている資料をスライドにたくさん盛り込んでいただいてるんですが、どの資料・ツールもすごい密度で、これだけのものを使いこなしていくのはさすがだな…と。ベイジ式のスループット現場をぜひ見てみたいなと思ってしまいました(入社しないと無理か!?)。

3. アウトプット

プランニングの工程ではインプット・スループットでだいたい7割8割が終わっていて、ほぼアイデアがまとまっているので、ここからはわかりやすく形にしていく作業になります。
アウトプットでやることは、料理でいえばレシピ作り。即実行可能なところまでアイデアを具体化すること。工程を明確にし時間や予算も明確にします。

アウトプットの形式は、伝われば特になんでもよくて、具体的であればパワーポイントでもエクセルでも、プロトタイプでもラフスケッチでもいいとのことです。大事なのは具体的にイメージができること。

アウトプットで気をつけたいのは、資料作りとしての構成をきちんとすること。いいアイデアがスループットできていても、肝心のアウトプットがわかりにくければ「いいアイデアが伝わらない」。(読みにくいレシピでは料理作れないですよね。)

構成で気をつける点
・結論から書く
・サマリーする(要点をまとめる)
・エビデンスは分ける
コピーで気をつける点
・無駄な言葉を削らない
・曖昧な言葉を使わない

わかりにくい言葉を使わず誰が聞いてもわかる言葉であることは大事です。
なんだか、やたらカタカナ語を使ったり、業界用語風?の小難しい言葉ばかり使うと、仰々しいわりには何も入ってこないな…ってなりますよね。webやITってそういう言葉好きな人多いですけど…笑

アウトプットのデザインで気をつける点
・色を多用しない
・装飾に凝らない
・図を多用しない

ちなみに今回のレポートでは、スライドのスクショを多めに入れていますが、あまりにもスライドの情報がきれいにまとまっていて、この登壇内容・スライド作りにおいてもプランニングの考え方がフルに散りばめられているなぁと思いました!

まさに上記のアウトプットで気をつける点、を完全に押さえてるスライドです。本講義のスライドは公開されませんが、スライドシェアで公開されている枌谷さんのスライドは本当に参考になりますね。
https://www.slideshare.net/sogitani_baigie/presentations

最後に、充実の質問コーナー!!

今回はいつもよりたっぷりと質疑応答していただきました。
田口さんとの対談形式で一緒に質問者への回答を掘り下げてもらえるので、現場学校では質問コーナーでの田口さんと講師の方のふたりの目線でのお話でもさらに深く考えることができて、これもセミナーとしては珍しい貴重な機会だなぁと毎回思います。

それではいくつか質問をピックアップしてみます!

(わかります…こんな誰でも知ってるようなこと発信していいのか、自分より知識がある人に間違いを指摘されないか、って思っちゃいますよね…)

A. ある100点の発信者がいたら、80点90点レベルの人じゃないと発信しちゃいけないんじゃないか?と思ってしまうかもしれないけど、もし自分が30点ぐらいだとしても20点の人に教えることができるので、その人たちに向けて書けばいい。そして実際にはその10点〜20点ぐらいのところにいる人が市場にたくさんいる。その人たちにとっては役に立つ情報なので、自分の情報を有益に感じてくれる人は必ずいる!

そうですよね。。誰もが超ハイレベルなクリエイターや経営者レベル向けの情報を求めてるわけでないし、「こういうとこでコーディングつまずいたけどこれで解決したよ」みたいな初心者に向けた情報を書いてくれてるのは、自分と同等かちょっと上の脱初心者した人ですよね。実際にそういうブログなどにも助けられてるので、自分の目線の高さで発信するって難しいことじゃないかもって思います!

A. まずもともとそういった関係性を望む体質の会社であることが大前提。
その前提の上で、枌谷さんは最初にクライアントに向けて「これは別に正解ではないです。わたしが思ってることを言ってるだけなので、違ったこと言ってたらどんどん言ってください」「今はあくまでアイデアをふくらます段階なので、色んな議論がほしくてやってるので」といった一言を添えて話すのだそう。すると場がそういった雰囲気になっていくとのことです。

議論をしたい、積極的に意見が欲しいんですというのをまずスライダーの最初に入れて、「みなさんにやってほしいのはこういうことです」っていうことを宣言してから説明を開始する。

これは参考になりますね!スタンスを明らかにすることでクライアントも自然と意見が言いやすい空気を作れるので、まずその空気にしちゃうというのがミソですね。

まずはインプットからやっていこうと思います!

つい放置してしまうので…もう少しちゃんと発信をするようにしていきたいです。TwitterやFacebook、もちろんブログも放置せず発信していろんな情報を集められるようになりたいですね!

もしSNSは使ってない・見る専門になってるという方は、日頃考えていることや仕事で気づいたことなどから発信してくことを始めてみてはいかがでしょうか?

自分の仕事に応用できそうですか?

最初に枌谷さんがおっしゃっていたように、今回の講義のお話は、案件の企画に関わっている人だけに関係があるのではない、どのポジションの人でも通用する普遍的なお話です。

「うちは案件規模が小さいから関係ない」「うちはリサーチやワークショップに時間もお金も割けないからうちでは適用できない」という表面的な判断で考えるのではなく、

いかに日頃のインプットをしていくか
いかに裏付けやエビデンスをもって現状の問題に気付けるか
いかにインプットをもとに思考を膨らませアイデアにまとめるか
そしてそれをいかに実行できるような具体的な形に組み立てられるか

そのための手法をwebサイトの企画立案を例にとって紹介していただいたと考えて、これらの内容をもっと抽象的にして自分の中に取り入れていけば、これからの自分の仕事や生き方の大きなヒントになると思います。

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https://gbgk.jp/

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Sカオリ

ライブ配信セミナー『現場学校』レポート

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