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マタニティリープマガジン vol.24 金融業界マネージャー、自分を見つめ直し妊娠出産「子供がいるっていい、そういう社会がいい」2回目/全4回

みなさん、こんにちは。「マタニティを飛躍の機会に」。マタニティリープです。このマガジンでは毎週木曜日にメインコンテンツとして、マタニティ期、子育て期の経験とリープについて伺ったインタビュー記事を連載しています。今回は藤木日向子さん(仮名)のインタビューの2回目(全4回)になります。読んでいただいて、共感したり、元気になったり、癒されたりと、みなさんの力となる記事になれたら嬉しいです。


▪️マタニティリープインタビュー 藤木日向子さん

〜藤木日向子さん(仮名)のマタニティリープジャーニー〜(2回目/全4回)

現在、藤木日向子さんには3歳と1歳の2人の子供がいる。金融業界で働き、マネージャーとして、2回目の復職を果たして、今まさにマタニティリープの真っ只中にいる。男性優位の職場で奮闘していた日向子さんは突然の休職に見舞われます。しかしそのことが大きな転機となり、子供がいる人生に足を踏み入れることに、そこで日向子さんが感じたこととは。第2回目の今回は、マネージャーとして働きながら感じていた違和感、初めての妊娠に至るまでのお話を伺いました。

初めて会った時に、もうこの人にしようと

ーーちょっと話が変わりますが、もし差し支えなければ、旦那さんとはどんな感じで知り合ったのですか?

日向子 そうですね。30代で付き合っていた人がいて、4年ぐらい付き合っていました。結婚しようという話がありましたが、ちょっと心配というのがあって踏み切れず、結局お別れしちゃったんです。でも、もう30後半だし、早く結婚したいモードになっていて、夫は、その時に知り合いに紹介してもらった人です。初めて会ったときに趣味がほとんど一緒だったんです。

ーー例えば、どんな趣味ですか?

日向子 その頃はゴルフや海外旅行、美術館巡り。それが一緒で、「全部一緒ですね」という感じで。その時結婚したいモードでしたし、初めて会った時に、もうこの人にしようと思いました。向こうもそう思ったのか、一年以内に結婚していました。

ーー旦那さんは、同じぐらいの年なのですか?

日向子 向こうの方が4つ年上です。

ーー紹介してもらってからとんとん拍子で今に至る?

日向子 そうですね。子どものことを考えても、もう30後半だったので、急いで、みたいな感じで。

ある時プツンって糸が切れて

ーー結婚や子供を持つということに関してはどんな風に思っていたのですか?

日向子 やっぱり子どもが欲しいなというのを漠然と思っていました。結婚する二年ぐらい前にマネージャーに昇格して、その頃仕事がすごくきつかったのです。やりがいはありましたが、なんなんだろう、こんなに時間も心も仕事に振り回されて、一応マネージャーにはなれたけど、男性はすぐどんどん昇格するのに、私は、こんなに頑張ってなんなんだろうと思うようになってました。それである時プツンって糸が切れてしまい、一回休職することになったのです。

その時もう結婚していて、仕事もこんなにやってなんなんだろう?と思いました。ちょうどその時38歳。やっぱり子供欲しいなと思っていたのもあって。休職したときにちょっと立ち止まって、今何ができるんだろうと考えて、不妊治療の病院に行ってみたんです。タイミング療法をトライしてみたら割と早く子供ができたので、順調だったとは思います。逆にその休職をしてなければ、もしかしたら、仕事ばかり頑張ってしまって、子供ができていなかったかもしれないです。

初めてゆっくり自分の人生について考えてみた

ーー休職というのは一つ大きなことだったのですね。

日向子 そうですね。初めてゆっくり自分の人生について考えてみた感じでした。仕事をしていたら多分病院に行く時間もなかったと思います。だからそういう意味では、あの休職がなかったら、もしかしたら子供はいなかったかもしれないなって思います。

自分としては、あそこでちょっと立ち止まって良かったと思います。
仕事も大事だけれど、それまで自分の1日のパワーをほぼ仕事に捧げるような働き方をしていて、ある日突然プツンと切れたんです、本当に。「なんなんだろう」って感じになって。

ーーちょっと怒りのような、なんなの?っていう、感じもありますね。

日向子 それもあったし。私の人生どうなっちゃうの?これでいいのかな?というのがありました。それで一回離れてみて、自分を見つめ直すことができて良かったのかもしれません。

ーー何かお話を伺っていると、結婚も初めて会った時に決めたり、思い切る。積もり積もったものあると思うけれど、決めたらガンと行く。そういうものを感じます。

日向子 そうですね。でも普段は優柔不断で、むしろどうしようみたいな感じです。(笑)

私にも赤ちゃんが来てくれたんだ

ーーお1人目は休職中に妊娠して、そのまま育休に?

日向子 休職中に妊娠したわけではなかったです。3ヶ月休職して、1回復職して時間外をちょっとセーブしながら働いていました。時間外がないから病院にも通えて、休職明け2ヶ月後ぐらいに妊娠しました。

ーーそれがわかった時はいかがでした?

日向子 あー嬉しいって感じですね、やっぱり。私にも赤ちゃんが来てくれたんだと、新しい人生が始まるようなワクワク感がありました。今までの仕事だけの人生じゃない人生が送れそうだと。夫も嬉しそうでした。やっぱり年齢がいってから結婚しているので、子供を授かるとは多分思ってなかったんだと思います。

妊娠中にハワイへ

ーー二人で喜んで。そこからはどうでしたか?
  お仕事とかつわりとか大丈夫でしたか。

日向子 つわりは比較的軽くて大丈夫でしたね。自分の体がどんどん変わっていくのがなんだか不思議でした。結婚式をまだやっていなかったので、結婚式をハワイでやろうと計画している最中に妊娠が分かりました。それで、迷いましたが妊娠中にハワイへ行っちゃったんです。今思えば、本当にすごく危険なことをしたなと思います。

ーー妊娠何ヶ月目くらいの時にハワイに行ったんですか?

日向子 結構遅いタイミングですね。8ヶ月ぐらいの時でした。

ーーなるほど。一人目の時ってあんまりそういう意識ないですよね。

日向子 そう。全然わからない。産科の先生からは産科には安定期という考え方はないので絶対やめてくださいって言われていました。でも、大丈夫でしょ?みたいな感じだったんです。でも、二人目の時は切迫早産になりました。その、二人目の切迫早産の経験があって本当に先生のおっしゃる通りだなと思いました。妊娠中はいつ何があるかわからない、本当に危険なことをしたと思います。

<次回に続きます 3/21(木)発刊予定>


▪️編集後記
〜できなくてもずうずうしくいる 〜

働いているお母さんが持ちやすい感情の一つに「罪悪感」があります。
例えば、子供の体調が悪そうなのに、仕事に行くために、無理させて保育園に預けてしまった時とか、プロジェクトが佳境に入っているのに子供が病気で家に帰らなければならなかった時、なんだか周りの人に申し訳ない、迷惑をかけてるな、そんな気持ちになったりします。

私たちマタニティリープ出版プロジェクトのメンバーの多くが子育て中のお母さん。住んでいる場所も離れているので、打ち合わせも全てオンラインで行っています。そんな中、学校の行事や、子どもの急な発熱、学校の休校などで、思ったように計画を立てられず、プロジェクトの開始当初、同じような罪悪感を持つことがありました。「みんなこのプロジェクトにコミットしているのに、私がこのことに時間を避けないでいるのは申し訳ない、このプロジェクトに参加するのをやめた方がいいのかな、自分でできないから無責任に意見も言えない。」そんなことがチラチラと見え隠れしていました。そこで、私たちは全員で打ち合わせに臨む心構え(スタンス)を話し合いました。いくつか挙がってきたなかで、この罪悪感に歯止めを効かせているのが、このスタンス。

できなくてもずうずうしくいる(できないから言わないは無し)

その時の状況によって時間がどれだけ割けるかはタイミングによっても違うし、思いがけないことも起こったりして、自分が思うようにできないこともある。
でも、想いを持ってここに集まってきているのはみんな同じ。だからこそ、遠慮なくここにいて、図々しく言おう、やろう。そんなことをメンバーで合意したのです。

今では、物理的に離れていても、個々がそれぞれの思い、情熱のままに進みつつ、お互いが個々やチームの雰囲気を感じ取りながら、全体感を持ってチームで進めています。

多様性とかダイバーシティを職場に、多様な働き方に、と言われ始めて久しいですが、それを実際に実現していくことはなかなか大変なことだと改めて思います。でも、そこに関わる全員があきらめずに取り組んでいけば、不可能なことではない。
そう思って、マタニティリープチームは今日も進んでいます。

<編集>
マタニティリープ合同会社
https://www.maternityleap.com/


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