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マタニティリープマガジン vol.19 あたりまえを超えていきたい「フリーランスの妊娠出産から別居婚、三世代同居へ」インタビュー最終回/全4回

みなさん、こんにちは。「マタニティを飛躍の機会に」。マタニティリープです。このマガジンでは毎週木曜日にメインコンテンツとして、マタニティ期、子育て期の経験とリープについて伺ったインタビュー記事を連載しています。今日お届けするのは、藤本奈美さん(仮名)のインタビュー最終回(全4回)です。読んでいただいて、共感したり、元気になったり、癒されたりと、みなさんの力となる記事になれたら嬉しいです。


▪️マタニティリープインタビュー 藤本奈美(仮名)さん

現在、奈美さんには3人の子供がいる。地方に暮らす旦那さんとは離れ、実家の両親、兄弟との三世代同居で暮らしています。家族のあり方や仕事の仕方、あたり前にとらわれず歩もうとする、奈美さんのマタニティリープの物語です。前回は、住む場所を変え、新たな家族の在り方を築いていった奈美さんが三人の子供を妊娠した時に感じた思いについて伺いました。今回は、奈美さんの今とこれからの夢についてのお話です。

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頭は無理だっていってるけど、心はやりたいって

ーーとても大変な思いをしてきて、奈美さんを支えてきたものは何ですか?

藤本奈美(以下奈美) そうですね。三人の子育てをする間に結構いろんなチャレンジをしたなと思います。搾乳しながらアメリカに出張したり、その後もなんだかんだで海外出張したり。思い切って場所を変えて、これまで会っていた範囲の外の人たちにいっぱい会って、それが大きな経験になりました。ここにとどまって、知ってる人たちといるだけでは見えないもの、感じられないものに触れました。それが今の自分につながってるなぁと思います。

例えば、一番下の子を産んでまだ一年経たない時、おっぱいをあげている半ば育休状態なころ、アメリカからメールが届きました。それは、あと1ヶ月ちょっと後の海外での大きな仕事を誰かできないかという内容だったんです。状況を考えたら、そんな直前で誰も予定も空いてないだろうし、できないだろうって思うわけですよね。でも、私やりたいなぁって思っちゃったんです。英語はペラペラではないし子供もいるし無理だと頭はいってるけど、心がやりたいっていっている。そうすると、なんかずっとドキドキして、寝れなくなっちゃう。私は、そういうとき覚醒してしまうんです。今までも何回かそういうことがあって、この時もそうでした。ノックされている感じで、寝れなくなったことを覚えています。

この世界やムーブメントが他人事ではなくなっている

ーー何かに突き動かされちゃう感じですね。
奈美 そう。でもそれがあったから、ダイバーシティとか世界で起きていることに興味がある。あの時、ノックされていることに応えたから、この世界やムーブメントが他人事ではなくなっている今がある。例えばレバノンで起きた革命は単なるニュースではないんです。友達の国で起きた大事な出来事なんです、今は。

ーーここまで話してみてどうですか?
奈美 一通り大きな流れを話したかなって思います。4年ごとに出産してきたけど、下の子の出産から4年後に会社も設立しました。4年ごとにっていうのは何かあるかもしれないですね。

自由さが好き。今までの当たり前を疑う

ーーここからの夢っていうのはどういう感じですか?
奈美 そうですね。これまでは子供も一緒にごちゃごちゃと毎日懸命に生活してきたので、もっとスペースのあるいい感じのアトリエを作って、そこで過ごしたいです。あと結婚自体日本にいると制約がたくさんありますよね。別に私は浮気をしているわけでもないですが、アメリカだとセパレートって言って、結婚してても別居してたら、別にボーイフレンドを作っても当たり前だよねっていう文化らしいんです。LGBTQの流れもありますが、私も男の人じゃなくてもいいんじゃないかとか。パートナーとして実際そういう惹かれる人がいる訳ではないけれど、例えば相手は女性でもいいし、その可能性だってあるじゃないですか。今までは経験として、たまたまチョイスがなかったけど、あるかもしれないって思います。そこに一歩踏み出すかどうかはわからないけれど、でもそういう自由さが好き。今までの当たり前を疑うっていうか。こんなこと言ってますけど、私結構コンサバな方なんですよ。(笑)

あと働き方もある種、セミリタイアじゃないけれど、そういう感覚を持ったらもっと自由にできると思っています。きた仕事を全部受けるとか、いくら稼ぐとか、そういうラットレースはもう降りた感じがあるんです。だから今までは取れなかったお休みをとったりもしていて、ちょっと意識やライフステージが移行しているんだと思います。自分の知恵とか役に立つことができたらいいなぁとか。ちょっと違う意識の使い方や働き方や貢献の仕方ができたらいいと思うし、働き方のアップグレードっていうか、そういうことが今起きつつあるんじゃないかと思っています。

ーーより自由になっていく感じがしますね。聞いてると、奈美さんには、普通や当たり前への反骨精神みたいなもの、それがずっと流れてる感じがしますね。

奈美 本当にそうですね。(笑)

全力で走ってきてよかった

ーー普通とか古いものと戦うというよりは、そういうものとは違う第三の道みたいなところに行こうとする奈美さんを感じました。

奈美 そうですね。なんていうのかな?第三の道。あっちなの?こっちなの?どっちなの?じゃないやつ。それはそれで可能だなと思いますね。

私は35歳くらいまですごい全力でバーッと走ってきてよかったなと思うんです。多分これが20代前半とかだったらもっとブレブレだったんじゃないかと思うんです。でも、私の場合、なんかある種の突き抜け感というか、突き詰めた上でこうやって子どもを産んでるっていうのはちょっと特殊なのかなと思います。友達の話なんか聞いていると、やっぱり中途半端になっちゃう感じを抱えるじゃないですか、20代後半から30代前半だと。「私には何もなくて、ここでブランクになっちゃったら何者になっちゃうの?」とかそういう感覚はなかったですね。

ーどうですか?改めて振り返ってみて。

奈美 そうですね。長子は12歳。12年いろいろあったなあと。で、今年は年女だからあと12年経つと還暦。そう思うと、この12年間はね、もっと違っていいかなっていう感じもします。

ーー確かになんか30歳ぐらいまでが第一章だとすると、第二章が終わって第三章みたいな感じもちょっと聞こえてきます。ここからですね。

奈美 そうですね。

<完>


▪️マタニティリープ情報

マタニティリープおすすめの本

いま、マタニティリープの本を書いています。
もともと読書が好きな私は、オーディブルのような音声で聴く本をウォーキングをしながら聞いています。特に本を作っていると関係しそうな本を読む機会が増えます。今回はそんな中でもオーディブルで聞いて、つい本も買ってしまったこの本を紹介します。

グッド・ライフ 幸せになるのに、遅すぎることはない ロバート・ウォールディンガー (著), マーク・シュルツ (著), 児島 修 (翻訳)


ハーバード大学の85年に及ぶ成人発達研究と幸福研究がベースになっている本です。祖父母世代からその直接的な子供達、そしてその子供たちと連綿と続くインタビューや調査研究を元にしているので、圧巻なデータと人生のインタビューに触れることができます。幸せというと「happy」というイメージが浮かびますが、本のタイトルにあるように「Good life」=「いい人生」に必要なものは何か?ということについてワークなども含めて記述しています。400ページほどの厚い本ですが、自分にとっていい人生ってなにかが紐解かれていきます。人の人生についてもたくさん読んでいく中で、その問いに応えてくれる良書だと感じました。それを一言でネタバレすると(笑)、「よい人間関係」です。ソーシャルフィットネスという言葉を使っているのですが、人間関係もほったらかしにせずに大事な人とのつながりを維持していくことに意識を向けようと伝えています。

マタニティリープでも3つの大事な要素のうちの一つは「つながり」といっています。この本の伝えたいところと本質的に一緒だなあとしみじみとしてしまいました。ご興味のある方、どうぞ読んでみてくださいね。

<編集>
マタニティリープ合同会社
https://www.maternityleap.com/


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