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マタニティリープマガジン vol.17 あたりまえを超えていきたい「フリーランスの妊娠出産から別居婚、三世代同居へ」インタビュー2回目/全4回

みなさん、こんにちは。「マタニティを飛躍の機会に」。マタニティリープです。このマガジンでは毎週木曜日にメインコンテンツとして、マタニティ期、子育て期の経験とリープについて伺ったインタビュー記事を連載しています。今日お届けするのは、前回からスタートした藤本奈美さん(仮名)のインタビューの第2回目(全4回)です。読んでいただいて、共感したり、元気になったり、癒されたりと、みなさんの力となる記事になれたら嬉しいです。


▪️マタニティリープインタビュー 藤本奈美(仮名)さん

現在、奈美さんには3人の子供がいる。地方に暮らす旦那さんとは離れ、実家の両親、兄弟との三世代同居で暮らしています。家族のあり方や仕事の仕方、あたり前にとらわれず歩もうとする、奈美さんのマタニティリープの物語です。前回は、おじいさんから受け継いだファミリーヒストリーの流れの中で歩んでいる奈美さんの姿と、そこから結婚に至るまでのストーリでした。今回は結婚後に起きたさまざまな行き違い、想像を超えた出来事をお話しいただきました。

1回目の記事はこちら

結婚後すぐに妊娠、移り住んだ先での閉塞感

ーー結婚してすぐに移り住んで、そのころはまだ子どもはいなかったのですか?
藤本奈美(以下奈美) はい、2月に婚姻届を出して、3月に引っ越して、5月ぐらいに向こうで結婚式を挙げました。その結婚式を挙げた時にはもう妊娠していたみたいです。気がついたのは初夏だったように思います。

ーー結婚して、二人で過ごす時間はなかったんですね。
奈美 はい、義理のお母さんも一緒でしたしね。義理のお母さん、お姉さんたちも来てなんかいろいろ言いますしね。最初は、夫と仲良く協力できる方向に行ったんですけど、やっぱり地元で長男で、扱いが違ったり、、なんて言うといいんでしょう?ホモソーシャルっていうんでしょうか?男社会だから、飲んで、からかいあうようなコミュニケーションで、朝の5時台から人は来るし、夕方も小屋で酒を飲むみたいな。向こう三軒両隣り全部親戚で屋号で呼び合う。雪深い地域だったからか、各家の三世代の中に一人は自殺者がいるみたいな特殊な閉塞感を感じました。

生活スタイルも生き方も違っている

ーーそういうところでの妊娠時代はどうだったのですか?長男の妊娠時代で覚えていることっていうと。
奈美 夫の実家に住んで、そこで生活の基盤を作って、月に一回ぐらい東京に行ってという仕事のスタイルを確立しようと思ったけれど、妊娠をきっかけにそれができなくなって。妊娠がわかった時には「え?どうするの?」という感じが最初にありました。それよりも大変だったのは、義母と同じ屋根の下での生活で、言葉の通じなさや、生活スタイルも生き方も全然違っていたことでした。最初に断っておくと、みなさん、いい人なんです。今話していることやこれから話すことが悪口に聞こえたらいけないなと思って。

ーーそうですよね。同じ屋根の下でお風呂やキッチンも一緒といった同居だったのですか?
奈美 完全同居です。古い40年くらい経つ瓦屋根の木造家屋で冠婚葬祭を自宅でやる前提の家でした。そこで、私が朝昼晩3食全部作っていました。もちろん食器洗い機もないですしね。それで、農作業の時期は、人が20人ぐらい家に来るんです。車の運転が苦手だけれど、なんとか頑張って運転して食材を買い出しに行って、しょうがないから鯛の小さいのを塩焼きにしてとか思ったら、忙しい時期に鯛の塩焼きなんかお昼に食べるの?みたいなことを言われたり。お姉さんからは、魚の向きが違うとか。エンゲル係数が高いとか、そんなことを言われて、うるさいよって思いました。(苦笑)

いろんな行き違い、もう信用できない

ーーお腹に子どもがいつつ、家族の様々なことをやっていたのですね。
奈美 そうですね。その中でいろんないざこざというか、行き違いがありましたね。やること全てが地雷を踏むような。いちいちそういう感じだったんです。なんかもう全然和解ができない。そして夫もそれに対してちゃんとやれみたいな、言い争いはやめろみたいなことしか言わない。他にも色々あったんですが、もう信用できないみたいな感覚を夫に持つようになりました。

まあでも、私のやってる仕事のことは応援しようとしてくれてはいるんです。だから第一子が生まれた後にも長期の出張があるときは、事前に相談して、なんとか調整してできるようにしようという意識はすごくあると思います。

一方で、家事や育児は私がやっています。乳飲子がいて私は髪の毛を切りにいくのだって大変なんだっていう。子供達みんな入院を経験してますけど、そういうのを引き受けて。夫は独り身のように相談なくいろんなところへ行ったり。電話したら、北海道にいたこともありましたね。そういう恨みつらみとか悔しさっていうのがありますね。

里帰り出産後戻ったが、、、

ーーちなみに第一子はどこで生まれたのですか?
奈美  長男は2月生まれなんですが、その前の9月とか秋ぐらいには実家に戻ってきました。
実家に戻ってからは、初産ということでなんでもやってみよう、できるんじゃないかと思ってマタニティビクスとか、マタニティスイミングとかやってました。そのせいかどうかわからないですが、切迫早産になってしまったりもしました。タイミングが合って、出産の時に夫がいたので立ち会いました。その後、生まれてしばらくしたら、夫から帰って来てほしいって言われたんですよね。

ーー帰ってきてほしい?
奈美 私は結構大変な思いをして、里帰りでなんとか出産して、またあの圧力鍋みたいなところに帰るのか、と思いました。でもすごく帰ってきてほしいというので、じゃあって言って一回帰りました。子どもを連れて戻ったけど、やっぱり変わらなかったんです。すごく大変なことがずっと続いて、お姉さんたちとかいろいろ言ったり、親戚の人とかも来たりとかして、話し合いになったりしました。親戚の人にすごくいいおじさんもいて、間に入って話したりしてくれましたが、うまくいきませんでした。あとはコーチにお願いして夫婦でのコーチングを受けたことがあるんだけどやっぱりうまくいかなくて。例えば一緒に住むのが難しいなら、ちょっと近くのところでスープが冷めない距離ぐらいのところに家を建てる、そういう案も出たりしたんですけど、「まあまあ」って言う感じで、何も起こらずにそのままの状況が続いてたんです。

夫が急変、実家へ避難しそのまま別居へ

奈美 そんなある日、その時はたまたま夫が子供をお風呂に入れていて、私は夕食の料理をしていて、その時にお母さんが何か言って、言い争うみたいな感じになったんです。そしたら夫がすごい激怒して裸のまま出てきたので、見たら、目の色が灰色に変わっていて。お風呂から出てきて、私をつかんでそのまま戸口からガーッと引きずって行ったんです。隣の家に引っ張って連れていって、聞いてくれよみたいな感じでした。私は引きずられて血が出て、服とかが破れたりして、ボロボロになっていました。
隣の夫婦はそういうことは田舎では特別なわけじゃないみたいな感じでした。東京だったら百パーセント問題って思うんですけど、「まあまあまあ」みたいな、とりあえず服着なよみたいな感じで。「まあまあ」じゃない、異常だよって。私的には唖然とするっていうか。

ーーそうですよね。
奈美 でも、そういうことよくあるからとか、どこの家でもあるからみたいな。まぁ落ち着いたら帰って、みたいな感じで。私はもうそこで、服もボロボロだし、足も怪我をしてるし、背中や腕から血が出てるし。まあまあじゃないよみたいな。なんなの?これってDVだよねって。

ーーそれからどうしたのですか?その後。
奈美 親とかに言っても心配されるから、全然言ってなかったのですが、ある時電話がかかってきたんです。それで、実は、、みたいな話をしたら、親もびっくりしちゃって。今すぐ帰ってきなさいよっていうことになり、それで私の実家に帰ることにしたんです。

ーー緊急避難みたいな感じで帰ったのですか?
奈美  そうです。とりあえず子供連れて帰ってこいって。
で、そこから別居っていう。それは子どもがまだ一歳にならないぐらい。


<次回へ続く>



▪️マタニティリープ情報

マタニティリープインタビューから見えてくる共通点

今日は、マガジン担当の二人で、インタビューをしてきて感じていることを話してみました。すると、みなさん、インタビューでは自分のこととして体験を話してくださっているのですが、そこには、リープ(飛躍)するときの共通点があることが見えてきました。

共通点を見ていくと、マタニティリープに影響すると思われることは、横軸と縦軸で表せそうです。横軸は、引っ越しだったり、仕事を変えてとか、私たちがマタニティリープの輪として表現している領域(仕事・キャリア、時間、お金、健康、つながり、育児環境、夫婦・パートナーシップ)の意識です。この領域を意識してどこかを変えると、リープにつながりやすいということ。縦軸は親や祖父母の生まれ育った環境や時代から知らず知らずに受け継いだものがあって、そういった縦の関係のストーリーが今の自分の当たり前を作っているということです。インタビューを通してわかるのは、妊娠をきっかけにその当たり前を問い直すようなことが起きて、その時はグラグラしているような感じがするけれど、そのことを受け止めて、自分として心地よい状態を探し始める、それが新しい自分や生活スタイルを変えるリープにつながっているということです。

読んでくださっているみなさんはいかがですか?

これからもマタニティリープインタビューを通して、マタニティの新たな選択肢と可能性が広がっていくよう、探求を続けて、みなさんに共有&発信していきたいと思います。


<編集>
マタニティリープ合同会社
https://www.maternityleap.com/


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